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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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心理学者として有名なユングさんの「黄金の華の秘密」を最近読んでいます。気功や東洋医療などに造詣が深い湯浅泰雄氏が翻訳に参加していることもあり、訳者の解説もあって情報が豊富です。

内容は、大雑把にいうと、中国の昔の瞑想法の文献「太乙金華宗旨」に、ユングさんが序文や解説を加えたものです。この書籍をドイツに紹介したのはユングさんではなく、R.ヴィルヘルム氏という中国学の研究者(司祭として中国に渡ったが、東洋文化に魅せられ、中国人の老師について易なども学んだという)で、原典の翻訳はヴィルヘルム氏の手になるそうです。ユングさんはヴィルヘルム氏からその訳文の解説を依頼され、読み込む中で、これまでの(あまり外部に公開しなかった)自分の発見や見解と一致する部分を発見するなどして、その後のユング心理学の体系確立の大きなヒントを得ていったそうです。


私自身は心理学の専門家でもなければ、中国学や瞑想法に特に詳しいわけでもないので、何となく読んでいるだけですが、読んでいて、「クラニオ的(正確には「クラニオ・バイオダイナミクス的」というところですが、面倒なので以下「クラニオ的」とします)」とも取れる表現が色々と見られ、興味深く思いました。

特に感じるところがあったのは、八卦のうち「艮(ごん)」のユングさんによる以下の解説部分です。
「これは瞑想の姿であり、外的なものを静止させることで内面化の過程に生気を与える。したがって、「艮」は、死と生がふれあい、死して生きるあり方が成就される場所である」(「黄金の華の秘密」p141より)


クラニオ(バイオダイナミクス)では、これまで書いてきたように、プラクティショナーが適切に静止し続けることにより、セッションを成立させるための環境・働きが結果的に生み出されます。また、セッションを受ける方の身体も、初めはやや混沌としたリズムを表現していることが多いですが(人によって差はあります)、そのリズムが一度静止したような状態となり、そこから新たな身体のリズムが再び現れる…という過程を大概は経過します。このような特徴と比較する限りにおいては、「外的なものを静止させることで内面化の過程に生気を与える」という表現は、クラニオの特性をうまく表現している気もします。

クラニオセッションを受け、「一度死んで蘇ったかのような感じ」というユニークな感想を持たれた方がありますが、この「艮」のようなエレメント・シンボルの特性と比較すると、その表現もまた、なかなかに的を射たものだったように思われます(もちろんセッションによって心臓が止まったりはしませんが…)。

先ほど挙げたように、クラニオにおける「静止」は、いわゆる「停滞」とは異なり、外的に止まっているようでも、実際は内面には新たな動きを内包している状態といえます。いうなれば、新たな動きを再び表現するために、体が準備している状態です。これは睡眠などの休息にも同じことが言えると思いますが、クラニオでは術者がそこに存在していることにより、普通の睡眠と若干違うことが起きているものと思われます。
いずれにせよ、静止というのは、何事も起きていないようでいながら、実は大変大きなポテンシャルを秘めた状態といえると思います。もちろん、いつまでも止まっていてはだめかもしれませんが、外面が動き続けることとはまた質の違うはたらきが「静止」に存在していることは確かです。停滞と静止の違いというのも、クラニオがぼんやり座っているのとどう違うのか、等のテーマと繋がりそうなので、考えてみると面白そうですが、脱線していきそうなのでここではやめておきます。


ちなみに、(私のにわか知識によると)八卦の8要素はそれぞれ方位や季節と対応しており、「艮」は方位としては北東、いわゆる鬼門にあたります。鬼門というと不吉な感じもしますが、鬼門を警戒するのは日本独特の考えだそうで、中国では特に忌むべき方位ではないようです。季節としては、冬と春の間に相当します。冬のおわりもしくは早春というところでしょうか。

この卦のイメージとしては、冬の動きの少ない時期から、春の芽吹きという新たな創生に向かって力を今にも発動させようとする勢いを秘めたエレメント…という感じではないかと思います。あるいは、陰から陽への転換点、新たなステージに向かうための力を保っている状態などとも言えそうです。まあ、どのように表現するにせよ、「静中動(外見上静かな中に動きが秘められている・中身は動いている)」的な要素を強く持っている卦ではありそうです。

