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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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またクラニオの話題に戻ってきました。
できるだけ客観的に語れることの方がよさそうな気がしてきたので、まずはクラニオの非常に簡単な歴史からご紹介。以下には幾つかの技法名が出てきますが、とりあえず、以下でクラニオ技法全般をなんとなく指す場合は「クラニオ」と呼びます。


 「クラニオ」は日本でも最近は多少は名が知られつつはあるものの、正直なところ、どう考えても「有名」とは思えないワークです。だからといって、ごく最近開発されたワークなのかと思いきや、実は結構歴史があったりします。最低限形になったと思われる時期から推定すると、だいたい80~90年くらいは経っているようです。
 創始者はアメリカのオステオパス(オステオパシーという西洋整体術の施術者)のウィリアム・ガーナー・サザーランドD.O(←D.Oはオステオパスを表す称号。「ドクター」みたいなもの。)。彼は20世紀初頭の学生時代に、側頭骨の形から、頭内のひとつひとつの骨は動くのではないだろうか、というひらめきを得て、他ならぬ自分自身の身体を実験台に研究を始め、臨床の場でも実践を重ねたとのこと。
 その中で、現在でもクラニオのキーワードとなる「1次呼吸」や「ポーテンシー」「ブレスオブライフ」といった概念(ここでは詳細は省略)をもとに技法体系を整備。サザーランド氏は1930年代頃から他のオステオパスにこの技法を教え始め、亡くなる1950年代まで教え続け、また、この間に、サザーランド氏自身のクラニオ技法も少しずつ変わっていったそうです。


 詳しくは知らないのですが、オステオパスは、アメリカではただの民間療法家ではなくて、育成のための大学もあり(医学部みたいなものですね)、その卒業者は、お医者さんと同等程度の扱いを受ける権威ある称号だそうです。それゆえか、クラニオも最初は他のオステオパス達にあまり受け入れられなかったものの、一部の人々には評価を得ていき、1940年代ごろからはアメリカ各地のオステオパシーの学校にクラニオ研究コースが開設され始めたそうです。この頃の「クラニオ」はオステオパシーの一種という意味合いが強かったためか、「クラニアル・オステオパシー」と呼ばれていました。そして、今もおそらく伝統的なオステオパシーの学校ではその名称が使われているのではと思います。また、現在もサザーランドの直弟子に当たる方々の幾名かは健在だそうです。
 こうして少しずつ広まっていったクラニオですが、その技法は長年オステオパスの学校でしか教えられることはなく、オステオパス資格のない人がクラニオを学ぶ道は閉ざされていました。しかし、1970年代になって、オステオパスの1人であるアプレジャーD.Oが、オステオパス以外の普通の人にもクラニオの技術を教え始めました。アプレジャー氏の英断は多くのオステオパスからの反発も招くことになったが(武術で言うならば、秘伝の技術として大切に守ってきた稽古法を世界中にばらまいたようなものと思うので、もっともな反応ですが…)、その後クラニオが世界中に広がっていく大きな転機ともなりました。…というのが、クラニオの誕生から発展までの大まかなあらましです。ちなみに上記は日本語の数少ないクラニオの書籍「ウィズダム イン ザ ボディ」の一部を要約したものです。


 前述のような経緯で「クラニオ」のエッセンスは世界中に広まったため、現在、「クラニオ」を実施する施術者やそれを教える教室は世界中に非常にたくさんあるそうです。現在は特にアメリカやイギリスで盛んで、国によってはクラニオに保険適用がきくところもあると聞きます。現在はまさにクラニオ界の群雄割拠時代というところなのかもしれません(非常にマイナーな群雄割拠ですが…。)。私が学ぶ「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」の教程も、そのひとつなのでしょう。

 ちなみに、アプレジャー氏によって広められた技術は一般には「クラニオセイクラルセラピー」と呼ばれており、アプレジャー氏にも学んだことがある私のクラニオの先生に聞く限り、氏の伝えた方法は私が学ぶクラニオセイクラル・バイオダイナミクスとは主なやり方が異なる部分もあります。そのため、アプレジャー氏が広めたわけではない「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」はまた別のきっかけで広まったはずなのですが、どのようなきっかけで世に広まり始めたのか、誰が立役者なのか、実は私はあまり判っていません(調べ方が足りないだけな気もしますが)。
 クラニオセイクラル・バイオダイナミクスはクラニオ創始者のサザーランド博士が研究を重ね、人生の後半に実施するようになった技法を体系化したもので、その体系化・理論化にはサザーランド博士の直弟子であるローリン・ベッカー氏、現在も活躍されているジム・ジェラス氏などが大きな役割を果たした、とは聞いていますが、彼らが「広めた」のかは良く判りません。
 私が学んでいるものは訓練を積んだオステオパスや医師専用ではなく、民間向けのプログラムと言えますが、ジム・ジェラス氏の教える内容はオステオパス向けで、より専門的らしいとも聞くので、民間向けプログラムの普及にあたっては、高名な誰かがムーブメントを仕掛けたというより、草の根的に徐々に広まってきたと考えるのが自然な気もします。バイオダイナミクスは技法としては比較的前(20世紀中ばくらい)から存在するが、世に広まり始めたのは少なくともアプレジャー氏のクラニオセイクラルセラピーよりは後だと思うので、1980年代~90年代くらいと、比較的最近なのかもしれません。


 現在は日本国内を見渡しても、海外から先生を招聘したり、海外でクラニオを学んだ方が講師になるなどの形で、国内でも色々な「クラニオ」が徐々に広まりつつあるようです。「クラニオ・バイオダイナミクス」に関してだけ見ても、私が学ぶ教程以外にも、バイオダイナミクス、もしくはそれに近いものを教える団体がいくつか存在するくらいなので、少なくとも私が学び始めた頃よりは少しは露出が増えている気はします。今後クラニオがどのような道を歩んでいくのかわかりませんが、私も民間向けプログラム出身とはいえ、歴史ある技法の一端に触れた身として、サザーランド博士や先達の志を受け継いで、有益な方向に活用していきたいものと思います。

◆参考文献:
「ウィズダム イン ザ ボディ」 Michael Kern著 高澤 昌宏訳 エンタプライズ出版 

※2013/10 言い回しを修正。バイオダイナミクスの歴史追加。

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自己紹介:
会社員生活の傍ら、ICSBという団体の教程で手技セラピー「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んでいます。

「★クラニオバイオリンク集」ではここ以外のクラニオバイオ関連サイトを紹介しています。

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