クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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気が付けば前の記事から2か月ほど経過していました。
そして、しばらく前の記事(と思って今見直したら去年の夏の記事でした)に書いた、ベッカー博士の英語クラニオ本「Stillness of life」にようやく一通り目を通しました。時間はかかっていますが、まともに訳していないので、文字通り眺めた・目を通したというレベルです(こんな読み方で読む意味あるのかと自分でも思いますが…)。その眺めたレベルで印象深かったことを幾つか書いてみます。
ちなみに、この本にはクラニオの具体的な技法のことはあまり書いておらず、ベッカー博士の一般向けの講演録やクラニオ関係者との往復書簡、ベッカー博士が書きとめた「ちょっといい言葉」のようなものが中心です。
■
一番面白かったのはベッカー博士と、クラニオ創始者でベッカー博士の師匠にあたるサザーランド博士との往復書簡の部分です。もっとも、ベッカー博士の本ということもあり、ベッカー博士の手紙が大半で、サザーランド博士の返信はあまり載っていないのですが、それにしても、両者の文章量には圧倒的な差があります。具体的には、ベッカー博士の手紙は1回にしてこの本の3ページくらい、サザーランド博士の返信は数行くらいです。1行の時もあります。
クラニオ(正確には「クラニアルオステオパシー」ですが)歴10年くらいのベッカー博士が一生懸命自分の考えや迷いを長々と書いて、それに晩年のサザーランド博士が、その通りだとか、良い表現だとか非常に短いコメントを返す、ということが繰り返されている感じです。
あくまで印象ですが、分析的で言語化が得意なベッカー博士と、直観力がある寡黙なサザーランド博士という対照的な師弟だったのだろうなと感じました(手紙上だけでなく現実のサザーランド博士も寡黙な人だったということは、別の場所でも読んだ気がします)。バイオダイナミクスの理論の発展はベッカー博士やジェラス博士によるところが大きいと言われますが、各人の気質も関係あったのかもなと思うところです。
当時、通常のオステオパシー歴は既に20年くらいの経験があり(ベッカー博士はオステオパシーの学校を卒業後、サザーランド博士に師事した)、手紙の内容からして、たくさんのセッションもこなしているベッカー博士も、クラニオについて理解が深まって喜んだり、いろいろ悩みも持っていたらしい様子を読んでいると、クラニオ歴10年未満の自分がクラニオの何たるかをうまく表現できず唸っているくらいは普通かなと少しばかり安心しました。
■
興味深かったことその2は、どうもロングタイドは結構最近になってから明確に認識された概念らしい、ということです。この本を読んでいても、1次呼吸に関してはいつまで経ってもCRIの話ばかり、たまにフルイドボディの話がある程度(でもミッドタイド・フルイドタイド等とは言っていない)で、それ以外のタイドの話はでてこない印象だったのですが、本の終盤になって、ようやく1979年にベッカー博士から同僚にあてた手紙に「10分に6サイクル位のリズムのタイド(ここでいうタイドは多分CRIのことです)のような動きをここ数年感じているのだが…」という、ロングタイドを指しているらしき記述がありました。
単なる機械的な動きでなく、全身の組織と相互作用しているような活き活きした働きとして感じていて、最近これをセッションに活かしているというような内容が続くのですが、いずれにせよ、タイドが複数種類あること自体が、サザーランド博士の教えを受けたメンバーの中でも長らく明確に認識されていなかった可能性が高いのではと思いました。別の本では、ロングタイドは最初「ザ・タイド」という名前で呼ばれていて、サザーランド博士の時代からあったとか書いてあった気もするのですが、サザーランド博士や、あるいは一部のお弟子さんはもっと前に気づいていたのかもしれないにせよ、少なくとも1980年頃にはまだ体系立てて教えられていなかったのでは、とこれを読んで感じました。
ベッカー博士はこの時点で69歳、クラニオ歴(サザーランド博士に師事してから)は35年くらいの大ベテランです。我々はロングタイドやフルイドタイド(ミッドタイド)等の存在を教えてもらっているので、学習の比較的初期からそれらしきものを何となく感じられますが、新しいものをゼロから発見して、体系化することは並大抵の苦労ではなく、これだけの経験があって初めて成し得ることだったのだろうと思いました。
前にフランクリン・シルズ氏について触れた記事でも似たようなことを書きましたが、クラニオも基本コンセプトは最初から比較的しっかりしていたにせよ、細かな部分に関しては少しずつ発展してきた歴史があるのだろうと思わされます。この本にあるように「ロングタイド」がはっきりとクラニオのスキルが及ぶ範囲として認識されたのが三十数年前で、過去記事で書いたように「ミッドタイド」は現在も活躍しているフランクリン・シルズ氏が命名者なのだとしたら、それらの概念を基盤とする「バイオダイナミクス」系流派が明確な形を成したのがかなり最近なのは確かなようです。
■
まあこんな感じです。細かい部分はちゃんと読めておらず、最後まで行くのに時間がかかったため、眺めたはずの多くの部分を忘却しているというしょうもない状態ですが、先人の歩み(や性格)を少しばかりリアルに感じることはできた気がする読書(眺書)体験ができたのは良かったと思います。時間があったら気になる部分だけでももう一度見直して、これぞと思う所があったら何か書いてみようと思います。
そして、しばらく前の記事(と思って今見直したら去年の夏の記事でした)に書いた、ベッカー博士の英語クラニオ本「Stillness of life」にようやく一通り目を通しました。時間はかかっていますが、まともに訳していないので、文字通り眺めた・目を通したというレベルです(こんな読み方で読む意味あるのかと自分でも思いますが…)。その眺めたレベルで印象深かったことを幾つか書いてみます。
