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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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以前の記事から約半年、現時点の自分のクラニオ(バイオダイナミクス系)セッションでのポイントを書いておくかと突如思い立ったので、やる気がどこかに行ってしまう前にメモ的に書きます。
あくまで個人的重要ポイントなので、自分以外の「クラニオ」もこうすべきという意図はありません。そして、文中のクラニオ用語も特に解説しません。

■まず自分を整える
セッションに入る前も、セッション中もとりわけ重要なのは、自分の状態。
相手に触れる前に自分自身が整っていることが大変重要。触れ方よりも明らかに重要。「整っている」とは端的に言えばプラクティショナーニュートラル(以下PN)ができていること。
相手に触れてからも自分が整っていることは最優先事項。セッション中、何か進行がおかしいときは、自分自身が動揺していたり少々無理な姿勢をしているなど、PNが保てない状況になっていることが多い。

PNを構築するポイントは各人それぞれと思うが、「姿勢の良さ」は最低限必要。この「よい姿勢」にも諸説あると思うが、個人的には胴体や下半身の構えが比較的強固(固定・硬直という意味でなく)でかつリラックスしている姿勢と考えている。

「よい姿勢」の構造の働きにより、手元や肩などに集まりがちな重さや緊張を背中から脚~地面へと散らすことができないと、相手の体重をある程度受けとめるポジションや、掌や指をリラックスさせたいポジションを長時間行うのは厳しく、ただ耐えるばかりで、落ち着いてセッションするどころではなくなってしまう。このような場合、姿勢が軟弱なまま掌だけリラックスさせようとしても難しい。個人的には中国武術で学んだ姿勢とほぼ同じ要領で対応しており、前よりは結構安定してきたと思っているが、姿勢は非常に深める余地があると思う。


■情報を取りにいかない
セッション中、自分から何が起きているか、能動的に情報を取りにいかない。能動的に情報を取りに行くとは、クライアントのシステムをのぞき込むこと。状況の変化は、クライアントとの同調(PNさえちゃんとしていれば、ほぼ自動で行われるので、同調しようといちいち意識する必要はない)により、自分の手を通じて受動的に伝わってくる情報から受け取る。

意識としては、受動的にどっしり引き気味に構えて、変化の流れを横目で見続けている感じ(絶え間なく監視する感じではなく)。灯台のように、という表現を講座で教わったが、まさにそんなイメージ。ここでも前述のような姿勢の安定感があったほうが、おそらく受動的に待ちやすいと思う。

「能動的に情報を取りに行く」ことの悪影響ははっきりわかりづらい所もあるが、情報をやたらと取りに行くと、クライアントに無意識の不要な緊張(寝ている場合でも)を与え、進行中のプロセスを阻害する率が増す気がするので、できる限り避けたい。あとはむやみと状況を知ろうとすると自分が緊張したりして、PNが崩れるもとにもなる。

これは個人的には結構難しく、何も感じない時間が長く続いたり、今どうなっているのか良く判らなくなった時に、ふとした瞬間につい情報を取りに行こうとしてしまうことがある。ともかく極力受動的であるよう気を付けながらセッションを重ねるしかないと思う。
セッション中はいまだにクライアントの状態がわかる瞬間も分からない瞬間もあるが、大体の流れが分かっていれば、時々分からなくても気にしないという意識もおそらく重要。触れた相手の状態がまるでわからないのも問題とは思うが、それで動揺して余計なことをするよりは、よく分からないまま自分を整えて座っている方がましだと思う。


■スペースは細かく調整
セッション中、プラクティショナーは一見じっと座っているだけだが、セッション中、結構色々なことが起きるので、スペースは結構頻繁に調整する必要がある。瞑想したまま座り続ければよいわけではない。
自分がセッション進行や空間をコントロールするというより、自分は基本待ちの状態でありつつ、何かが起きたらそのプロセスに従ってスペースを変化させる感じ。

スペースを調整と言っても、通常はクライアントとの物理的距離を変えるわけではなく(姿勢がやや前のめり気味になっていたとしたら、深く座り直す程度はやるとして)、自分の姿勢のこわばりを感じたらそれを緩めたり、何か狭い感じがしたら少し広さを意識したりするといった細かい調整が主なため、見た目上は全く動いていない場合が大半だと思う。

常に状況に応じた適切なスペースが必要だが、慌ただしく変えるわけではない。自分の変化が遅れ、スペースが足りない時は何となく圧迫感や自分自身がどこか詰まっているような感じがするはずなので、サインを見逃さず適切に対応。
相手の変化に反応して自分の状態を変えるという点は、太極拳の対人練習である推手などにもどことなく似ている気もしている(動作自体は何の共通点もないが…)。


