クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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最近、海外のクラニオ指導者Michael.J.shea氏の「Biodynamic Craniosacral Therapy volume one」
という英語クラニオ本を買って読んでいます。幾つか前の記事にも書きましたが、昨年のクラニオアドバンス講座で、教室脇にさりげなくこの本が置いてあることに気づいて眺めてみたら面白そうだったので、アマゾンで購入してみました。
もっとも、読んでいる…といっても、解剖学などの専門用語も多く、私の微妙極まりない英語力では細かく読んでいるといつまでたっても終わりそうにないので、何となく大意を把握しながら斜め読みしているレベルなのですが、その程度の読み方でも興味深い内容があったので、今回は自分の勉強のために訳してみます。具体的には「2章 胎生学」p107-108の「成人の身体機能は胎児期にすでに働いている」とある部分の訳です。
なお、このパートも辞書を引きつつまともに訳しようとしたのですが、やはり胎生学の専門的な内容が入ってくるだけに私には難易度が高く、2行くらい意味が良く判らず飛ばしたりと甚だ適当な訳なので、内容は一部間違っているかもしれないが、おおよそこのような内容なのだろう、という程度に考えてください。以下、その適当翻訳部です。
■<本文1>
成人の身体に現れているあらゆる身体機能は胎児期初期から存在しています。成人のあらゆる身体機能はこの時期に、(成人時の働きの前段階的な)働きをしていると言い換えることもできます。
肺呼吸が良い例です。胚子は受精の際、ブレッヒシュミッド博士が「吸引のフィールド(suction field)」と呼ぶ動きをし始めます。インハレーションやエクスハレーションといった形で現れる相互張力体液運動も胚子の液の構造に見ることができます。ブレッヒシュミッド博士はこれを肺機能の前兆とまとめています。後に胚子の発達が進むと、「吸引のフィールド(suction field)」に似た働きの変容により、胸部の空洞にある原始前腸内部の、肺のもとになるフィールドから肺胞が発生します。
<アバウトな補足1>
「胚子」は発生初期の胎児のことです。また、ブレッヒシュミッド博士というのは胎生学の先生です。氏に関する日本語の書籍が(多分)存在しないのと、私の胎生学に関する知識不足から、いまいち凄さが把握できていないのですが、この文で言われている「機能が構造に先んじる」という主張はとても画期的な内容なのだと思います。
なお、インハレーションとエクスハレーションというのは1次呼吸のリズムのことです。ここでは胚子の初期段階から、これらの液の動きという形で1次呼吸の働きが見られるとあります。
また、このパートの肺の例では、胎児の肺が物理的に存在する前に(肺ができてから肺呼吸をし始めるのではなく)、呼吸の原型的な機能と思われる「suction fieldに似た働き」が既に存在していて、その働き自体が後に肺そのものを形成する動力になる…ということを言っているのだと思います。
ちなみに肺の話なのに「腸」という名称が出てくるのは、胚子の内胚葉という部位から初期に「腸管」という管ができ、基本的に肺を含む内臓はこの管が複雑に折りたたまれる中で作られていくためです。
■<本文2>
別の例としては、胚子の表層における血流の循環があります。血液は心臓が現れる前に、胚子表層に正確に形成されます。心臓ができる前段階では、血液はそれ自身の力によって胚子表層で循環しており、やがて、胚子の中心部に(心臓という)つながりを作り出します。(この時点で)下肢の(筋肉の圧縮による)毛細血管の血液循環などはできないため、成人の血液循環は胚子の時期からこのような前段階的な形で働き始めていると考えられます。
<アバウトな補足2>
この部分は心臓と血流についての話ですが、ここも肺と同じく、心臓ができてから血液循環が始まるのではなくて、血液の循環という機能が胚子の中心部に集約されて心臓という構造を作り出す、という内容が書いてあるようです。心臓の原型ができるのも確か受精後4週間くらいなので、このパートとあわせて、もっとも重要な臓器の1つというイメージがある心臓も実はできるまで案外時間がかかることがうかがえます。
■<本文3>
また、体液の自動性(motility)は組織の可動性(mobility)に先んじて存在します。構造に先んじて機能が存在していると言い換えることもできます。「先んじて」というのは、単に時間的に先に存在するという意味ではありません。機能と構造の間には階層的な関係(機能>構造)が存在します。機能と構造はいずれも「機能」の表現ということができ、編成の原理や機能のフィールドは(構造そのものより)上位の概念です。
このように考えると、胚の発生における「鶏が先か卵が先か(機能と構造のどちらが先か)」という問題は解決します。胚子は機能としての形と、生物学的挙動としての形、両方を表現していると考えられます。
<ブログ主によるアバウトな補足3>
我ながら分かりづらい訳ですが、アバウトな解説1,2にあるように、胎児期の器官の生成にあたっては、動き(機能)が先にあって、それが器官(構造)を作る動力やガイドラインになっているようだ、というまとめだと思います。
ちなみに、冒頭の自動性(motility)というのは、ある臓器などが自らの内側からの働きで自律的に動く性質(自律的と言っても、内側の何らかの働きに動かされているという意味では他律的ですが)、可動性(mobility)というのは、隣接する他の部位等の動きによって臓器や骨格などが動かされている性質といった感じです。
■
翻訳部は以上です。1ページ程度の分量なのですが、まともに訳そうとしたら結構苦戦しました。それはともかく、このパートを取り上げてみようと思ったのは、一般的な思い込みを覆すようなブレッヒシュミッド博士の説の面白さもありますが、その説がクラニオや1次呼吸について深く理解するヒントになりそうな気がしたというのが大きいです。
著者のShea氏は、「クラニオバイオダイナミクスの発展に胎生学とソマテックエクスペリエンスは重要な影響を果たしている」と、この本の別の部分で書かれているのですが、「胎生学の重要な影響」という部分がこのパートにある程度集約されて表現されているように感じました。
