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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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今回の記事では、前の記事で出てきた「脳脊髄液」について少し説明を試みてみます。とはいうものの、私自身は解剖学の専門家でもお医者さんでもないので、むずかしい器官名の列挙は避け、とりあえずクラニオ絡みの内容を書いてみようと思います。「われわれの身体にはそういう液体があるのか」と脳脊髄液君を若干身近に感じていただければ、というところです。脳脊髄液の通り道にある具体的な器官の名前や脳脊髄液と症状との関連など、詳細な情報が知りたい方はネットの他の情報や解剖学書を参考にしてください。


脳脊髄液はその名の通り、脳室と呼ばれる脳内中央の空洞部分から脊髄の中央部(脊髄中心管)にかけて流れる「脳と脊髄の中をとおっている」液体です。具体的な流れの軌跡は以下のYouTube画像を見て頂くと、若干イメージができるかもしれません。動いている薄い緑色っぽい部分が脳脊髄液です。簡単に説明すると、この液のほとんどは脳室(動画で「Ventricle」と出てくる部分が脳室です。Third Ventricleは日本語では「第3脳室」です)内の「脈絡叢(動画のChoroid Plexus)」というひだのような器官から生成され、動画のような経路をたどって、頭頂部から血管(静脈洞)に吸収されていきます。最近は毛細血管からも吸収されているという説もあるそうです。また、前述の通り、脳内だけでなくて、脊髄方向(動画の下の方)に向かって流れていくものもあります。この管は腰の辺りまで伸びているので、身体の縦方向に注目すると、実はかなり広い範囲まで脳脊髄液は行き渡っているといえます。


一般的に知られている、脳脊髄液の主要な働きとしては、「液が脳の周りを覆っている=脳がこの液に浮かんだ状態になっている」ことから、様々なショックから脳を護ることや、その浮力により脳自体の重さを軽減する(脳は実際は1.5キロくらいあるので、まったく軽くならなかったら歩くだけでも頭が重くて大変です)といったものがあげられそうです。

クラニオの講座で聞いた範囲では、脳脊髄液は、中枢神経系(脳・脊髄)に栄養分を与えているとか、脳から老廃物を排出するといった脳の代謝にかかわる働きもあるとのことです。これはクラニオの立場からの考え方かもしれず、一般的な解剖学でどう解釈されているのかはわかりませんが。ほかには、脳にはリンパ系にあたる仕組みがないので、リンパ系にあたる働きをしているという記述もネット上にはありました。
また、クラニオでは、この脳脊髄液の流れに「1次呼吸」の状態が表現されている、というか、そもそも1次呼吸自体が脳脊髄液の流れを作り出す駆動力の1つと考えているため、主にその意味において、脳脊髄液の存在がとても重視されています。脳脊髄液そのものの探求より、「脳脊髄液の流れ」をガイドとして、人体の深層のリズム(1次呼吸)を感知することがクラニオのセラピストにとっては重要という事ですね。

ちなみに、クラニオでは、この液を介して全身にエネルギー的な滋養(ポーテンシーと呼ばれています)が運ばれているのではないか、というややふしぎな考えも持っています。「ポーテンシー」に関しては実際はどういうものなのか、何らかの物質なのか、神経パルスのようなものなのかは証明しようもないのですが。私自身もこれまでの経験から、受け手の方に触れていると、1次呼吸のリズムと連動するように、何かが一緒に流れているように感じることもあるので、良く判らないが、1次呼吸と「ポーテンシー」は何か関係あるらしい、ととりあえずそのまま考えています。
更に書くと、クラニオ関連の本では、先達が脳脊髄液を「光る液」などと表現をされていることもあります。私も、セッションをしていて、何となく「液が光っている」という表現に納得できるような体感を覚えることはしばしばあります。一説によると、脳脊髄液に「光子」が沢山含まれているためらしいのですが、ポーテンシーとの関連は不明です。


ここまで、知識を中心に何とか書こうとしてみましたが、脳脊髄液に関する自分の具体的な体感、という視点から考えてみると、クラニオセッションを受けると、「頭の奥が内側から洗浄されたようなすっきりした感じ」を覚える場合はしばしばあるので、セッションを期に脳脊髄液の流れに良い影響があり、脳内の老廃物が除去されたりしたのかな、と思ったりします。
また、クラニオでは「小魚のツアー」といって、自分が小魚になったつもりで、自分の脳内の脳脊髄液の流れをイメージで追っていく(言い換えると、脳脊髄液が流れている各脳室を自分の身体部位としてしっかり意識する)遊びのようなワークがあるのですが、これをやるとやたらと眠くなってきて、眠気に耐えつつ頑張ってやると、もしくは途中で寝てしまって起きると(できるだけ途中で寝ずにやるべきなのですが)例によって頭が洗浄されたような爽快な感じがするので、脳脊髄液をいじっているつもりはないが、クラニオのワークはやはり結構脳脊髄液と無意識のうちに深くかかわっているようにも思います。

これらも、脳の中身を手軽に見るすべがないので、多分そうなのだろうな、と思うだけなのですが、脳脊髄液について知識として詳しくなくとも、脳脊髄液はそれとは関係なく陰ながら我々をサポートし続けてくれており、クラニオをやっていると、その脳脊髄液君をどことなく身近に感じる機会が多いのも確かなようです。

◆参考文献: 「ネッター医学図鑑 脳・神経系Ⅰ 学生版」図版 Frank H.Netter,M.D 監修佐野圭司、高橋國太郎 丸善株式会社

2013/9 言い回しと間違ったことを言っていそうな点をもろもろ修正

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