■おわりに
このように書いてはみたものの、過去数年でこのブログ記事に書いたことと大して変わらない気もするし、身に付いたものは忘れないということか、好きなように書いたつもりで、結局、教程で習った注意点から外れていない気もします。習ったものの中から、自分が特に重要と感じるポイントが絞られてきただけかもしれませんし、これが自分にとっての基本と言えるようになったのかもしれません。

上記の3つポイントの共通点は、「クライアントではなくプラクティショナー自身のこと」で、「自分の努力でよりよくできること」だと思います。バイオダイナミクス系のクラニオではクライアントやセッション展開への能動的コントロールを良しとしないゆえに、クライアントへの介入を避けつつ意識的に変えられる要素は少ないので、自分の能動的努力によってコントロール可能な上記3つはとてつもなく重要で、深められる余地も多いと思います。

逆に、CV4など、相手に能動的に働きかけるクラニオスキルは私はほぼすべて封印してしまったため(軽いマッサージなど、クラニオでないものは別ですが…)、私はそれらの使用が必要な場面があるのかも、使おうと思ったとして使えるのかも最早分かりません。
そもそも、クラニオは「治療」でも「整体」でもないですし、私自身も、セッションにあたり、「クラニオセッションという若干変わった体験を提供する」以上のことは、自分の立場や価値観では求めるべくもないと思うに至りました。
セッションの結果、大概はポーテンシーが動いたり、身体システムの何かが整ったりする気がしますが、具体的な効用の説明も難しければ、展開を確実に事前予測できるわけでもありません。セッションが提供できるものとしては、「セッション前より目に映る風景が僅かばかり静かになり、体や心のどこかが少し楽になるかもしれない」などと言うのがせいぜいかもしれません。

ひとまず、セッション中は上記のようなポイント(今後、ほかにも出てくるかもしれませんが)がとりわけ重要で、自分はそれ以外の余計なことを極力すべきでないというのが今の個人的結論です。多分、数少ない自分自身のコントロール可能要素の精度アップに全力を費やし、それ以外は余計なことをしなければしないほどよいのだろうと考えており、完全に他力本願です。今後もセッション時は、上記の精度は引き続き妥協なく突き詰めていきたいところです。

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2020年度のICSBクラニオアドバンス講座などの雑感です。
講座の開催は例年通り10月末で、比較的時間が経過しましたが、年末の振り返りを兼ねて簡単に書きます。

■初のオンライン開催
普段は大阪に集まって行うアドバンス講座ですが、今年は新型コロナの影響で初の「オンライン開催」となりました。自宅で参加者それぞれがzoomにつなぎ、講師のバードレイナさんがガイドをするという形式です。通常は人への接触が前提のクラニオの講座をオンラインでどんな風に進めるのか興味がありました。

参加しやすい形式ということもあり、参加者自体はおそらくアドバンス講座としては過去最多だったと思われます。ちなみに、zoomに初めて触れる方もいましたが、要所要所でバードレイナさんの解説が入り、3日目ぐらいには全参加者がほぼ問題なく操作できていた点は、(教え方が)なかなか凄いと思いました。


■主な講座内容
大まかに分けると内容は以下でした。
クラニオ自体の内容は一部、それに非常に近い内容が大半というところでしょうか。
 1・自分自身に対して行えるいろいろなワーク
 2・画面ごしの相手(クライアント役)に声掛け等を行い、一緒に探求するワーク
 3・周辺知識の講義
 4・参加者の最近のセッションケースの探求


1は瞑想的なリラックスや身体への意識の向け方、自分の顔のマッサージなど、いくつか紹介されました。やってみて、普段それなりに運動などもしているはずの自分自身が相当緊張していることが実感できました。
昨今の状況下で、周囲に対して無意識に警戒心を持つ生活を続けることで、交感神経のスイッチが入りっぱなしに近い状態だったかもしれません。完全にリラックスとまではいかなくても、やってみるとかなり楽になるものです。こういった気づきを与えてくれるのは、身体に働きかける系統のワークのありがたさです。