私はクラニオにとって重要な「1次呼吸」について、「脳脊髄液をリズミカルに動かしている人体のリズム」とか「胎児期から続く、人体を編成するリズミカルな働き」といった説明をしてきましたが、人によってはイメージが難しいようだったり、自分で説明していてなんですが、「編成の働き」といっても具体的な姿がどうも自分でも釈然としない部分があったので、このパートを読んで、多少納得感が増した感じはあります。
クラニオ基礎講座でも、このパートのその1にあったように、受精後既に受精卵内に1次呼吸らしき液のリズミカルな動きが生じている(そして、それが胚子の成長に影響を与えているらしい)という説明を受けましたが、それは、suction fieldという概念を提示していたり、「機能は構造に先んじて存在し、機能が構造を形作る」というブレッヒシュミッド博士の胎生学を参考にしつつ、いまいちつかみどころのない部分がある1次呼吸の具体的な姿を明らかにしようとしてきたのかもしれないなと、このパートを読んで思いました。
もっとも、このパートでは心臓を形成するのは血流(の原型のような働き)、肺を形成するのはsuction fieldに似た働きとあり、文脈からするとこれらの働き自体は1次呼吸と関係はあるかもしれないにせよ、1次呼吸そのもの…というわけでもなさそうです。そのため、ブレッヒシュミッド博士の説が正しいとして、(私は胎生学のスタンダードや最新情報を把握できていないので、「正しい」とは断言できませんが、実際の人体の臓器発生の順番は人間なら誰しも同じだと思うので、一定の説得力がある説なのだろうとは思います。)「1次呼吸」はここでいう「機能」の最たるものと言えますが、結局のところ、1次呼吸の「機能」によって「何が」形成されているのか、あるいは、1次呼吸が具体的に胚子の形成過程において、具体的にどんな役割を果たしているのかは、個人的にまだあいまい感があり、もう少し理解(あるいは復習)が必要と感じられるところです。
まあ、個人的に1次呼吸に関してもまだ理解不十分な点は多いですが、いつもお世話になっている自分の身体そのものからして、かなり謎が多く不思議な存在であることが、このパートの心臓や肺の発生の説明を読んでより実感できた気はします。
<参考文献>
Michael.J.Shea (2007)「Biodynamic Craniosacral Therapy volume one」 North Atlantic Books
※このシリーズは現在vol.5まであります。1冊数百ページありますが、全部読んだらとても
クラニオ分野で物知りになれそうです。ただ、検索したら暫く前にはあった著者のスクール
のサイトがなくなっているようなので、何かあったのか少し気になります…。
という英語クラニオ本を買って読んでいます。幾つか前の記事にも書きましたが、昨年のクラニオアドバンス講座で、教室脇にさりげなくこの本が置いてあることに気づいて眺めてみたら面白そうだったので、アマゾンで購入してみました。
もっとも、読んでいる…といっても、解剖学などの専門用語も多く、私の微妙極まりない英語力では細かく読んでいるといつまでたっても終わりそうにないので、何となく大意を把握しながら斜め読みしているレベルなのですが、その程度の読み方でも興味深い内容があったので、今回は自分の勉強のために訳してみます。具体的には「2章 胎生学」p107-108の「成人の身体機能は胎児期にすでに働いている」とある部分の訳です。
なお、このパートも辞書を引きつつまともに訳しようとしたのですが、やはり胎生学の専門的な内容が入ってくるだけに私には難易度が高く、2行くらい意味が良く判らず飛ばしたりと甚だ適当な訳なので、内容は一部間違っているかもしれないが、おおよそこのような内容なのだろう、という程度に考えてください。以下、その適当翻訳部です。
■<本文1>
成人の身体に現れているあらゆる身体機能は胎児期初期から存在しています。成人のあらゆる身体機能はこの時期に、(成人時の働きの前段階的な)働きをしていると言い換えることもできます。
肺呼吸が良い例です。胚子は受精の際、ブレッヒシュミッド博士が「吸引のフィールド(suction field)」と呼ぶ動きをし始めます。インハレーションやエクスハレーションといった形で現れる相互張力体液運動も胚子の液の構造に見ることができます。ブレッヒシュミッド博士はこれを肺機能の前兆とまとめています。後に胚子の発達が進むと、「吸引のフィールド(suction field)」に似た働きの変容により、胸部の空洞にある原始前腸内部の、肺のもとになるフィールドから肺胞が発生します。
<アバウトな補足1>
「胚子」は発生初期の胎児のことです。また、ブレッヒシュミッド博士というのは胎生学の先生です。氏に関する日本語の書籍が(多分)存在しないのと、私の胎生学に関する知識不足から、いまいち凄さが把握できていないのですが、この文で言われている「機能が構造に先んじる」という主張はとても画期的な内容なのだと思います。
なお、インハレーションとエクスハレーションというのは1次呼吸のリズムのことです。ここでは胚子の初期段階から、これらの液の動きという形で1次呼吸の働きが見られるとあります。
また、このパートの肺の例では、胎児の肺が物理的に存在する前に(肺ができてから肺呼吸をし始めるのではなく)、呼吸の原型的な機能と思われる「suction fieldに似た働き」が既に存在していて、その働き自体が後に肺そのものを形成する動力になる…ということを言っているのだと思います。
ちなみに肺の話なのに「腸」という名称が出てくるのは、胚子の内胚葉という部位から初期に「腸管」という管ができ、基本的に肺を含む内臓はこの管が複雑に折りたたまれる中で作られていくためです。
■<本文2>
別の例としては、胚子の表層における血流の循環があります。血液は心臓が現れる前に、胚子表層に正確に形成されます。心臓ができる前段階では、血液はそれ自身の力によって胚子表層で循環しており、やがて、胚子の中心部に(心臓という)つながりを作り出します。(この時点で)下肢の(筋肉の圧縮による)毛細血管の血液循環などはできないため、成人の血液循環は胚子の時期からこのような前段階的な形で働き始めていると考えられます。
