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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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先日、私が学んでいるICSBの本部から公式HPのプラクティショナーリストを更新したので、載せている個人情報を確認してくれとのメールが来ました。リストを確認したら、確かに私の名前が載ってました。

正直なところ、私は学習に集中するあまり(?)自分のクラニオ活動上の身分が良く分かっておらず、BCSTという一応国際的であるらしい称号を頂いていることはさすがに認識していましたが、私の今の本業はボディワーカーでないこともあり、どんな肩書きだろうとあまり困らないので、自分が「ICSB基礎教程の卒業生」ではあっても「ICSBの認定プラクティショナー」なのかがいまいち分からないまま過ごしていました。そして、今回のメールで、どうやら自分はプラクティショナーであるらしいとようやく認識しました。なんというか、さすがにもう少し調べろよ自分という感じですね…。
どうやらあとで会費を納める必要があるようですが、ニュースレターも来るようなので、その代金と考えれば妥当なところでしょう。


それはさておき、プラクティショナーリストには、ほかの国のプラクティショナーの方々の名前も載っているので、自分が載っているのを確認したついでに、どこにどのくらいの人がいるのか調べてみました。なお、載っているのは、あくまで「ICSBのクラニオプラクティショナー」です。ある程度まとまったトレーニングを受けたクラニオ・バイオダイナミクスのプラクティショナーは世界中にこの何倍もいると思います(その人数も興味がわきますが)。

ICSBプラクティショナーリスト検索フォーム↓
http://www.icsb.ch/en/suche/suche_therapeut.php?navid=43/
このページを検索した結果、本日時点でHPに載っていた国別のプラクティショナー数は以下の通りでした。

合計 295名
オーストラリア 2
オーストリア 3
カナダ 13
コロンビア 1
チェコ 23
デンマーク 1
フランス 4
ドイツ 56
インド 4
インドネシア 1
イタリア 24
日本 30
オランダ 2
南アフリカ 1
スペイン 8
スウェーデン 1
スイス 116
台湾 3
イギリス 2
アメリカ 2

国別の人を足した数と合計が合わない気がするのと、実は昨日調べた時からすでに数名増えていることを考えると、今リアルタイムで更新中っぽいです。今、ちょうど世界中で情報更新時期なのかもしれません…。


内訳をみると、ICSB代表であるBhadrena先生がスイスの方だけに、スイスのプラクティショナー数が相当数を占めています。次はドイツが多いですね。そして、日本のプラクティショナー数は3番目に多いようです。チェコ、イタリアあたりとほぼ同じ規模ですね。ヨーロッパの学習者がメインで、日本など極小の勢力だろうと思っていたのですが、これは意外でした。

日本ではICSBがバイオダイナミクスを本格的に教えるようになってから(それ以前はメカニカルなクラニオやOSHO系のワークなどもやっていたようです)、少なくとも3期までは学習者がいると思われるので(その数え方だと私は2期で、今3期の方々が卒業を迎えようとしているところです)、日本も、1期につき数年以上の時間がかかると考えれば、結構活動歴が長い国といえるのかもしれません。

現在の我々はBhadrena先生が自ら来てくれる環境にあるので、実に恵まれていますが、1期より前の数名の先輩方の時代は先生はまだ日本に来てくれなくて、通訳もない状態でインドに直接習いに行ったそうです。最近の講座も、人が比較的がいるスイス、イタリア、チェコ、日本のほかには、オランダ、インドなどで行われているようなので、オーストラリア、インドネシア、台湾の方などもそれこそインドまで学びに行ったものと思われます。その熱意には脱帽です。

なお、日本では大阪でばかり講座が開催されるのは(招聘団体が大阪にあることを脇に置いても)未だに謎ですが、先生が自然豊かな風景を見慣れすぎていて、雑多な都市が好きという噂もあります。Osakaはインターナショナルな視点で見ると意外と神秘の都市なのかもしれません。


ちなみに、特にクラニオが盛んと思われる国は、多分アメリカとイギリスですが、その割にほとんど同国にICSBプラクティショナーがいないのは、それらの国には有名なクラニオのスクールが沢山あるためと思われます。創始者のサザーランド氏は20世紀半ばまで米国で活動された方ですし、直弟子の方何名かは現在もご健在で活躍中との話も聞きます。まあ、本格的な学校が自分の国にあれば、大抵は海外の先生の来訪を悶々と待たずにそこに行きますよね。