艮が鬼門と言われているのも、陰と陽の「境目」であることから、「異界と現界の門(「鬼」のような異界の存在が通り抜けられる場所・時間)」のようなイメージが含まれるためなのかもしれません。ちなみに、中国の「鬼」というのも日本の化け物としての鬼とは少し異なるようで、もっと深い意味があるような気もします。いかんせん今の私は理解不足のため、かなり推測でものを言ってしまっていますが、このあたりも本をもう少し読み込めば何かわかるかもしれません。
ともかく、八卦の8要素はこのように、それぞれの勢・特性を持っており、「連環する流れの中に現れる諸相」を仮に8種類で表現しているものと思われます。なお、8つが絶対ということもなく、易などではこの八卦を組み合わせ、8*8で64通りの組み合わせを使うそうなので、分けようと思えばいくらでも分解できるようです。


なにやらいろいろ書きましたが、ここに書いたことは私の想像の範疇にすぎないもので、クラニオと八卦、あるいはユング心理学は(おそらく)直接の関係があるわけではなく、あくまで「近いものがある気がする」というだけなのですが、こうやって別の分野で似たような表現を見ると新鮮です。
まあ、何か共通点らしきものが見られるといっても、クラニオがすごい極地に達しているということではなく、各国でそれぞれの身体文化体系が発展する中で、それぞれの民族が無意識のうちに、「静寂の力」や様々な「大いなるはたらき」について似たような表現をしたり、似たような認識で捉えていたということかもしれません。もちろん、実際の表現や使われ方は文化や体系によって大きく異なるとも思います。

そう考えてみると、以前、クラニオは気功と異なる…などとドヤ顔で書いてはみたものの、クラニオと「外気功」とは異なるにせよ、「中国の瞑想」とか「内気功」の世界となら案外共通点もあるのではないか、という気もしてきます(どちらも詳しくないので何とも言えませんが)。新しい情報を得て少し視点が変わると考えも変わるし、世の中本当にうかつに断言できないことでいっぱいです。
このほかにも、この本にはクラニオの質・特徴について考えるにあたって、何やら色々なヒントが含まれているように思うので、また機会があったら何か書いてみようと思います。

参考文献:「黄金の華の秘密」C.G.ユング・R.ヴィルヘルム著、湯浅泰雄・定方昭夫訳、1980、人文書院

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先日、私が学んでいるICSBの本部から公式HPのプラクティショナーリストを更新したので、載せている個人情報を確認してくれとのメールが来ました。リストを確認したら、確かに私の名前が載ってました。

正直なところ、私は学習に集中するあまり(?)自分のクラニオ活動上の身分が良く分かっておらず、BCSTという一応国際的であるらしい称号を頂いていることはさすがに認識していましたが、私の今の本業はボディワーカーでないこともあり、どんな肩書きだろうとあまり困らないので、自分が「ICSB基礎教程の卒業生」ではあっても「ICSBの認定プラクティショナー」なのかがいまいち分からないまま過ごしていました。そして、今回のメールで、どうやら自分はプラクティショナーであるらしいとようやく認識しました。なんというか、さすがにもう少し調べろよ自分という感じですね…。
どうやらあとで会費を納める必要があるようですが、ニュースレターも来るようなので、その代金と考えれば妥当なところでしょう。


それはさておき、プラクティショナーリストには、ほかの国のプラクティショナーの方々の名前も載っているので、自分が載っているのを確認したついでに、どこにどのくらいの人がいるのか調べてみました。なお、載っているのは、あくまで「ICSBのクラニオプラクティショナー」です。ある程度まとまったトレーニングを受けたクラニオ・バイオダイナミクスのプラクティショナーは世界中にこの何倍もいると思います(その人数も興味がわきますが)。

ICSBプラクティショナーリスト検索フォーム↓
http://www.icsb.ch/en/suche/suche_therapeut.php?navid=43/
このページを検索した結果、本日時点でHPに載っていた国別のプラクティショナー数は以下の通りでした。

合計 295名
オーストラリア 2
オーストリア 3
カナダ 13
コロンビア 1
チェコ 23
デンマーク 1
フランス 4
ドイツ 56
インド 4
インドネシア 1
イタリア 24
日本 30
オランダ 2
南アフリカ 1
スペイン 8
スウェーデン 1
スイス 116
台湾 3
イギリス 2
アメリカ 2

国別の人を足した数と合計が合わない気がするのと、実は昨日調べた時からすでに数名増えていることを考えると、今リアルタイムで更新中っぽいです。今、ちょうど世界中で情報更新時期なのかもしれません…。


内訳をみると、ICSB代表であるBhadrena先生がスイスの方だけに、スイスのプラクティショナー数が相当数を占めています。次はドイツが多いですね。そして、日本のプラクティショナー数は3番目に多いようです。チェコ、イタリアあたりとほぼ同じ規模ですね。ヨーロッパの学習者がメインで、日本など極小の勢力だろうと思っていたのですが、これは意外でした。