<アバウトな補足2>
この部分は心臓と血流についての話ですが、ここも肺と同じく、心臓ができてから血液循環が始まるのではなくて、血液の循環という機能が胚子の中心部に集約されて心臓という構造を作り出す、という内容が書いてあるようです。心臓の原型ができるのも確か受精後4週間くらいなので、このパートとあわせて、もっとも重要な臓器の1つというイメージがある心臓も実はできるまで案外時間がかかることがうかがえます。
■<本文3>
また、体液の自動性(motility)は組織の可動性(mobility)に先んじて存在します。構造に先んじて機能が存在していると言い換えることもできます。「先んじて」というのは、単に時間的に先に存在するという意味ではありません。機能と構造の間には階層的な関係(機能>構造)が存在します。機能と構造はいずれも「機能」の表現ということができ、編成の原理や機能のフィールドは(構造そのものより)上位の概念です。
このように考えると、胚の発生における「鶏が先か卵が先か(機能と構造のどちらが先か)」という問題は解決します。胚子は機能としての形と、生物学的挙動としての形、両方を表現していると考えられます。
<ブログ主によるアバウトな補足3>
我ながら分かりづらい訳ですが、アバウトな解説1,2にあるように、胎児期の器官の生成にあたっては、動き(機能)が先にあって、それが器官(構造)を作る動力やガイドラインになっているようだ、というまとめだと思います。
ちなみに、冒頭の自動性(motility)というのは、ある臓器などが自らの内側からの働きで自律的に動く性質(自律的と言っても、内側の何らかの働きに動かされているという意味では他律的ですが)、可動性(mobility)というのは、隣接する他の部位等の動きによって臓器や骨格などが動かされている性質といった感じです。
■
翻訳部は以上です。1ページ程度の分量なのですが、まともに訳そうとしたら結構苦戦しました。それはともかく、このパートを取り上げてみようと思ったのは、一般的な思い込みを覆すようなブレッヒシュミッド博士の説の面白さもありますが、その説がクラニオや1次呼吸について深く理解するヒントになりそうな気がしたというのが大きいです。
著者のShea氏は、「クラニオバイオダイナミクスの発展に胎生学とソマテックエクスペリエンスは重要な影響を果たしている」と、この本の別の部分で書かれているのですが、「胎生学の重要な影響」という部分がこのパートにある程度集約されて表現されているように感じました。
私はクラニオにとって重要な「1次呼吸」について、「脳脊髄液をリズミカルに動かしている人体のリズム」とか「胎児期から続く、人体を編成するリズミカルな働き」といった説明をしてきましたが、人によってはイメージが難しいようだったり、自分で説明していてなんですが、「編成の働き」といっても具体的な姿がどうも自分でも釈然としない部分があったので、このパートを読んで、多少納得感が増した感じはあります。
クラニオ基礎講座でも、このパートのその1にあったように、受精後既に受精卵内に1次呼吸らしき液のリズミカルな動きが生じている(そして、それが胚子の成長に影響を与えているらしい)という説明を受けましたが、それは、suction fieldという概念を提示していたり、「機能は構造に先んじて存在し、機能が構造を形作る」というブレッヒシュミッド博士の胎生学を参考にしつつ、いまいちつかみどころのない部分がある1次呼吸の具体的な姿を明らかにしようとしてきたのかもしれないなと、このパートを読んで思いました。
もっとも、このパートでは心臓を形成するのは血流(の原型のような働き)、肺を形成するのはsuction fieldに似た働きとあり、文脈からするとこれらの働き自体は1次呼吸と関係はあるかもしれないにせよ、1次呼吸そのもの…というわけでもなさそうです。そのため、ブレッヒシュミッド博士の説が正しいとして、(私は胎生学のスタンダードや最新情報を把握できていないので、「正しい」とは断言できませんが、実際の人体の臓器発生の順番は人間なら誰しも同じだと思うので、一定の説得力がある説なのだろうとは思います。)「1次呼吸」はここでいう「機能」の最たるものと言えますが、結局のところ、1次呼吸の「機能」によって「何が」形成されているのか、あるいは、1次呼吸が具体的に胚子の形成過程において、具体的にどんな役割を果たしているのかは、個人的にまだあいまい感があり、もう少し理解(あるいは復習)が必要と感じられるところです。
まあ、個人的に1次呼吸に関してもまだ理解不十分な点は多いですが、いつもお世話になっている自分の身体そのものからして、かなり謎が多く不思議な存在であることが、このパートの心臓や肺の発生の説明を読んでより実感できた気はします。
<参考文献>
Michael.J.Shea (2007)「Biodynamic Craniosacral Therapy volume one」 North Atlantic Books
※このシリーズは現在vol.5まであります。1冊数百ページありますが、全部読んだらとても
クラニオ分野で物知りになれそうです。ただ、検索したら暫く前にはあった著者のスクール
のサイトがなくなっているようなので、何かあったのか少し気になります…。
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ブログネタが尽きている状態は日々進行中です。私がクラニオに関して語れることはそんなにないっすよ…理屈の部分は不完全ながらここでかなり書いたと思うし…というわけで、また英語クラニオ関連サイトを極めて大雑把に翻訳するパターンに戻ってまいりました。
それで、何を翻訳しようかと思っていたんですが、クラニオ創始者であるサザーランド博士自身についてほとんど知らないことに気づいたので、さっそく検索してみたところ、英語サイトには彼の写真やら経歴やらが結構載っていることを発見しました。
以下は海外のクラニアル オステオパシーのサイトにあったサザーランド博士の経歴ページ。肖像画もあり、ダンディな紳士という雰囲気が漂っています。
http://www.osteohome.com/SubPages/wgs.html