なお、このリストには、間違いなく修了生の全員は載っていないです。修了はしたが表立った活動をするつもりがなく、個人情報を一切公開しない方もいると思うし、組織に縛られず自由に活動するべく途中で脱退した方もいるので、実質的な修了生はこの倍くらいはいるんじゃないかと思っています。一部にせよ、なかなか興味深い傾向だったので、調べてみてよかったです。


ちなみに私自身は、先のフォームでCountryをJapanにして検索すると上から2番目に出てくるKonnoって奴です。メルアドの下にはこのブログのURLもひっそり載っております…。まあ、件のフォームをわざわざ経由してここにやって来る日本人はいない気もしますが、それはそれで。

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長くなったので記事を分割しました。
こちらが後半です。


なお、「失敗」発生の要因としては、人間関係とか、いろいろ複雑な要素も絡んでくるのですが、とりあえず、術者自身に関係するものとしては、自分の意識の状態、相手との距離感、姿勢、触れ方、インプットを加えたか、などがあります。どれもこれも結構細かいので、見た目では(姿勢や触れ方以外は)いまいち良く分からないかもしれないかもしれません。先の例のうち、ありがちな要因をそれぞれあげてみると、以下のような感じかと思います。

①の「乖離」は、術者の意識の置き方が広すぎたり(少々わかりづらい言い方かもですが)、受ける方との物理的距離感が遠すぎたり、相手の身体状態を顧みず自分の世界に浸りすぎた場合などに起こりやすい気がします。目の前の相手をおろそかにしている状態で起きることが多い気がします。

②の流れが乱れている感じは、受ける方がある程度深い状態に入ったときに、術者が強く相手の内部を観察したり、 突然手を放したりといった極端な行動をすると起きやすそうです。余計な刺激を加えてしまった状態ですね。身体が自分で調整しようとゆっくり動き始めていた時に、いきなりショックを加えられるようなものですから、たまったものではありません。ショックの与えられ方によっては、激しい乱れが起きる代わりに硬直(クラニオではシャットダウンと呼ばれている)することもあり、結果的に①に近い状況に陥ることもありそうです。

③は、主に術者の触れ方が雑だったり、受ける方との距離感が近すぎる場合が多いかと思います。あとは、むやみと観察することでも起こりそうです。身体の各部が動こうとしているのにその動きを意識や姿勢でがっちりと止めてしまっているような形が続くと、身体システムはそのまま硬直してしまいます。相手に触れている圧を軽くしようとすればするほど自分が緊張し、結果的に相手をこわばらせることになる、といったことが私も最初のころはしばしばありました。失敗というほどではなかったですが、今思えばかなり微妙だったなと思います。


なお、数年以上経験を積んでいるレベルのクラニオ術者なら、①~③くらいの失敗はまずしないと思います。そもそも、触れるべき場所の判定、距離感、姿勢、感覚の精度が駆け出しの頃よりも格段に向上しているので、そうそう相手にとってリスクの高いポジション(触れ方、触れる場所)でセッションをしようとしないでしょう。

また、仮にいろいろな条件が重なってしまって、失敗に近い状態になっても、経験者は沢山の選択肢を持っているので、セッション全体を通じて、プラスマイナスゼロくらいに持っていく能力もあると思います。たとえば、このポジションにずっと触れ続けていたら何となくまずそうだという感覚を持っているため、ひどい状態になる前に自分の触れ方や距離を見直して影響を抑えたり、セッションを中断したりすることもできますし、仮に受ける方が多少気持ち悪くなってしまっても、講座中にアシスタントの方が自分たちにしてくれたように、別のポジションに移って、受ける方が落ち着くまで待ち続けることもできます。


まあ、こうやって見てみると、これらの対応に関しては、自分自身が講座中に痛い目に遭った時の経験が生きている部分が結構ありますね。自分も相手をそんな目に遭わせたくないので、相手を尊重しなくてはならないと否応なく学び、非常に用心深くなりますし。私も、講座で気持ち悪くなった時は、やってくれた(?)方に、なんてことをしてくれたんだ!と思ったりしたものですが(笑)、本当に無駄な経験はなかったんだな、あの時点で失敗されて良かった、と今は本当に思います。

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先週、ツイッターの自分のつぶやきを機に、「クラニオ・バイオダイナミクスの失敗」について考えるきっかけがあったので、それについて書いてみようと思います。考えてみて、なかなか奥が深いテーマだと思わされました。