日本ではICSBがバイオダイナミクスを本格的に教えるようになってから(それ以前はメカニカルなクラニオやOSHO系のワークなどもやっていたようです)、少なくとも3期までは学習者がいると思われるので(その数え方だと私は2期で、今3期の方々が卒業を迎えようとしているところです)、日本も、1期につき数年以上の時間がかかると考えれば、結構活動歴が長い国といえるのかもしれません。

現在の我々はBhadrena先生が自ら来てくれる環境にあるので、実に恵まれていますが、1期より前の数名の先輩方の時代は先生はまだ日本に来てくれなくて、通訳もない状態でインドに直接習いに行ったそうです。最近の講座も、人が比較的がいるスイス、イタリア、チェコ、日本のほかには、オランダ、インドなどで行われているようなので、オーストラリア、インドネシア、台湾の方などもそれこそインドまで学びに行ったものと思われます。その熱意には脱帽です。

なお、日本では大阪でばかり講座が開催されるのは(招聘団体が大阪にあることを脇に置いても)未だに謎ですが、先生が自然豊かな風景を見慣れすぎていて、雑多な都市が好きという噂もあります。Osakaはインターナショナルな視点で見ると意外と神秘の都市なのかもしれません。


ちなみに、特にクラニオが盛んと思われる国は、多分アメリカとイギリスですが、その割にほとんど同国にICSBプラクティショナーがいないのは、それらの国には有名なクラニオのスクールが沢山あるためと思われます。創始者のサザーランド氏は20世紀半ばまで米国で活動された方ですし、直弟子の方何名かは現在もご健在で活躍中との話も聞きます。まあ、本格的な学校が自分の国にあれば、大抵は海外の先生の来訪を悶々と待たずにそこに行きますよね。

なお、このリストには、間違いなく修了生の全員は載っていないです。修了はしたが表立った活動をするつもりがなく、個人情報を一切公開しない方もいると思うし、組織に縛られず自由に活動するべく途中で脱退した方もいるので、実質的な修了生はこの倍くらいはいるんじゃないかと思っています。一部にせよ、なかなか興味深い傾向だったので、調べてみてよかったです。


ちなみに私自身は、先のフォームでCountryをJapanにして検索すると上から2番目に出てくるKonnoって奴です。メルアドの下にはこのブログのURLもひっそり載っております…。まあ、件のフォームをわざわざ経由してここにやって来る日本人はいない気もしますが、それはそれで。

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長くなったので記事を分割しました。
こちらが後半です。


なお、「失敗」発生の要因としては、人間関係とか、いろいろ複雑な要素も絡んでくるのですが、とりあえず、術者自身に関係するものとしては、自分の意識の状態、相手との距離感、姿勢、触れ方、インプットを加えたか、などがあります。どれもこれも結構細かいので、見た目では(姿勢や触れ方以外は)いまいち良く分からないかもしれないかもしれません。先の例のうち、ありがちな要因をそれぞれあげてみると、以下のような感じかと思います。

①の「乖離」は、術者の意識の置き方が広すぎたり(少々わかりづらい言い方かもですが)、受ける方との物理的距離感が遠すぎたり、相手の身体状態を顧みず自分の世界に浸りすぎた場合などに起こりやすい気がします。目の前の相手をおろそかにしている状態で起きることが多い気がします。

②の流れが乱れている感じは、受ける方がある程度深い状態に入ったときに、術者が強く相手の内部を観察したり、 突然手を放したりといった極端な行動をすると起きやすそうです。余計な刺激を加えてしまった状態ですね。身体が自分で調整しようとゆっくり動き始めていた時に、いきなりショックを加えられるようなものですから、たまったものではありません。ショックの与えられ方によっては、激しい乱れが起きる代わりに硬直(クラニオではシャットダウンと呼ばれている)することもあり、結果的に①に近い状況に陥ることもありそうです。

③は、主に術者の触れ方が雑だったり、受ける方との距離感が近すぎる場合が多いかと思います。あとは、むやみと観察することでも起こりそうです。身体の各部が動こうとしているのにその動きを意識や姿勢でがっちりと止めてしまっているような形が続くと、身体システムはそのまま硬直してしまいます。相手に触れている圧を軽くしようとすればするほど自分が緊張し、結果的に相手をこわばらせることになる、といったことが私も最初のころはしばしばありました。失敗というほどではなかったですが、今思えばかなり微妙だったなと思います。


なお、数年以上経験を積んでいるレベルのクラニオ術者なら、①~③くらいの失敗はまずしないと思います。そもそも、触れるべき場所の判定、距離感、姿勢、感覚の精度が駆け出しの頃よりも格段に向上しているので、そうそう相手にとってリスクの高いポジション(触れ方、触れる場所)でセッションをしようとしないでしょう。

