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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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クラニオの概論は色々書いてきたので、今後はクラニオ用語やごくごく基本的な解剖学のクラニオ的な解釈の紹介などもたまにはしていこうかと思います…というわけで、今回はクラニオで重要とされる「1次呼吸」の概要を紹介。なお、現時点の私の理解によるものなので、違う所もあるかもしれません。

◆1次呼吸ってなんだ
 「1次呼吸」というのは、ひとことで言ってしまえば、「人体が表現しているごく微細なリズム(規則的な動き)」です。よくよく観察すると、身体全体は「閉じたり、ひらいたり」 &「縮んだり、伸びたり」といったリズミカルな小さい動きをしていて、それが肺呼吸の「吸ったり、吐いたり」、といったリズムと似ていることから、このような名前がついたものと思われます。でも、肺呼吸と完全に連動しているわけではなく、1次呼吸は1次呼吸で独立したリズムを表現しています。(追記:1次呼吸と肺呼吸は別のリズムですが、1次呼吸がはっきり現れているような状態では肺呼吸も深くなっている、といった程度の関係はあります。)

 このリズムによって、例えば、脳内~脊髄内の空間を巡る「脳脊髄液」と呼ばれる体液の循環が発生し、膜を通じて繋がっている頭蓋骨もまた、その脳脊髄液の流れに動かされるかのように、閉じる⇒開くのようなリズミカルな動きを表現しているとされています。1次呼吸の動きを脳脊髄液の動きだけで表現した場合、脳脊髄液が下半身から頭の方に昇っていく際の身体全体のリズムを「インハレーション」(肺呼吸の「吸う」動きのような)、頭から下半身に向け降りてくる際の身体全体のリズムを「エクスハレーション」(肺呼吸の「吐く」動きのような)とも呼びます。

 心臓や肺のリズムが生命活動に重要な役割を果たすように、クラニオではこの1次呼吸をただの運動・リズム以上のものとして重視しており、この働きは全身に色々な意味での滋養を運んでいるとも考えられています。また、1次呼吸の状態は身体の現在の状況を判断するバロメータのようにも捉えられています。クラニオのセッションでは、このリズムの状態を把握することで、触れている人の身体システムの状態を判断したり、「1次呼吸」の働きが受け手の方の身体に十分に表現されやすいよう手助けしたりします。

◆いろんな1次呼吸
 とはいえ、この「1次呼吸」は、心臓の鼓動や肺呼吸と違って、あまり判りやすくはありません。1次呼吸には大まかに分けて、「CRI(クラニアル リズミック インパルス)」「ミッドタイド」「ロングタイド」3種類のリズムがあります。CRIが一番早いリズムで、ロングタイドが一番ゆっくりしたリズムですが、違いは速度にとどまらず、動きの質や雰囲気からして全く異なるものがあります。これらを詳しく語ると長くなるのでここでは違いは省略します…。ゆっくりした「ミッドタイド」「ロングタイド」に関しては、受けている方の身体が十分に落ち着かないと、クラニオを行う人(プラクティショナー)にもほとんど感じることはできません。

 さらに、受ける方の身体が無意識のうちにクラニオのプラクティショナーを警戒するだけでも、1次呼吸は十分に感じられないので(感じられないだけで、なくなってしまうわけではありません)、適切なセッション進行を通じ、身体が1次呼吸を十分に表現できるような場を作っていくのも、プラクティショナーの重要な役割です。また、十分にセッションによって準備を整えても、かなり身体のシステムが疲弊している場合は(通常の肉体疲労とは少し異なる意味あいです。長年蓄積された見えない疲労や、エネルギーの枯渇状態のようなものと考えると分かりやすいかもしれません。なお、疲弊していても重病であるとは限りません。)、「ミッドタイド」「ロングタイド」を、身体自体がほとんど表現できない場合もあります。その場合はプラクティショナーは1次呼吸に耳を傾ける代わりに、少し別の対応を行うこともあります。1次呼吸の状態も、ほんとうに人それぞれです。