そもそも、「失敗」といっても、クラニオの場合、何をもって失敗とみなすかが結構難しい部分がありますが、とりあえず、ここで扱う「失敗」は、セッションの対応が未熟なことが主な要因で受ける人の身体に起こる、クラニオ独特の気持ち悪い状態です。一瞬のことではなく、何の対応もしない場合、持続性もあると思われます。いろいろ種類はあり、個人的に(クラニオセミナー中に自分が受ける側として)体験した「失敗」例には、以下のような感じがあります。
 ①自分の心と身体が分かれたような、ふわふわと浮ついた、現実感のない感じになる
 ②身体の内部がぐるぐる不規則に渦を巻いているような感じになる
 ③身体全体が締め付けられ、視野が狭くなっている感じになる

①は「乖離」とも呼ばれる状態と思います。ふわふわといっても幸せな感じはなく、自分だけが世界から切り離されて世界が灰色に見えるような感じです。
②は、身体内部の流れに余計な流れが外部から追加されてしまい、身体全体の流れのバランスが狂ってしまった状態と考えられます。
③は、セッションで身体がリラックスして開いていくような反応をするはずが、逆に締まって動かなくなってしまった感じでしょうか。


クラニオのセミナー中は、みんなまだ腕前が未熟だったり、時にはあまり自分が触れられたくない敏感な部位(かつて怪我をした部位など)に触れられる役になって練習しなければならず、上記のような現象がたまに発生していました。
こういった状況が起きた時は、先生やアシスタントの方がクラニオの簡単なセッションでサポートしてくれるか、当日の講座終了後、夜にうなりながら自分で自分にクラニオしたり、宿泊施設の部屋にひそかに同期を呼んで自分をこんな目に遭わせた人への文句を聴いてもらいながらセッションしてもらう(笑)などで大事に至らずに済んでいましたが、全く経験のない方が本などを見ていきなりクラニオまがいのことをしようとした場合、こういった現象が起きるリスクがあることは念頭に置いた方がよいかと思います。


クラニオ・バイオダイナミクスは、「刺激を与えないから他の技法より安全」ということはありません。クラニオのセッションでは刺激がほとんど与えられない分、受け手の方はおそらく、他のボディワークを受けた場合よりも更に無防備な状態になっているので、あまりにもいい加減な状態で相手の方に対していたり、微量でも、うかつに刺激を加えてしまうと、それが思わぬマイナスの結果をもたらす場合があります。他の技法なら、強い刺激を与えても全然大丈夫なことがあったり、むしろ強い刺激が気持ちいいこともあると思いますが、バイオダイナミクスでは刺激を加えないことで効果を発揮する技法であるのみならず、刺激に対して非常にシビアでもあるわけです。

つまり、うっかりな対応をした場合、神経系や身体システム全体のリズムなど、通常ならあまり影響を受けないような細やかな単位にダメージを与えかねないため、やりようによっては、その影響もほかの技法よりも深刻な可能性があります。そもそも、上記のような失敗は皆ある程度は気を付けているであろう環境の講座内で起きているくらいなので、まだましな方だと思います。何も知らない方がおかしなことをやり続けていたら、効いているつもりで神経系にダメージを与え続けてしまい(身体全体のバランスからみると、症状を単に止めたり、表面的に身体が変わることがよいとも限らないので)、それこそ、気功で言う「偏差」みたいな状態に相手を追い込んでしまうかもしれません。とりあえず、クラニオに関しては他のボディワークとも少し勝手が違う部分があり、自己流はリスクが高いので、これからやりたい方はできる限り習ったほうが良いと思います…。


…長くなったので後半↓に続く。
http://craniolife.iga-log.com/Entry/113/

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「自然治癒力」という言葉を最近ツイッターなどでたまに見かけるので、それについて大雑把に書いてみます。何となく自然治癒力という響きの言葉を使いたくない気分なので、身体の自己調整力などと言い直して書きます。

最近見かけたつぶやきに、たしか「身体のゆがみが自然治癒力を妨げているので、ワークでそれを取るのだ」みたいなものがありました。別にそう考えても何ら問題ないと思いますが、このつぶやきをクラニオ(バイオダイナミクス)的に少々ひねって解釈すると、身体のゆがみもまた身体の自己調整力の働きの結果だ、と表現できるかもしれません。