また、仮にいろいろな条件が重なってしまって、失敗に近い状態になっても、経験者は沢山の選択肢を持っているので、セッション全体を通じて、プラスマイナスゼロくらいに持っていく能力もあると思います。たとえば、このポジションにずっと触れ続けていたら何となくまずそうだという感覚を持っているため、ひどい状態になる前に自分の触れ方や距離を見直して影響を抑えたり、セッションを中断したりすることもできますし、仮に受ける方が多少気持ち悪くなってしまっても、講座中にアシスタントの方が自分たちにしてくれたように、別のポジションに移って、受ける方が落ち着くまで待ち続けることもできます。


まあ、こうやって見てみると、これらの対応に関しては、自分自身が講座中に痛い目に遭った時の経験が生きている部分が結構ありますね。自分も相手をそんな目に遭わせたくないので、相手を尊重しなくてはならないと否応なく学び、非常に用心深くなりますし。私も、講座で気持ち悪くなった時は、やってくれた(?)方に、なんてことをしてくれたんだ!と思ったりしたものですが(笑)、本当に無駄な経験はなかったんだな、あの時点で失敗されて良かった、と今は本当に思います。

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先週、ツイッターの自分のつぶやきを機に、「クラニオ・バイオダイナミクスの失敗」について考えるきっかけがあったので、それについて書いてみようと思います。考えてみて、なかなか奥が深いテーマだと思わされました。


そもそも、「失敗」といっても、クラニオの場合、何をもって失敗とみなすかが結構難しい部分がありますが、とりあえず、ここで扱う「失敗」は、セッションの対応が未熟なことが主な要因で受ける人の身体に起こる、クラニオ独特の気持ち悪い状態です。一瞬のことではなく、何の対応もしない場合、持続性もあると思われます。いろいろ種類はあり、個人的に(クラニオセミナー中に自分が受ける側として)体験した「失敗」例には、以下のような感じがあります。
 ①自分の心と身体が分かれたような、ふわふわと浮ついた、現実感のない感じになる
 ②身体の内部がぐるぐる不規則に渦を巻いているような感じになる
 ③身体全体が締め付けられ、視野が狭くなっている感じになる

①は「乖離」とも呼ばれる状態と思います。ふわふわといっても幸せな感じはなく、自分だけが世界から切り離されて世界が灰色に見えるような感じです。
②は、身体内部の流れに余計な流れが外部から追加されてしまい、身体全体の流れのバランスが狂ってしまった状態と考えられます。
③は、セッションで身体がリラックスして開いていくような反応をするはずが、逆に締まって動かなくなってしまった感じでしょうか。


クラニオのセミナー中は、みんなまだ腕前が未熟だったり、時にはあまり自分が触れられたくない敏感な部位(かつて怪我をした部位など)に触れられる役になって練習しなければならず、上記のような現象がたまに発生していました。
こういった状況が起きた時は、先生やアシスタントの方がクラニオの簡単なセッションでサポートしてくれるか、当日の講座終了後、夜にうなりながら自分で自分にクラニオしたり、宿泊施設の部屋にひそかに同期を呼んで自分をこんな目に遭わせた人への文句を聴いてもらいながらセッションしてもらう(笑)などで大事に至らずに済んでいましたが、全く経験のない方が本などを見ていきなりクラニオまがいのことをしようとした場合、こういった現象が起きるリスクがあることは念頭に置いた方がよいかと思います。


クラニオ・バイオダイナミクスは、「刺激を与えないから他の技法より安全」ということはありません。クラニオのセッションでは刺激がほとんど与えられない分、受け手の方はおそらく、他のボディワークを受けた場合よりも更に無防備な状態になっているので、あまりにもいい加減な状態で相手の方に対していたり、微量でも、うかつに刺激を加えてしまうと、それが思わぬマイナスの結果をもたらす場合があります。他の技法なら、強い刺激を与えても全然大丈夫なことがあったり、むしろ強い刺激が気持ちいいこともあると思いますが、バイオダイナミクスでは刺激を加えないことで効果を発揮する技法であるのみならず、刺激に対して非常にシビアでもあるわけです。