同サイト別ページにご当人の写真もありました。これは貴重ですね。 http://www.osteohome.com/SubPages/WGSphotos.html
先のページのサザーランド博士の紹介文は結構充実していて、それほど内容も難しくないので、これを翻訳素材にさせていただきました。業績とBiographyとあるうち、Biographyの部分だけ訳してみます。例によって訳は大雑把です…。
<以下大雑把訳>
======================================================
◆ 経歴:William Sutherland, DO(1873-1954)
Dr.サザーランドは1873年に米国ウィスコンシンの労働者階級の家庭に生まれました。彼の父は鍛冶屋、母は主婦でした。兄弟は3人おり、彼は上から3番目でした。
彼が就いた最初の仕事はウィスコンシン北部の地方紙の記者でした。Dr.サザーランドは、記者としての仕事の経験は、一般に広まっている考えを鵜呑みにせず、感情や偏見にとらわずに事実を把握する、という大切なスキルを成長させてくれたと述懐しています。
1895年にDr.サザーランドは、当時は賛否両論があったthe American School of Osteopathy(the Kirksville College of Osteopathic Medicine と改名)という医学校に入学しました。Dr.サザーランドは非常に優秀な医学生であり、1898年に25歳で同校を卒業しました。
その人生の大半において、Dr.サザーランドの研究や臨床はミズーリで行われました。多くの優れた生徒の育成や多くのクライアントからの感謝にもかかわらず、彼の熱心な仕事ぶりやこの分野への献身は、彼が活動していた時代には広く知られることがありませんでした。のみならず、彼が初期の出版物で紹介した「1次呼吸」のメカニズムに基づく理論は「いかさま」のラベルを貼られて強烈な批判にさらされ、彼に大きな落胆を与えました。今日では、Dr.サザーランドのワークは医学的な事実として認められています。
これらの活動初期の緊迫した状況は彼の結婚生活にも悪影響をもたらし、彼は1920年代に最初の妻との離婚を経験します。彼とこの妻との間には一人の子供がいました。そののち、1927年に、彼は終生連れ添うことになる2人目の妻Adaと再婚しました。
1951年、78歳になった時、Dr.サザーランドはミッドウエストを去り、より穏やかな気候のカリフォルニア、Pacific Groveに移り住みました。その暫く後、1954年に彼はこの世を去ります。
Dr.サザーランドは医学界に計り知れない貢献をするとともに、彼のワークは今日、米国内外を問わず、多くの同胞たちに敬愛を受け続けています。
======================================================
<訳ここまで>
◆
さて、翻訳はしてみたものの、短いながらも想像以上にヘビーな内容でした。数世代のちの私はサザーランド博士に対しては聖人のようなぼんやりしたイメージしか持っていませんでしたが、こうやって経歴を見ると、ともかく苦労に苦労を重ねた大変な苦労人というイメージしかないですね…。クラニオがあまりにも時代を先取りしすぎた内容だったため、当時は理解者もとても少なかったのでしょう。
彼が入学したという「オステオパシー大学」も、今でこそ米国のオステオパスは医者と同等の権威を持っているそうですが、オステオパシー自体が創始されて間もない当時は学校自体がやや疑惑の目で見られていたのかもしれませんね。
頭蓋の状態が身体に及ぼす影響について、若かりし頃(オステオパシー大学卒業前後位)の彼が自分の身体で様々な実験をした時、奥さんが彼の取り組みについて感想を残したことがクラニオの講座テキストにはエピソードとして取り上げられているのですが、彼の活動の後援者であったであろうその奥さんとも後に離婚していたのですね。何とも痛ましい気持ちになります。
さしたる深い理由もなく選んだサザーランド博士の経歴ですが、翻訳してみてよかったです。多くの苦労を経て作り上げられ、世間の風評を恐れぬ多くの勇気ある人々の手によって発展してきたクラニオ、私も大切にしなければ、という思いにさせられました。
それで、何を翻訳しようかと思っていたんですが、クラニオ創始者であるサザーランド博士自身についてほとんど知らないことに気づいたので、さっそく検索してみたところ、英語サイトには彼の写真やら経歴やらが結構載っていることを発見しました。
以下は海外のクラニアル オステオパシーのサイトにあったサザーランド博士の経歴ページ。肖像画もあり、ダンディな紳士という雰囲気が漂っています。
http://www.osteohome.com/SubPages/wgs.html
同サイト別ページにご当人の写真もありました。これは貴重ですね。 http://www.osteohome.com/SubPages/WGSphotos.html
先のページのサザーランド博士の紹介文は結構充実していて、それほど内容も難しくないので、これを翻訳素材にさせていただきました。業績とBiographyとあるうち、Biographyの部分だけ訳してみます。例によって訳は大雑把です…。
<以下大雑把訳>
======================================================
◆ 経歴:William Sutherland, DO(1873-1954)
Dr.サザーランドは1873年に米国ウィスコンシンの労働者階級の家庭に生まれました。彼の父は鍛冶屋、母は主婦でした。兄弟は3人おり、彼は上から3番目でした。
彼が就いた最初の仕事はウィスコンシン北部の地方紙の記者でした。Dr.サザーランドは、記者としての仕事の経験は、一般に広まっている考えを鵜呑みにせず、感情や偏見にとらわずに事実を把握する、という大切なスキルを成長させてくれたと述懐しています。
1895年にDr.サザーランドは、当時は賛否両論があったthe American School of Osteopathy(the Kirksville College of Osteopathic Medicine と改名)という医学校に入学しました。Dr.サザーランドは非常に優秀な医学生であり、1898年に25歳で同校を卒業しました。