2は相手の身体の状態をヒアリングしたり、適度に声掛けをしながら一緒に落ち着いていったりするワークです。これもいくつかの段階に分けて実施しました。私が声掛けをする(プラクティショナー的な)役をやっている時は、お互い落ち着いていると、クラニオセッション中に感じる、独特の空気が動くような感覚(ちなみにエアコンや送風機はかけていません 笑)を不思議と覚えたりもしました。
お互いがクラニオプラクティショナーであるせいもあると思いますが、他の方々も似たような経験をしたようです。一体何を感じているのか不明ですが、距離を介しても何らかの繋がりの感覚を人は体で感じ、それを自分で調整力に変換するのだろうと思っています。

いわゆる「遠隔」の技術がクラニオなのかそうでないのか…という記事を前に書きましたが、技術的にクラニオであるかどうかはあまりこだわる事でもないのかなと最近は思います。クラニオであろうとなかろうと、人に触れることが難しくなってしまった今のご時世、こういった心得が有効なことはありそうです。


3はポリヴェーガル理論で言う「社会神経系」のお話などでした。
講座はこのような感じで、例年の講座と大分趣は違いましたが、色々と勉強になりました。自分が非常に緊張していたり、参っていたかもしれないと気づけることはとりわけ重要と思うところです。


■最近
私の今年のクラニオ活動は、講座外でたまに行っている交換セッションも感染状況を警戒しながら、例年より回数をかなり減らしての実施となりました。クラニオに対しては、私がこのブログを始めた時に持っていた執着(?)も少々薄れてきた感もありますが、その分少し客観的にみられるようになってきたかなとも思います。


どの程度熱心に活動を行うかはともかく、クラニオにせよ何にせよ、日常的な身体のケアに対する心得は大変助けになるというのは今年の状況を受けて改めて感じたところです。予断を許さない状況が続きますが、その分、身体性、接触によるコミュニケーション、健全さ(ヘルス)、などのセラピー、ボディワーク等が持つ価値は改めて見直される時かもしれない、とも思います。

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先日開催された2019年のICSBクラニオアドバンス講座に参加したのでその雑感などです。
私は昨年は途中から参加でしたが、今年は5日間フル参加できました。

■今回の内容・講義編
今回の講座タイトルは「BIODYNAMICS OF EMBRYO」で、胎生学がメインテーマでした。
ディスカッションなども含む講義パートでは、受精卵になってから発生4週間目まで(この段階では「少し人の形に近づいている」という程度ですが…)のヒトの胚子(エンブリオ)の成長の様子や、その成長を促進する働きについて主に学習しました。

かつて基礎トレーニングで学んだ胎生学の内容と被る部分もありましたが、私は基礎トレーニング以来、何年もほぼこの領域にまともに触れていなかったので、色々と忘却しており、皆で胚子の成長について話し合うパートでは、多少は事前予習しておくべきだったと冷や汗をかきました。

一方で、粘土を使って胚子の成長を再現するなどのユニークなワークもあり、私はそれを聞いた時は内心実施に非常に後ろ向きな心境でしたが、やり始めると童心に返り、楽しんで作業しました。できた粘土モデルの形は様々で参加者の方々の個性が現れていました。

今回扱った、発生4週間以内の胚子はようやく生き物としての形状をとり始めたくらいの状態で、筋肉はもちろん脳もほぼないため、意思もないはずですが、それでも何らかの生成の働きにより、丸まったりねじるような動きを繰り返しながら少しずつ成長していくのだからやはり不思議なものです(遺伝子はいうなれば設計図で、その形になるための「動きの源」が別にあるという考えが前提)。
この生成の働き・動きは誕生以降もずっと続いており、1次呼吸など、クラニオバイオダイナミクスのセッションで感知する様々なリズムや微細な働きもその表現とされていますが、今回は後述のセッション練習の中で、それらの働きの動きとしての様々な現れ方についても学びました。

個人的には、学んでいる中国武術の姿勢や動作と勾玉のような胚子の姿やその成長の動き、胎生学の知見と陰陽などの東洋思想にはどことなく似通ったものも感じ、興味を惹かれました。さすがに古の東洋の先人達が現代のように胎生学を理解していたとは思いませんが、生き物の動きや様々な自然現象から、胎生学とも相通じる、この世界に現象として現れる普遍的な要素を見出して様々な思想や技術体系を構築したのかもしれない、とは少し思いました。

■今回の内容・セッション編
一方、並行して毎日行われたセッション練習では前述の胎生学の知識を踏まえつつ、昨年度紹介された「PPE」と「ゾーン」の概念を活用した練習が行われました。これらは講師のバードレイナさんによると、近年、各国のオステオパスの間で研究されている手法とのことです。以前推測したように、やはり、私が基礎トレーニングを学んでいた時には存在していなかったか、ICSB周囲には伝わっていなかった手法のようです。