ちなみに、この本にはクラニオの具体的な技法のことはあまり書いておらず、ベッカー博士の一般向けの講演録やクラニオ関係者との往復書簡、ベッカー博士が書きとめた「ちょっといい言葉」のようなものが中心です。
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一番面白かったのはベッカー博士と、クラニオ創始者でベッカー博士の師匠にあたるサザーランド博士との往復書簡の部分です。もっとも、ベッカー博士の本ということもあり、ベッカー博士の手紙が大半で、サザーランド博士の返信はあまり載っていないのですが、それにしても、両者の文章量には圧倒的な差があります。具体的には、ベッカー博士の手紙は1回にしてこの本の3ページくらい、サザーランド博士の返信は数行くらいです。1行の時もあります。
クラニオ(正確には「クラニアルオステオパシー」ですが)歴10年くらいのベッカー博士が一生懸命自分の考えや迷いを長々と書いて、それに晩年のサザーランド博士が、その通りだとか、良い表現だとか非常に短いコメントを返す、ということが繰り返されている感じです。
あくまで印象ですが、分析的で言語化が得意なベッカー博士と、直観力がある寡黙なサザーランド博士という対照的な師弟だったのだろうなと感じました(手紙上だけでなく現実のサザーランド博士も寡黙な人だったということは、別の場所でも読んだ気がします)。バイオダイナミクスの理論の発展はベッカー博士やジェラス博士によるところが大きいと言われますが、各人の気質も関係あったのかもなと思うところです。
当時、通常のオステオパシー歴は既に20年くらいの経験があり(ベッカー博士はオステオパシーの学校を卒業後、サザーランド博士に師事した)、手紙の内容からして、たくさんのセッションもこなしているベッカー博士も、クラニオについて理解が深まって喜んだり、いろいろ悩みも持っていたらしい様子を読んでいると、クラニオ歴10年未満の自分がクラニオの何たるかをうまく表現できず唸っているくらいは普通かなと少しばかり安心しました。
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興味深かったことその2は、どうもロングタイドは結構最近になってから明確に認識された概念らしい、ということです。この本を読んでいても、1次呼吸に関してはいつまで経ってもCRIの話ばかり、たまにフルイドボディの話がある程度(でもミッドタイド・フルイドタイド等とは言っていない)で、それ以外のタイドの話はでてこない印象だったのですが、本の終盤になって、ようやく1979年にベッカー博士から同僚にあてた手紙に「10分に6サイクル位のリズムのタイド(ここでいうタイドは多分CRIのことです)のような動きをここ数年感じているのだが…」という、ロングタイドを指しているらしき記述がありました。
単なる機械的な動きでなく、全身の組織と相互作用しているような活き活きした働きとして感じていて、最近これをセッションに活かしているというような内容が続くのですが、いずれにせよ、タイドが複数種類あること自体が、サザーランド博士の教えを受けたメンバーの中でも長らく明確に認識されていなかった可能性が高いのではと思いました。別の本では、ロングタイドは最初「ザ・タイド」という名前で呼ばれていて、サザーランド博士の時代からあったとか書いてあった気もするのですが、サザーランド博士や、あるいは一部のお弟子さんはもっと前に気づいていたのかもしれないにせよ、少なくとも1980年頃にはまだ体系立てて教えられていなかったのでは、とこれを読んで感じました。
ベッカー博士はこの時点で69歳、クラニオ歴(サザーランド博士に師事してから)は35年くらいの大ベテランです。我々はロングタイドやフルイドタイド(ミッドタイド)等の存在を教えてもらっているので、学習の比較的初期からそれらしきものを何となく感じられますが、新しいものをゼロから発見して、体系化することは並大抵の苦労ではなく、これだけの経験があって初めて成し得ることだったのだろうと思いました。
前にフランクリン・シルズ氏について触れた記事でも似たようなことを書きましたが、クラニオも基本コンセプトは最初から比較的しっかりしていたにせよ、細かな部分に関しては少しずつ発展してきた歴史があるのだろうと思わされます。この本にあるように「ロングタイド」がはっきりとクラニオのスキルが及ぶ範囲として認識されたのが三十数年前で、過去記事で書いたように「ミッドタイド」は現在も活躍しているフランクリン・シルズ氏が命名者なのだとしたら、それらの概念を基盤とする「バイオダイナミクス」系流派が明確な形を成したのがかなり最近なのは確かなようです。
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まあこんな感じです。細かい部分はちゃんと読めておらず、最後まで行くのに時間がかかったため、眺めたはずの多くの部分を忘却しているというしょうもない状態ですが、先人の歩み(や性格)を少しばかりリアルに感じることはできた気がする読書(眺書)体験ができたのは良かったと思います。時間があったら気になる部分だけでももう一度見直して、これぞと思う所があったら何か書いてみようと思います。
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HN:
朧 こと 今野
性別:
男性
自己紹介:
会社員生活の傍ら、手技セラピー「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んでいます。
「★クラニオバイオリンク集」ではここ以外のクラニオバイオ関連サイトを紹介しています。
私自身のクラニオセッション等の活動は現在休止中です。
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