 前回、クラニオには流儀がいろいろあると書きましたが、まっとうな内容を教えている教程なら、この1次呼吸の働きはそれぞれの方法・価値観の下で等しく重視されていると思います。先の表現でまとめると、「1次呼吸の働きが身体に十分に表現されるように手助けするボディワーク体系」または「1次呼吸という人体の内なるリズムの働きを尊重し、心身に恩恵をもたらそうとするボディワーク体系」=クラニオとまとめられるかもしれません。例えば、私が学ぶ「バイオダイナミクス」流派は「ミッドタイド」「ロングタイド」の働きを信頼して、「CRI」は意識しないようにする、という点が特徴ですが、CRIを意識する流派もまた、1次呼吸という内なる身体の働きを尊重しているという点では何ら変わりがないと言えるでしょう。

◆謎の1次呼吸
 ちなみに、リズムが早いにせよ、遅いにせよ、「1次呼吸」と呼べそうなリズムがあることは身体の大概の場所に触れる事で感知できるのですが、「そのリズムがどこからどのように発生しているのか」は実は不明です。一部の器官の収縮や弁の働きによって生じるとの意見もあるようですが、現時点で結論は出ていないようです。(追記:クラニオセラピストのアプレジャー氏と同僚は何らかの機械を用いて、1次呼吸の動きを肺呼吸や心臓の鼓動と全く異なる動きとして物理的に測定できたそうなので、1次呼吸が気のせいでないことは確かです。)

 胎生学の知見を根拠として、人は受精卵の時点から1次呼吸のリズムに従うような動きをしながら胚から胎児の姿に成長していくようだ、と考えるクラニオ・バイオダイナミクスのワーカーもいます(私の先生もその一人です)。受精卵の時点では、筋肉以前になんの器官もないため、成長の運動やリズムがどんな理屈で発生しているのかは良く判りません。意見の一つとしては、遺伝子が設計図のようなものだとしたら、その遺伝子の記録内容などをもとに人体を形作る「形成力」「編成力」が1次呼吸である、というものもあります。その形成力は胎児のときだけでなく、生きている限り、からだには常に働いており、自己調整能力の一部として機能している、とも言われています。 私も講義で胚が成長する様子のスライドを先生に見せていただいたのですが、確かに胚は「インハレーション」⇒「エクスハレーション」(とじる、ひらくのような)のパターンに典型的に見られるリズミカルな動きをしながら人の形に成長していくように見え、とても不思議に感じられました。

 胎児の成長が本当に「1次呼吸」の働きによるものかは判らないのですが、最先端の解剖学や胎生学の目をもってしても1次呼吸自体は計測できても、「その発生源」は不明なままで、「何か見えざる働きが人体にはあって、その働きにより人は生かされている」可能性はありそうです。これも「正しい」かはわかりませんが、ひとつのからだのとらえ方であるとは言えるでしょう。なお、クラニオでは、この「1次呼吸を発生させている見えざる働き」を聖書の言葉に倣って「ブレスオブライフ(命の息吹)」と呼んでいるそうです。文化圏によっては別の呼び方をしているかもしれませんね。


…とりあえず、「1次呼吸」の概要だけ書いてみたのですが、少し専門用語も入ってきたので、難しい点もあったかもしれません。また、私の不明もあるかと思います。さしあたり、「身体にはごく微細な自動的な動き・リズムのようなものがあるらしい。」「それは目立たないけれど、人体にとって結構重要な働きをしているかもしれない」「クラニオはその働きを尊重し、心身に恩恵を与えることを目的としてワークをしているらしい」といったことを何となく感じて頂ければと思います。
 
【参考文献】
・「ウィズダム イン ザ ボディ」 Michael Kern著 高澤 昌宏訳 エンタプライズ出版 
・「クラニオセイクラル バイオダイナミクス volume1」 Franklyn Sills 著 高澤 昌宏訳 エンタプライズ出版
※この記事の文章自体はできるだけ自分のことばで書いてみましたが、その分参考文献のそれに比べると、そうとうに適当な表現が多々あります…。
  ※2013/9 諸々修正しました。

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