一次呼吸のリズムはあくまでセッション状況を把握するためのガイドであり、一次呼吸のリズムを殊更に参照しつつセッションを進めない、という方向性は昨年紹介された時と同様、個人的にあまり違和感がありませんでしたが、新しい概念を活用しつつ、どうやって安定してセッションを進めるか、については最初は若干苦戦しました。

しかし、セッションで組んだ方のご意見や他の参加者の体験談も踏まえて試行錯誤した結果、色々粗はあるかもしれませんが、3日目位からは概ね安定してセッションができるようになってきて、少し自信がついてきました(もっとも、「自分が人に対して行う」というワークではないので、「自信をもって余計なことをせず座れるようになった」という感じですが…)。

PPEも発生の源は多分1次呼吸と同じと思われるため、「1次呼吸システムと共にワークする」という方向性自体はかわらないはずですが、1次呼吸のリズムありきの進め方と比べると、何故かセッション内で起こることも少し違うようです。クライアントやその状態にもよりますが、ポーテンシー(熱感を伴う要素)の働きが明確に現れやすい気もします。

個人的理解ですが、セッションの進め方に関しては、PPEやゾーンといった新しい概念はあるものの、
 ・「自分自身の土台(プラクティショナーニュートラル)をしっかりさせ、クライアントとの間に
  適切なスペースを確保すること」
 ・「主にスペースに意識を向け、クライアントの身体システムをのぞき込まないこと(俯瞰の意識)」
 ・「セッション中に起きるクライアントの変化に応じて適切に対応すること」
 ・「情報は能動的に取りに行くのではなく、受動的に結果として受け取ること」
…といった基本的な部分は、これまでと共通という印象です。逆に、それらがある程度身についていること前提に行う必要がある、とも言えそうですが。

個人的体験から、新しいセッションの方向性でいまいちうまくいかない場合にありがちなのが、「スペースを意識しすぎたり何かを探そうとするあまり、プラクティショナー自身の安定を失うこと」という印象を持ちました。それゆえ、新しい方向性のワークを行うにあたって、プラクティショナーニュートラルの強固さの重要性はさらに増している!とも感じました。

■まとめ
そんなこんなで、終わってみれば今年もあっという間の5日間でした。胎生学の知識があるからといって、ワークの内容やす進め方が劇的に変わる…という程ではないかもしれませんが、改めて学んでみて、生命の神秘・不思議さを感じるとともにセッション中、色々な領域で起こることにより気付きやすくなるのは確かだと思いました。

新しいワークの進め方も昨年度は何となくわかるようなわからないような…という部分がありましたが、今年は壁にぶつかって対処を考えたことにより、ある程度手ごたえが得られたので、個人的に体得してきたコツと組み合わせつつ、意識的に使っていけそうな感じです。

そして、クラニオとは関係なく、数日間ちゃんと休むことの重要性も再認識しました。私は日常の仕事などの疲れも結構たまっていたのか、初日はすぐ眠くなるくらいの肉体的疲労のみならず、発言も周囲との交流も少々億劫な精神状態でしたが、この5日間でかなり回復した気がします。
クラニオを受け続けたのみならず、5日間大して夜更かしせず健康的な生活を送ったこともあると思いますが、どういう方法であれ自分をしっかりケアするのは大事と改めて思った次第であります。

前述の精神状態もあり、参加前はそれほどモチベーションは高くなかったのですが、やはり参加すれば色々な発見があるものです。来年も引き続き胎生学がテーマとのことなので、うまいこと日程が合えば参加検討したいところです。

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先週10/17-10/21の期間に開催されたICSBクラニオアドバンス講座に2年ぶりに参加したので所感などです。講座は例年通り5日間ですが、私は業務都合で後半3日間のみ参加しました。講座内でクラニオセッションを重ね、意識がかなり深まった感じになるのが3日目位だったので、3日だと結構あっという間でした。

今年は最近基礎教程を終えた方々も含め、参加人数が23名と例年より多めで、会場も広くなっていました。私が基礎教程を終えたのも昨日のような気分ですが、その後、一人前のプラクティショナーが誕生するまでの期間が経過していたとは、さすがに時の流れの早さを感じます。