その人生の大半において、Dr.サザーランドの研究や臨床はミズーリで行われました。多くの優れた生徒の育成や多くのクライアントからの感謝にもかかわらず、彼の熱心な仕事ぶりやこの分野への献身は、彼が活動していた時代には広く知られることがありませんでした。のみならず、彼が初期の出版物で紹介した「1次呼吸」のメカニズムに基づく理論は「いかさま」のラベルを貼られて強烈な批判にさらされ、彼に大きな落胆を与えました。今日では、Dr.サザーランドのワークは医学的な事実として認められています。
これらの活動初期の緊迫した状況は彼の結婚生活にも悪影響をもたらし、彼は1920年代に最初の妻との離婚を経験します。彼とこの妻との間には一人の子供がいました。そののち、1927年に、彼は終生連れ添うことになる2人目の妻Adaと再婚しました。
1951年、78歳になった時、Dr.サザーランドはミッドウエストを去り、より穏やかな気候のカリフォルニア、Pacific Groveに移り住みました。その暫く後、1954年に彼はこの世を去ります。
Dr.サザーランドは医学界に計り知れない貢献をするとともに、彼のワークは今日、米国内外を問わず、多くの同胞たちに敬愛を受け続けています。
======================================================
<訳ここまで>
◆
さて、翻訳はしてみたものの、短いながらも想像以上にヘビーな内容でした。数世代のちの私はサザーランド博士に対しては聖人のようなぼんやりしたイメージしか持っていませんでしたが、こうやって経歴を見ると、ともかく苦労に苦労を重ねた大変な苦労人というイメージしかないですね…。クラニオがあまりにも時代を先取りしすぎた内容だったため、当時は理解者もとても少なかったのでしょう。
彼が入学したという「オステオパシー大学」も、今でこそ米国のオステオパスは医者と同等の権威を持っているそうですが、オステオパシー自体が創始されて間もない当時は学校自体がやや疑惑の目で見られていたのかもしれませんね。
頭蓋の状態が身体に及ぼす影響について、若かりし頃(オステオパシー大学卒業前後位)の彼が自分の身体で様々な実験をした時、奥さんが彼の取り組みについて感想を残したことがクラニオの講座テキストにはエピソードとして取り上げられているのですが、彼の活動の後援者であったであろうその奥さんとも後に離婚していたのですね。何とも痛ましい気持ちになります。
さしたる深い理由もなく選んだサザーランド博士の経歴ですが、翻訳してみてよかったです。多くの苦労を経て作り上げられ、世間の風評を恐れぬ多くの勇気ある人々の手によって発展してきたクラニオ、私も大切にしなければ、という思いにさせられました。
私自身が英語に親しむ時間みたいな位置づけで、だらだら続いている適当な訳シリーズです。
今回でBIODYNAMICSとある部分が終わりなので、次回以降どうするかは未定です。
今回の本文は以下です。
http://www.craniosacralbalancing.com/en/biodynamik/methoden.php?navid=8
<以下本文>------------------------------------------------------
クラニオ・バイオダイナミクスのメソッド
クラニオセイクラルセラピー(※ここでは同名の技法でなく、クラニオバイオダイナミクス
を指してると思われる)は、受ける人の身体状態を意図的に操作したり、
脅かすような方法を用いず、身体が持つ根源的な生命のフォースの働きや
身体が本来のバランスや調和を取り戻すことをサポートする、ホリスティックな方法論です(※1)。
クラニオセイクラル・バイオダイナミクスでは、
いわゆる「クラニオセイクラルシステム」と呼ばれる身体の構造のみならず、
人間のホリスティックで有機的な面(も扱います)。
クラニオセイクラルシステムとは、髄膜、髄膜と連結した骨、脳脊髄液、
そして脳脊髄液を産生、再吸収する一連の構造のことです。
このシステムは中枢神経系を囲む形で存在します(※2)。
ゆっくりとしたリズムを持つ不随意な動き(1次呼吸)は
クラニオセイクラルシステムの構造内部のみならず、
身体のあらゆる細胞でも(動き・はたらきとして)表現されています。
クラニオセイクラル・バイオダイナミクスは
受ける人の(特にクラニオセイクラルシステムに関する)
健全さや、ホリスティックな有機的バランスを取り戻す
サポートとなることを期待して行われます。
クラニオ・バイオダイナミクスは、全体性の視点を重視するとともに、
人体が持つリソースと潜在力の働きに根差した技法といえます。
「健全さとは病気がない状態のことではない。
それは、我々の意識、身体、われわれが生きる世界が調和した状態のことである。
身体は宇宙全体を内包しており、宇宙もまた拡大された身体なのである。」
Deepak Chopra(※3)
<注記・解説>---------------------------------------------
※全体
クラニオの技法としての特性みたいな部分でしょうか。
といっても、今回はこれまでと内容がかなりかぶってますね。
※1
ホリスティックとか全体性とか有機的というのが何べんも出てきますが、
たぶんいろいろな意味が含まれていて、クラニオでは身体の部分的な違和感も身体全体との
つながりの中でとらえるとか、セッションでは身体の「部分」の矯正を目指さず
全体のバランスが整うのを期待するとか、もしくは身体という枠にとらわれない意識で
セッションを行うこともある…といったもろもろを指しているというところでしょう。
※2
中枢神経系を覆う云々というのは少々わかりにくい表現ですが、要するに脳の中身です。
中枢神経系というのは脳幹とかそのあたり。脳内の脳室という空間から脳脊髄液が
産生されたり(空間自体は脳内から脊椎内部まで伸びている)髄液が髄膜と近接した
静脈洞に吸収されたりといった一連の働きや、それらの構造全体を
ここでは「クラニオセイクラル(頭蓋仙骨)システム」と呼んでいるようです。
※3
チョプラさんという方が出てきました。前回の老子よりわかりやすいです。