例えば、何かにぶつかったり、精神的なショックを受けて身体が強く緊張したり、仕事などでひたすら同じ部位を酷使したりすることで身体のゆがみは生じると思われますが、それらの「ゆがみ」も実のところ、身体に大きな負荷がかかった状態でもそれなりにバランスを取るために体が行った応急処置のようなものと考えることができるように思います。

なにがしかゆがみが生じるような事が起き、(もっと良い選択肢があったかもしれないというのは脇に置いて)ともかくその場でとっさに身体が対処するしかない場合、身体がゆがみという形でうまく色々なダメージを受け止め、体のパターンとして吸収してくれなければ、体はもっと深刻なダメージを受けてしまったのかもしれません。つまり、「体のゆがみができる過程」もまた身体の調整力のあらわれという解釈もできるのではと思います。クラニオではゆがみをファルクラムという名前で呼びますが、上記のとらえ方はその概念を参考にしています。要はゆがみがあるのもできるのも、身体がそれなりに現状に即応すべく努力した結果であり、別に悪ではないということです。


同様に、病気もウイルスへの対抗手段や、極端な疲労に対して身体に半強制的に休息の機会を与えるための手段と考えれば、それもやはり身体の調整力の表現であり、身体が熱や咳、腫れなどで何らかの調整作用を発揮しようとしている状態が「症状」であるという解釈もできると思います。「風邪は身体の調整作用である」とみなす野口整体的に考えれば、風邪に限らず、病気で身体が色々な対処や休息をしている機会を利用して、身体が今よりよいバランスを整えようとする、ということもあるように思います。

もちろん、北極に裸で行くことが自殺行為であるように、人間の身体が対処できる範囲に当然限界はあり、調整力のキャパシティをはるかにオーバーするダメージを受けた場合は病院の助けを借りなければ対処できないかもしれませんし、借りてもどうにもならないときもあるとも思います。ここで言いたい事としては、病気の症状そのものも身体の調整反応のいち表現であることが個人的には納得できる、ということです。


とはいえ、いくら自然治癒力の結果だとしても、しんどいものはなんとかしたいということで、そういったゆがみなどに対してボディワークの分野に対処が求められることがあるわけですが、例えばクラニオの場合なら、そもそも「ゆがみ=悪」ではないので、その除去を主目的とせず、「身体のゆがみという形として表れている調整作用の方向性を身体が自分から変えられないか見守る」といった対応をすると思います。
言い方を変えれば、「ゆがみを取ることにより、減っている調整力を増やす」のではなく、目の前の体が調整力を十分に表現していること、目の前の身体は常にベストを尽くしていることを前提として、いまの「ゆがみを中心として取っている身体全体のバランス状態」を、より負担が軽減された状態でバランスを取り直すことが可能かどうか待ってみる感じでしょうか。

そして、大概の場合、体はなんらかのポジティブな反応を表現してくれるわけです。セッションで症状やゆがみそのものが消えなかったとしても、それはおそらく、身を守るため等の必要性から、まだそれらを解消しないほうがよいと身体自身が判断しているだけで、クラニオをする側としては、セッションを通じて何かその人の中で新しいバランスが生まれ、ちょっとでも楽になる感じがあればそれで十分だろうと思っています。それが受ける方の身体の声を尊重することだと思っているので。


なお、こういった場合、よりアクティブなボディワーク技法だと、こういう新しいバランスはどうでしょうと「提案する」とか、これが理想のバランスだと思うのだが、と「術者の理想を体験させる」といった手段をとるのかなと思っています。これらもまた、「身体との対話方法」の1つの形といえるでしょう。
なので、どんな手段を使っても症状を止めて、生命を永らえさせることを最優先する病院医療とボディワークはやはり方向性や役割が相当に違うものであるし、両者はそういう違いがあるからこそ、お互いに価値があるのだろうと改めて思います。

あとはまあ、そもそも身体の調整力というのは非常にハイスペックですから、極端なダメージを受けない限り、武術稽古(私にとっては武術がそれに相当するだけで、自分に合ってる運動という意味合いです…)でもして、ほどほどにバランスよく食べたり寝たりして、たまに不摂生もして楽しんで、身体に違和感を感じたり体調不良の時はしっかり休んでいれば、かなり身体の方でなんとかしてくれるんじゃないかとも思います。