■今回のテーマ
今回は「タイドの足跡を辿る」というテーマで、テクニックの紹介というより、本質的な内容を探求するらしいということで、3日目からでも得るものが多そうと感じ参加しました。プラクティショナーの意識のありようの探求や胎生学などの周辺知識の補強などを予想していたのですが、セッションの進め方そのものに思いのほか新しい内容が含まれており、私が会場に到着して目にした3日目のホワイトボードにはいくつか見たことがない謎の言葉が書いてあったので驚きました。

ただ、参加者の方々が私が不参加の前半2日間の講座内容や様子を詳しく説明してくれたり、セッション中のバードレイナさんのガイドでおおむね概要は理解するに至りました。講座中、サポート・交流いただいた方々、改めてありがとうございました。

今回講座内で主に紹介されたのは、「1次呼吸とは違うが、それと源を同じくする働き(講座ではPPEという名で紹介)」を主なガイドに(1次呼吸のリズムはガイドに使わない)、フィールド(講座では4種類の「ゾーン」として紹介)の様子を見つつセッションを進める方法でした。この流れからでも身体システムはニュートラルに入るので(ちなみに、過去に教わった「ステートオブバランスのニュートラル」とは違うようです)、その後、身体システムが何を求めるかにもよりますが、通常セッションのような展開になることもあります。
…と書いてみましたが、オステオパシー領域からの知見をベースにバードレイナさん達が最近開発した手法とのことで、まだ完全に判り切っていないこともあるようです。

なお、このブログではここ最近(というほど更新していませんが…)、「プラクティショナーニュートラルが維持できていれば、1次呼吸はリズムとして感知できなくても問題なく(逆にリズムを無理に感知しようとすることで術者が緊張しやすい気が)、リズムよりフィールドの雰囲気を感じるのが重要と思う」などと書いていましたが、今回紹介された方法は図らずもそれに若干近い(「PPE」を知らなかった他、私の考えはそれよりだいぶ大雑把ですが)コンセプトの方法だったので個人的には、新用語が出てきて驚きはしましたが、あまり抵抗はありませんでした。
むしろ、上記のように書きつつも、同時に自分の考えはクラニオとしては明後日の方向に向かっているのでは、と若干不安も覚えていたので、今回の講座を受け、そうでもなかったようで安心しました。

■方向性が増えても
1次呼吸のリズムでなく「PPE」をガイドとする今回の方法(名前はまだない模様)は、クライアントのシステムが疲弊していて1次呼吸が表現できないとき向けに開発されたものだそうですが、今回の講座内で、何名かの方から、これまでの方法だとセッション中眠れないことがしばしばあったが、この方法だと眠りに入りやすい、という感想も聞かれたので、何が要因か不明ですが、1次呼吸が表現できる方相手に行っても、過去の方法にない恩恵がありそうな気もします。

ちなみに、基礎教程の段階では「1次呼吸が表現しがたい人向け手法」として「CV4やEV4」が紹介され、過去のアドバンスでもそういった状況向けにいくつかの概念を聞いてきた気がするので、
ICSB側でもいろいろ試行錯誤の最中なのかもしれません。
ICSBでは基礎教程でクラニオとしてのスタンダードな方法(1次呼吸をガイドとする方法や関連知識)を教え、その基礎があったうえでアドバンスに進む構成なので、アドバンスでいろいろな選択肢をおもむろに紹介されても、あまりに妙なことを考えない限りは「クラニオ」の範疇から大きく外れることは起こりにくいかなとも思います。

過去の手法との整合性や用途の違いは若干気にはなりますが、個人的にはそこはあまり深く考えず、単純に「選択肢が増えた」と捉えようと思っています。そもそも、私のようにあまりセッションしない人は、原理原則ベースでもあまりいくつも手法を覚えていられないので、既存のやりかたとの使い分けがありうるのか検討しつつ、今回の方法を活用したいと思っています。来年も今回紹介された方法をベースに更なる探求をするそうなので、都合が合えば参加したいところです。

なお、今回の講座ではこのブログが少なくとも関係者には意外と読まれているらしいことが判明し、わずかながら気力が回復したので、なにか参考になるか分かりませんが、今後もネタがあったらまたぼちぼち書いていこうと思います。

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最近は当ブログもいい感じに目立たなくなってきたので、(たまに書くときは)あまり教わったことに捉われず、多少自由に書いてみようと思います。というわけで、以下はICSB教程で教わった内容をベースにしつつも基本的に私個人の考えなので、話半分にとらえていただければと思います。

最近も忘れない程度には最低限のセッションを行っていますが、今更ながら、習い始めに聞いたことや、これまで当たり前と思いつつも、あまり徹底してこなかったことが重要と実感しています。やはりどんな分野でも基本は重要というところでしょうか。最近特に感じたのは以下です。