あまり日常的な言葉ではないですが、「ミクロコスモスとしての人体」
「マクロコスモスの一部でもある人」ってやつですか。身体を扱う学びをしている方には
割と違和感がない考えなんじゃないでしょうか。
「天にあるものは地にあるものの如く」という言葉が西洋神秘学にあるそうですが、
その言葉も踏まえて今回の言葉を考えると、天の理は日常(地)のあらゆるシーンにも宿っており、
人も「地」の例外ではない、と。で、人が天地自然の理を体現した存在であるということは、
個々人の状態は世界のありようともと深くつながっている、というところでしょうか。
また、健康というのは単に健康診断の数値が良いとかの即物的意味合いではなく、
自分がかかわる環境に充足感を覚えていたり、深い理とのつながりを日常の中に感じ、
深い充足を得る機会がある、といったことも含む、もっとビッグな概念だといってるのでしょう。
※ちなみに、チョプラさんというのは、この方↓ですね。
http://www.bodymindspirit.co.jp/chopra/profile.html
私も名前を聞いたことがあるくらいでしたが、統合医療分野、自己啓発分野で有名な方のようですね。
今回でBIODYNAMICSとある部分が終わりなので、次回以降どうするかは未定です。
今回の本文は以下です。
http://www.craniosacralbalancing.com/en/biodynamik/methoden.php?navid=8
<以下本文>------------------------------------------------------
クラニオ・バイオダイナミクスのメソッド
クラニオセイクラルセラピー(※ここでは同名の技法でなく、クラニオバイオダイナミクス
を指してると思われる)は、受ける人の身体状態を意図的に操作したり、
脅かすような方法を用いず、身体が持つ根源的な生命のフォースの働きや
身体が本来のバランスや調和を取り戻すことをサポートする、ホリスティックな方法論です(※1)。
クラニオセイクラル・バイオダイナミクスでは、
いわゆる「クラニオセイクラルシステム」と呼ばれる身体の構造のみならず、
人間のホリスティックで有機的な面(も扱います)。
クラニオセイクラルシステムとは、髄膜、髄膜と連結した骨、脳脊髄液、
そして脳脊髄液を産生、再吸収する一連の構造のことです。
このシステムは中枢神経系を囲む形で存在します(※2)。
ゆっくりとしたリズムを持つ不随意な動き(1次呼吸)は
クラニオセイクラルシステムの構造内部のみならず、
身体のあらゆる細胞でも(動き・はたらきとして)表現されています。
クラニオセイクラル・バイオダイナミクスは
受ける人の(特にクラニオセイクラルシステムに関する)
健全さや、ホリスティックな有機的バランスを取り戻す
サポートとなることを期待して行われます。
クラニオ・バイオダイナミクスは、全体性の視点を重視するとともに、
人体が持つリソースと潜在力の働きに根差した技法といえます。
「健全さとは病気がない状態のことではない。
それは、我々の意識、身体、われわれが生きる世界が調和した状態のことである。
身体は宇宙全体を内包しており、宇宙もまた拡大された身体なのである。」
Deepak Chopra(※3)
<注記・解説>---------------------------------------------
※全体
クラニオの技法としての特性みたいな部分でしょうか。
といっても、今回はこれまでと内容がかなりかぶってますね。
※1
ホリスティックとか全体性とか有機的というのが何べんも出てきますが、
たぶんいろいろな意味が含まれていて、クラニオでは身体の部分的な違和感も身体全体との
つながりの中でとらえるとか、セッションでは身体の「部分」の矯正を目指さず
全体のバランスが整うのを期待するとか、もしくは身体という枠にとらわれない意識で
セッションを行うこともある…といったもろもろを指しているというところでしょう。
※2
中枢神経系を覆う云々というのは少々わかりにくい表現ですが、要するに脳の中身です。
中枢神経系というのは脳幹とかそのあたり。脳内の脳室という空間から脳脊髄液が
産生されたり(空間自体は脳内から脊椎内部まで伸びている)髄液が髄膜と近接した
静脈洞に吸収されたりといった一連の働きや、それらの構造全体を
ここでは「クラニオセイクラル(頭蓋仙骨)システム」と呼んでいるようです。
※3
チョプラさんという方が出てきました。前回の老子よりわかりやすいです。
あまり日常的な言葉ではないですが、「ミクロコスモスとしての人体」
「マクロコスモスの一部でもある人」ってやつですか。身体を扱う学びをしている方には
割と違和感がない考えなんじゃないでしょうか。
「天にあるものは地にあるものの如く」という言葉が西洋神秘学にあるそうですが、
その言葉も踏まえて今回の言葉を考えると、天の理は日常(地)のあらゆるシーンにも宿っており、
人も「地」の例外ではない、と。で、人が天地自然の理を体現した存在であるということは、
個々人の状態は世界のありようともと深くつながっている、というところでしょうか。
また、健康というのは単に健康診断の数値が良いとかの即物的意味合いではなく、
自分がかかわる環境に充足感を覚えていたり、深い理とのつながりを日常の中に感じ、
深い充足を得る機会がある、といったことも含む、もっとビッグな概念だといってるのでしょう。
※ちなみに、チョプラさんというのは、この方↓ですね。
http://www.bodymindspirit.co.jp/chopra/profile.html
私も名前を聞いたことがあるくらいでしたが、統合医療分野、自己啓発分野で有名な方のようですね。
適当なISCB HP訳シリーズその5です。
今回もそこそこ長く、そして言い回しが少し難しく、やや苦戦気味です。
原文は以下です。
http://www.craniosacralbalancing.com/en/biodynamik/anwendung.php?navid=7
<以下本文>------------------------------------------------------
クラニオバイオダイナミクスのセッションはどのように行われるのですか?