…何かこの内容、前にも書いた気がしてきましたが、まあ、本当に重要かつ書きやすいことは限られていますし、表現が変われば雰囲気も目新しくなるだろうということで、ご勘弁願えればと。

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クラニオ・バイオダイナミクスを視点を変えつつ何べんも説明してみようとする試みその3です。
今回は「スローダウン」という視点から語ってみようかなと。


クラニオ・バイオダイナミクス(以下クラニオ)におけるひとつの特徴は、受ける方の身体に「静寂」や「スローダウン」を体験してもらうことをひとつの方針としていることです。例によって、クラニオでは受ける方に刺激を与えないようにするので、「静かにさせよう」とするわけではないですが、クラニオセッションを原則通りに行うと、受ける方の身体は、最初ざわざわしていた動きが静かになっていくことが大半です。

そして、静かになるを通り越して、あたかも体の動きが止まっているようなものすごく静まった状態になっていくこともあります(手から感じられる身体全体の印象です。もちろん心臓などは止まっていません…)。どの程度静かになるかは場合によりますが、いずれにせよ、セッションが進めば、受ける方の身体の雰囲気はスローもしくは静かな状態になっていくことがクラニオでは自然な流れです。


おそらく、一般的に想像される整体的技法では、もともと動いている身体の働きを別の方向に導くとか、あんまり動いていない身体に圧を加えて動いてもらうといった形で、身体には「静けさ」というより「アクティブな状態」を体験させることを主目的とすることが多いのではと思います。アクティブな状態になった身体の働きを活用して身体を整えてもらう、というところでしょうか。
なお、これはあくまで「ありがちなイメージ」で、実際は整体的技法、ボディワークといっても非常に精妙なものが多く、上記の特徴は全然当てはまらない技法も多いことはお断りしておきます。また、アクティブな状態を体験させる方法も悪いわけでは全然なくて、技法として比較した場合のクラニオとの表面的な違いとして挙げられるというだけです。


もっとも、クラニオでも、身体は一度静まったらずっと静かになっているわけではなく、最終的には静かになった状態から、もう一度自発的に新たな動きを始めます。そしてなぜか、その動きは、最初のざわざわした感じの動きよりも、落ち着いた規則的なものになっていることが多いので、受けた方の実感と合わせて、クラニオでは、これは、身体が今できる範囲で身体全体のバランスを組み替えているのだろう、と解釈しています。

なので、クラニオでも最終的には「新たな身体全体のリズム・動き」というアクティブとも取れるものを表現してもらうことが目的ともいえるんですが、それは静けさやスローダウンを経ての動きであって、アクティブな状態にアクティブな刺激を加えて起きた動きとは異なるわけです。クラニオではこの静けさを経由して起きた新しい動きを「再構成」と呼んでいます。まさに身体が自分でバランスを再構成している感じです。

この人体の「再構成」の働きがなぜ起こるのかは現時点では不明ですが(リアルタイムなので現在の機材では測定しようがないとは思います)、いつもそうなるので、クラニオでは、身体にはそういう働き・性質があることを前提として、術者は手を加えずその働きに身体の調整活動の一切をお任せしようとしているわけです。


「クラニオでは受ける相手にインプットを与えない」という、毎回のように書いていることがありますが、今回の話の流れにつなげるとしたら、この「受ける方の身体にインプットを与えない(けど放置でもない)」を術者が徹底することで前述の「受ける方の身体状態のスローダウン」ならびに、「スローダウンした状態からの身体のバランスの再構成」という身体の自動的な調整の働きが高確率で発生する、といったところです。

なお、静かになった後の「再構成」ですが、規則的で落ち着いた雰囲気とはいえ、身体が適切なバランスを表現しようとするくらいですから、必ずしも弱弱しい動きではありません。静けさや静止状態は無力というイメージがあるかもしれませんが、中国武術に「太極は無極より生じる」などという言葉があるように、人体が表現する静寂の中にも実は今にも新たなリズムで動き出そうとする活発な働きが常に潜んでいる、と言えるのかもしれませんね。

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プロフィール
HN:
朧 こと 今野
性別:
男性
自己紹介:
会社員生活の傍ら、手技セラピー「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んでいます。

「★クラニオバイオリンク集」ではここ以外のクラニオバイオ関連サイトを紹介しています。

私自身のクラニオセッション等の活動は現在休止中です。

私のプロフィール的なものはこちら
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