■まず自分を整える
「プラクティショナーニュートラル(以下、PN)は重要」とこのブログでは結構何度も書いていますが、まさにそれを最近実感しています。実は自分自身も意外とやれていなかったという…。最近まで私は、PNを維持しつつクライアントに触れ、クライアントのシステムが落ち着くまで手持無沙汰感や不安感を覚えたとき、1次呼吸の状態はどうだろうと思ったり、自分の意識の状態を変えて相手のフィールドに同調しようとしたりしていたのですが、これらも余計な操作で、相手を変えようとする行動に近かったと思うことがありました。

しかし、こんな時は、同調のような難しいことをするまでもなく、PNを維持しつつ自分自身の落ち着きを深めることに集中、いうなれば自分自身を整え続ければ、やがて自然とクライアントの身体システムも落ち着き、身体システムの状態や1次呼吸もわかってくる(確率が高い)ことに思い至りました。
当たり前ですが、術者が落ち着かないとクライアントも深く落ち着けないので、セッションが始まってどうしたらよいか迷ったら、クライアントのシステムの中に何か探そうとしたりマニアックな操作に走ろうとせず、とりあえず自分が全力でPNを構築して落ち着けば自然と状況が動き、色々なことが解決すると思われます。

実際、意識や操作感により半端にクライアントの状況が分かったつもりになるよりは、仮にクライアントに触れていて何も感じられなくても、その分からない状態のまま自分自身の状態を整え続けたほうがクライアントにとっても有益だと思います。無理やり何か操作して、わかったと思ったクライアントの状態は、実際は「自分が意識で操作して作り上げた反応」かもしれないので…。

「自分を整える・落ち着きを深める」手段は人それぞれで良いと思います。自分の中に完全に埋没せず、クライアントに向けてある程度開かれている状態がキープさえできていれば、「自分の中で静けさがある領域を見出してそこにとどまってみる」とか、「深い呼吸を続ける」とか、「「リソース」を使う」とか、色々あるかと思います。これらもある意味PNの構成要素の一部ですね。

ともかく自分が深く落ち着くことが重要…すなわち術者の姿勢もまた大変重要という見解もやはりこれまでと同じです。どんな姿勢だろうと、ある程度落ち着くことは可能ではありますが、より深い落ち着きが求められている状態で、自分の腕や肩等に負荷がある崩れ気味の姿勢と、自分の腕等の特定部位に負荷がかからない安定した姿勢ではどちらの方が自分が深く落ち着きやすいのか?はまあ考えるまでもないかと思います。

■熟練に伴う省力化?
「相手(クライアント)に余計なことをしない」のがクラニオ・バイオダイナミクスのセッションの特徴の1つかと思いますが、そう習いつつも、常日頃落ち着きがたいヒトのサガか、特に習い始めのころは、意外と気づかないところで、妙な不安に捉われてみたり、相手の中に何か探したり、相手に向かって意識を送ってみたり、余計なことをしてしまっていると思われます。
私自身からして、当初は今の自分が見たら説教を垂れたくなるくらいいろいろと余計なことをしていた実感が明確にあり、今も余計なことをしているのかもしれません。

上記と関係ないかもしれませんが、私も習い始めの頃は何だかよく分からず90分くらいもやっていたセッション時間が、最近は3か所触れて40分くらいで済むこともあり(これはクライアントの身体状態やクラニオへの慣れ度合によっても違うと思いますが)、かつ、自分の努力感は以前より圧倒的にないため、これでいいのか?と思うくらいあっけなく進むこともあります。セッションでは、クライアントの身体システムにとって無理なく可能な調整・統合が行われることが重要で、セッションが短時間になったから良いかは分からない…とも思いつつ。
あまりセッションをしていない私でもそう感じられるということは、クラニオ・バイオダイナミクスに熟練していくと、より術者の操作感が減っていくほか、クライアントに必要なことは起きつつも、セッション全体の流れの中の余計な要素もそぎ落とされていくのでは…と思ったりもする今日この頃です。

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プロフィール
HN:
朧 こと 今野
性別:
男性
自己紹介:
会社員生活の傍ら、手技セラピー「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んでいます。

「★クラニオバイオリンク集」ではここ以外のクラニオバイオ関連サイトを紹介しています。

私自身のクラニオセッション等の活動は現在休止中です。

私のプロフィール的なものはこちら
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