つまり、うっかりな対応をした場合、神経系や身体システム全体のリズムなど、通常ならあまり影響を受けないような細やかな単位にダメージを与えかねないため、やりようによっては、その影響もほかの技法よりも深刻な可能性があります。そもそも、上記のような失敗は皆ある程度は気を付けているであろう環境の講座内で起きているくらいなので、まだましな方だと思います。何も知らない方がおかしなことをやり続けていたら、効いているつもりで神経系にダメージを与え続けてしまい(身体全体のバランスからみると、症状を単に止めたり、表面的に身体が変わることがよいとも限らないので)、それこそ、気功で言う「偏差」みたいな状態に相手を追い込んでしまうかもしれません。とりあえず、クラニオに関しては他のボディワークとも少し勝手が違う部分があり、自己流はリスクが高いので、これからやりたい方はできる限り習ったほうが良いと思います…。


…長くなったので後半↓に続く。
http://craniolife.iga-log.com/Entry/113/

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5/21に書いた日記の後半。たぶん長いので分割しました。
おもむろに自分の稽古し始めのころを振り返ってみる。


過去の私自身は、クラニオを学び始めたり、中国武術の教室に来る前は勝手気ままに稽古らしきことをしていても何とかなると思って実行していた口で、そういう取り組みもそれなりの面白さがあることは理解しているので、何も習わずに自分で色々試すことや、色々な技術のつまみ食いをすることを特に否定するわけではないです。ただ、振り返ってみると、それらの選択肢ではどうしてもわかることには限界がある、もしくはあんまり効率が良くないというのも個人的実感です。

初期状態では全くの無知かつ運動不足ですから、そういう方法でもしばらくは何がしかの変化は見られるわけですが、私の場合はある程度それを続けていたら、だんだんむなしくなってきたわけです。何か自分の活動に「核」「魂」が欠けているというか、エゴの命じるまま自分勝手なことをしているような罪悪感にさいなまれるというか…。私よりもクリエイティブで才能ある方々は自分だけでもできるのかもしれませんけども、私自身は気力的にできそうに思えなかったので、結果、クラニオや中国武術を学んでいるわけですが、その選択ができてよかったと思っています。

私は身体に関する学びに興味を持ちはじめた時期は精神的に結構疲れてしまっていて(だから興味を持ったってこともあるんでしょうけど)、人から素直にものを習うことが非常にしんどい状態だったため、色々なところを回りながらも、なかなかこれを学ぼう!と思うものを見つけることができず、現在の状態まで来るのに随分遠回りしました。

その時体験した色々な苦労や複雑な思い、獲得した知識が今の学習の支えになっているという意味では、無駄な経験ではなかったと思いますが、最初から素直に人に学べるような健全な方に殊更に勧めたい選択肢ではないです。研究ならメイン分野を少し学んでからでもいくらでもできますし、一見地味と見える既存の体系を学んでいく道のりも、試行錯誤の機会や日々の発見はたくさんあります。


もっとも、歩く道は人それぞれであり、私が遠回りせざるを得なかったように、それぞれの方の歩く道にそれぞれの意味があるのだろうとも思っています。「3年かけて良師を探せ」なんて言葉もありますけれど(私自身はクラニオに出会うまでに明らかに3年以上かかってます…)、自分自身の中で学習の準備ができるまでの期間や、ある分野について理解を深める期間も時にたくさん必要であり、人によってはいろいろな場所をうろついたり、無謀な取り組みをして痛い目に遭ったりする事も必要なんでしょう。

まあ、それらの放浪や迷走は「自分にあった選択肢を見つけ出すまでの見えざる天の試練」みたいなもので、自分が学ぶ条件が整わないと、そうそうスムーズに自分に合う場所には辿りつかないものなのかもしれません。…まあ、私自身の武術への取り組みは上記のようにアバウトなものですから、あんまり偉そうなことをいうのもなんですが、いろいろな体験をした結果、それなりに思う所もあったというところですかね。


書いていて、あまり意識していなかったけれど、これはクラニオでも同じことだなと思いました。クラニオは表面的な手順そのものは難しくないかもしれないけれど、やはりそれなりの技術が体に身につくにはまとまった年月が必要と思いますし、時々くたびれたりしながらもカリキュラムで学びつづける中で段階的に分かってきたことはたくさんあります。

私は私なりのクラニオ観を持っていますが、これも体系立った学習を通じて先人の価値観に触れた体験があるから、原型を壊さない程度にそこに何かを積み上げたり、自分自身が持つ世界観と折り合いがつく地点を模索したりできるのだろうと思っています。…と、いうわけで、何となく最後にクラニオにつながったところで終了です。

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プロフィール
HN:
朧 こと 今野
性別:
男性
自己紹介:
会社員生活の傍ら、手技セラピー「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んでいます。

「★クラニオバイオリンク集」ではここ以外のクラニオバイオ関連サイトを紹介しています。

私自身のクラニオセッション等の活動は現在休止中です。

私のプロフィール的なものはこちら
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