まず、たいていの場合、プラクティショナーは自身の1次呼吸(PR:Primary Respiration)に繋がり、
自分の内に注意を向け、落ち着いていくことにある程度の時間をかけます。
プラクティショナーはクライアントに声をかけ、自分自身の内部の感覚や知覚につながれるよう
導くこともあります(※1)。
(プラクティショナーはクライアントの)身体に手を触れる時、(どんな触れ方が良いかを十分)交渉し、
相手を尊重しつつ、デリケートかつ繊細な方法で触れていきます(※2)。
(身体に触れた後、)プラクティショナーは1次呼吸システムが十分に落ち着き、
(クライアントが1次呼吸システムと)繋がれるよう計らいます。
プラクティショナーは知覚を広くとりつつ(1次呼吸システムの声に)耳を傾け、
クライアントの1次呼吸システムがプラクティショナーに伝えようとする情報を受け取ります(※3)。
この情報はプラクティショナーが(クライアントに対して)適切な対応を行うためのガイドとなり、
また、治癒のプロセスをサポートします。(このようにして)根源のフォースに繋がることにより、
(クライアントのシステムが持つ)その人固有の表現からなるトリートメントプラン
(自然治癒過程みたいなもの)が形成され(、身体システムの自己調整が進行し)ます(※4)。
有機的な存在は常に、自己調整し、自己修復し、バランスをとろうとします。
プラクティショナーはこれらの自己調整の働きの援助者(同伴者)であり、
いかなる時でも適切に働くこのクラニオセイクラル・バイオダイナミクスの原理を
用いる者でもあります。
クラニオセイクラルの治癒的セッションにおいても、プラクティショナーは
クライアントの身体システムが生来持っている叡智の働きに従います。
プラクティショナーは、全体性を持ちニュートラルかつ地に足が付いた状態でその場に居続け、
(クライアントの自己治癒の働きにとって)道標となるスペースを保持します(※5)。
(プラクティショナーの)このようなあり方によって、クライアント(の身体システム)は
自分の内部で起きているプロセスに目を向け、そのプロセスを観察し、
探索し、調査することができるようになります(※6)。
この(クラニオバイオダイナミクスの)アプローチは(クライアントの身体システム本来の)健全さ
を強化し、健全さに再び繋がり直す機会を与えます。
安全な助けを用意しなくても、この世界(の姿?)に近づく法がある。
開かれた心で、小径を探すのだ(※7)。
Lao Tzu(老子)
…また訳本文が長くなったので、注記はこれの直下の日記記事に書いときます。
今回もそこそこ長く、そして言い回しが少し難しく、やや苦戦気味です。
原文は以下です。
http://www.craniosacralbalancing.com/en/biodynamik/anwendung.php?navid=7
<以下本文>------------------------------------------------------
クラニオバイオダイナミクスのセッションはどのように行われるのですか?
まず、たいていの場合、プラクティショナーは自身の1次呼吸(PR:Primary Respiration)に繋がり、
自分の内に注意を向け、落ち着いていくことにある程度の時間をかけます。
プラクティショナーはクライアントに声をかけ、自分自身の内部の感覚や知覚につながれるよう
導くこともあります(※1)。
(プラクティショナーはクライアントの)身体に手を触れる時、(どんな触れ方が良いかを十分)交渉し、
相手を尊重しつつ、デリケートかつ繊細な方法で触れていきます(※2)。
(身体に触れた後、)プラクティショナーは1次呼吸システムが十分に落ち着き、
(クライアントが1次呼吸システムと)繋がれるよう計らいます。
プラクティショナーは知覚を広くとりつつ(1次呼吸システムの声に)耳を傾け、
クライアントの1次呼吸システムがプラクティショナーに伝えようとする情報を受け取ります(※3)。
この情報はプラクティショナーが(クライアントに対して)適切な対応を行うためのガイドとなり、
また、治癒のプロセスをサポートします。(このようにして)根源のフォースに繋がることにより、
(クライアントのシステムが持つ)その人固有の表現からなるトリートメントプラン
(自然治癒過程みたいなもの)が形成され(、身体システムの自己調整が進行し)ます(※4)。
有機的な存在は常に、自己調整し、自己修復し、バランスをとろうとします。
プラクティショナーはこれらの自己調整の働きの援助者(同伴者)であり、
いかなる時でも適切に働くこのクラニオセイクラル・バイオダイナミクスの原理を
用いる者でもあります。
クラニオセイクラルの治癒的セッションにおいても、プラクティショナーは
クライアントの身体システムが生来持っている叡智の働きに従います。
プラクティショナーは、全体性を持ちニュートラルかつ地に足が付いた状態でその場に居続け、
(クライアントの自己治癒の働きにとって)道標となるスペースを保持します(※5)。
(プラクティショナーの)このようなあり方によって、クライアント(の身体システム)は
自分の内部で起きているプロセスに目を向け、そのプロセスを観察し、
探索し、調査することができるようになります(※6)。
この(クラニオバイオダイナミクスの)アプローチは(クライアントの身体システム本来の)健全さ
を強化し、健全さに再び繋がり直す機会を与えます。
安全な助けを用意しなくても、この世界(の姿?)に近づく法がある。
開かれた心で、小径を探すのだ(※7)。
Lao Tzu(老子)
…また訳本文が長くなったので、注記はこれの直下の日記記事に書いときます。
上の日記記事「BIODYNAMICS -Application」注記・解説部です。
今回はなかなか手強いですね…。
<注記・解説>---------------------------------------------
※全般
クラニオセッションはだいたいどのように進行するのか、セッション中プラクティショナーが何をしているかといった部分です。これを読むとかなり理解不能な領域に突入している気がしなくもないですが…。
プラクティショナーが主にやってることについて書くと「自分の身体状態を静かにして、クライアントさんの身体の声(1次呼吸によって表現される身体の色々な反応)を聴き、1次呼吸の働きが発揮されやすい環境をキープし続けている」というところです。プラクティショナーは自分から積極的に何かしない、ということが理解されればと。
※1
クライアントさんに意識を向けさせるというのは、「頸椎~番付近はどうなってるか」等と細かく観察させるという意味ではなくて、「今、身体がどんな感じがしますか」と聞いたりすることです。普段、自分の身体感覚に無自覚な方も多いですから、こういうやりとりで変化を意識してもらおうって事なんでしょう。
とはいえ、個人的な体験としては、感覚が鋭い人はこちらが言うまでもなく勝手に観察しているし、普段身体感覚を使わない人や、セッションで眠くなってしまった人は観察せよといっても微妙な反応しか返ってこない場合がしばしばなので、西洋人の皆さんには有効なのかもですが、場合によってはやらなくて良い気がしてます…。まあ、プラクティショナー個人毎に対応詳細の違いはあるにせよ、クライアントさんの意思は無視せずに進めていきますよ、ということでしょうね。
※2
触れ方については、くどい言い回しになってますが、要は「丁寧に触れる」ってことです。
「交渉」というのは、クライアントさんの身体に触れる前に「触れますよ」と声をかけたり、その際に「こんな触れ方でいいですか?」と確認したりすることです。まあ、一般常識の範囲内ですね。
※3
クライアントさんの身体システムから「情報を受け取る」という表現はプラクティショナーが「受動的に聴く」という意味合いを表現しています。プラクティショナーは「自分から能動的に情報を探しに行く」のではなく、「身体の声が聞こえてくるまで黙々と待っている」のですね。これはかなりの訓練が必要です。私も苦労しましたし、今でも、もっともっと上の段階があるはずだと感じる部分です。
※4
トリートメントプランというのは、セッション中にクライアントさんの身体に起こる色んな事です。セッションの度に完全に違うことが起こるので、「ユニーク」だとか書いてあります。
※5
スペースを保持というのは、プラクティショナーが1次呼吸システムが働きやすい環境をキープしているといった意味合いです。説明が難しいので詳細は省略しますが、それを行うに適した「しっくり来る身体感覚や間合い」みたいなものがあるのです。
1次呼吸システムが働きやすいというのは、文字通り働いてくれる可能性が高いと言うだけで、この「スペース維持」することによって意図的に働かせようとしているわけではないです。
※6
探索や調査がどうのこうのというのは、クライアントさんの身体システムがクラニオセッションにより、一時的に普段の色々な「身体の雑音」がない状態に置かれたことで、一時的に自分本来の調整力を発揮できる環境に置かれている、というような意味です。その間に身体が普段やりづらいような色々な自己調整を行うわけです。この間もプラクティショナーは例によって見守ってるだけなんですが。
※7
すみませんがここはグダグダです。老子の台詞らしいんですが、訳以前の問題で、正直よう意味が分かりません。「世界をオープンマインドでただ見る」ことで世界のナマの姿が見える的なことなんでしょうかねえ。
とりあえず、ベッカーさんじゃなく老子が出てきたということは、我らが代表や先人の皆さんはクラニオ・バイオダイナミクスと老子の思想はどこか近い物があると考えてるって事なんでしょう。この調子では老子も読まねばならないようですな…。
今回はなかなか手強いですね…。
<注記・解説>---------------------------------------------
※全般
クラニオセッションはだいたいどのように進行するのか、セッション中プラクティショナーが何をしているかといった部分です。これを読むとかなり理解不能な領域に突入している気がしなくもないですが…。
プラクティショナーが主にやってることについて書くと「自分の身体状態を静かにして、クライアントさんの身体の声(1次呼吸によって表現される身体の色々な反応)を聴き、1次呼吸の働きが発揮されやすい環境をキープし続けている」というところです。プラクティショナーは自分から積極的に何かしない、ということが理解されればと。
※1
クライアントさんに意識を向けさせるというのは、「頸椎~番付近はどうなってるか」等と細かく観察させるという意味ではなくて、「今、身体がどんな感じがしますか」と聞いたりすることです。普段、自分の身体感覚に無自覚な方も多いですから、こういうやりとりで変化を意識してもらおうって事なんでしょう。
とはいえ、個人的な体験としては、感覚が鋭い人はこちらが言うまでもなく勝手に観察しているし、普段身体感覚を使わない人や、セッションで眠くなってしまった人は観察せよといっても微妙な反応しか返ってこない場合がしばしばなので、西洋人の皆さんには有効なのかもですが、場合によってはやらなくて良い気がしてます…。まあ、プラクティショナー個人毎に対応詳細の違いはあるにせよ、クライアントさんの意思は無視せずに進めていきますよ、ということでしょうね。
※2
触れ方については、くどい言い回しになってますが、要は「丁寧に触れる」ってことです。
「交渉」というのは、クライアントさんの身体に触れる前に「触れますよ」と声をかけたり、その際に「こんな触れ方でいいですか?」と確認したりすることです。まあ、一般常識の範囲内ですね。
※3
クライアントさんの身体システムから「情報を受け取る」という表現はプラクティショナーが「受動的に聴く」という意味合いを表現しています。プラクティショナーは「自分から能動的に情報を探しに行く」のではなく、「身体の声が聞こえてくるまで黙々と待っている」のですね。これはかなりの訓練が必要です。私も苦労しましたし、今でも、もっともっと上の段階があるはずだと感じる部分です。
※4
トリートメントプランというのは、セッション中にクライアントさんの身体に起こる色んな事です。セッションの度に完全に違うことが起こるので、「ユニーク」だとか書いてあります。
※5
スペースを保持というのは、プラクティショナーが1次呼吸システムが働きやすい環境をキープしているといった意味合いです。説明が難しいので詳細は省略しますが、それを行うに適した「しっくり来る身体感覚や間合い」みたいなものがあるのです。
1次呼吸システムが働きやすいというのは、文字通り働いてくれる可能性が高いと言うだけで、この「スペース維持」することによって意図的に働かせようとしているわけではないです。
※6
探索や調査がどうのこうのというのは、クライアントさんの身体システムがクラニオセッションにより、一時的に普段の色々な「身体の雑音」がない状態に置かれたことで、一時的に自分本来の調整力を発揮できる環境に置かれている、というような意味です。その間に身体が普段やりづらいような色々な自己調整を行うわけです。この間もプラクティショナーは例によって見守ってるだけなんですが。
※7
すみませんがここはグダグダです。老子の台詞らしいんですが、訳以前の問題で、正直よう意味が分かりません。「世界をオープンマインドでただ見る」ことで世界のナマの姿が見える的なことなんでしょうかねえ。
とりあえず、ベッカーさんじゃなく老子が出てきたということは、我らが代表や先人の皆さんはクラニオ・バイオダイナミクスと老子の思想はどこか近い物があると考えてるって事なんでしょう。この調子では老子も読まねばならないようですな…。
プロフィール
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HN:
朧 こと 今野
性別:
男性
自己紹介:
会社員生活の傍ら、手技セラピー「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んでいます。
「★クラニオバイオリンク集」ではここ以外のクラニオバイオ関連サイトを紹介しています。
私自身のクラニオセッション等の活動は現在休止中です。
私のプロフィール的なものはこちら
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