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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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◆トラウマワークの非常時の対応
 今回の一連の地震を受け、11日にクラニオの先輩からトラウマワークの「非常時の対応」として送られてきた文章があったので、それを私のほうで若干表現を修正して、ツイッターに転載しました。内容は以下の通りです。

1.まずは自分自身から始めましょう。
 今はまだ地震直後であり、アドレナリンが噴出している時です。こういう時は何かをしたくてたまらなくなりますが、まずはその自分自身の感覚をトラッキング(追跡)しましょう。そして自分自身が安心できる状態・サポートを最初に求めてください。

2. テレビの映像を見過ぎない
 テレビで繰り返し流される悲惨な映像は、強い吸引力を持ちます。人によっては催眠にかけられたようにテレビの前から動けなくなる人もいるでしょう。こうした映像に何度も何度も自分をさらすことは、あなたのためにならないことがあります。
(追記:より正確には、「刺激の強い映像情報の触れすぎに注意」というところです)

3.サポート
 まず必要なのは、身の安全を確保することです。避難場所、食べ物、人々が安全かどうかのチェックを優先しましょう。そして非常時に最も大切なのは、仲間やコミュニティからのサポートです。コミュニティは非常に大切です。もし集まれる仲間がいれば、集まってサポートをし合いましょう。

 これは「ソマテック・エクスペリエンス」という心理学ベースのトラウマセラピーのコミュニティによせられた内容とのことです。前にも書いたとおり、このワークのいくつかの方針は私が習うクラニオ教程にも取り入れられています。
 で、載せてみたはいいが、特に2は、ちと表現がストレートな部分もあるので、若干誤解を招きやすかった部分もあったみたいです。私としては、意味が分かって役に立てられる人が役に立ててくれれば良いと思うので、どう解釈されても、それはそれで構わないのですが、一応本来の意図は明瞭にした方が良いとも思うので、今回はこれの補足説明などしてみます。なお、私自身はソマテック・エクスペリエンスの専門家ではないので、実際は私が書いた内容と少し意味が違っていたり、もっと別の意味が含まれている可能性もあることはお断りしておきます。

◆全体まとめ
 まず、1~3をまとめて言うと、「災害の経験は人間の神経系に大きな興奮をもたらし、なにかしなければ!という思いも誘発する。しかし、そこで、多くの刺激(ここでは、災害の経験そのもの、周囲の人の様子、あらゆる媒体を通じて流れる多くの被災情報など)に触れすぎると、人によっては自律神経系にキャパシティ以上の負荷がかかり、かえって混乱したり、状況に圧倒されて動けなくなってしまう恐れもある。
なので、まずは、1,3で言うように、自分が安心できるように深呼吸でもしてみたり、仲間や家族と連絡が取れるなら励まし合ったりして、ある程度自分が落ち着こう!」…ということですかね。
 その際に2のような、刺激の強い情報を控えめにした方が落ち着きやすい人「も」いる、ということです。ある程度落ち着いた状態なら、すばやい行動もしやすく、色々な災害情報も判断しやすいというものです。

 2で映像について特に書いてあるのは、映像の効果で潜在意識に何か影響があるとか、悲惨な映像がなんとなくマイナス思考を誘発するといった意図ではないです(そういう考えもありだとは思います)。生々しい映像情報は、単純に自律神経系に対して、刺激としての影響力が大きい、という意味です。…というところで、以前も書いたんですが、自律神経系と刺激の関係についてもう一度書いてみます。

◆過活性とは
 人の自律神経系は各種の刺激を受けると「活性化」し、「逃げなきゃ」とか、肉体がすばやくアクションできるモードに入ります。これは生きるために必要な反応です。そして、「活性化」は危機を乗り越えたりして、必要がなくなれば元に戻ります。

 ただ、自律神経系にはキャパシティがあって、あまりに大量の刺激に晒されたり、圧倒的な質量の刺激に晒されたりして、キャパシティを超えてあまりにも活性化しすぎると(自律神経系の「過活性」と呼ばれています)、ささいなことに過敏に反応してしまったり、動けなくなったり(たとえば、パニックのような状態など)、正常な判断ができにくくなることもあります。
 この自律神経系のキャパシティは、休息などにより神経系がリラックスできるとまた元に戻るので、過活性も通常は時間が経てば解消しますが、その間判断力が低下するので、状況に応じた迅速な対応ができることが望ましい危急時においては、ならずにすむなら、ならないほうがいい、というのは確かではあります。
 なお、「過活性」は「火事場の馬鹿力」とは別です。そういう力を出すには、おそらく心身が完璧に統一されるようなある種の強力な集注感が必要で、重心が浮いて、自分自身が落ち着けないような過活性状態では多分出ません。

◆トラウマ化
 また、これに関してもう一つ問題なのが、「活性化状態の常態化(「トラウマ化」と呼ばれています)」です。あまりにも過活性状態を誘発するような状況が連続すると、実際の災害が終わっても自律神経系が活性化したままになり、ちょっとした刺激に過敏に反応するような状態になることもあります。これは、上記の「過活性」が常時起きているということなので、日常生活に影響が結構あります。

 過敏状態であるが故に、ささいなことで身近な人に激しくあたってしまって、自分自身がますます傷ついたり、という負の連鎖につながることもありますし、過ごし方によっては何年も続いてしまうこともあるので、ものによっては結構深刻です。帰還兵や大事故にあった方がその後も既に過ぎた経験に悩まされる、という例はしばしば聞きますよね。そういう深刻な状況でも、上手に過ごせば自然解消するだろうし、効率的に解消するためにサイコセラピーや色んなワークがあるわけなので、解消自体は可能と思いますが、その間しんどいとは思うので、これも避けられるなら避けたいですよね。

◆つまり
 1~3はそういった状態にできるだけなりにくくしたり、もしなっても、できるだけ短時間で復帰しやすくなるためのこつ、ということです。なお、2に関しては、自律神経系のキャパシティや刺激への耐性には個人差があるので、刺激の強い映像を観ても平気な人は平気でしょうし、必要な災害情報が全くないと困りますので、当然ながら、テレビは絶対観るなという意味でもないです(ここで言わんでも2の文面から分かると思いますが)。
 また、これは「災害のほぼ直後」という状況での話で、ある程度状況が落ち着いてからは、自律神経系も(地震の体験という刺激はある程度解消されており)キャパシティに余裕がある状態でしょうから、少々刺激的な映像を見たくらいでは目だった影響が全くないことも多いでしょう。そもそも、状況が落ち着けば生々しい映像自体も減るわけで。

 冒頭のまとめで述べたことと重なりますが、要は、災害直後に、強い刺激への耐性があまりない子供や、特に弱っている人や、敏感になっている人(別の言い方をすれば自律神経系のキャパシティがもともと少ない人や、いっぱいになりかかっている人)が影響力の高い映像などの刺激に釘付けになって、過活性状態を起こし、無力感からますます混乱してしまったり、避難などの動くべき時に動けなくなってしまうような事態を防ごう、ということですね。
 そして、そのような状況では、情報の収集も大事だが、自分自身が仲間と協力し合って安全を確保し、しっかりとおちついて冷静な判断力をもって動ける状況になることが最優先、というわけです。まあ、これは日常の情報の扱い方でも共通かも知れませんが。

 良く漫画などで、小さい子供や繊細そうな女性キャラが悲惨なシーンや残酷なシーンを目の当たりにしそうになった時に、漢気溢れるキャラが「見るな!」と言ってそのキャラの目をふさいだりしますが、これもジェントルマンとしての道義的意味合いの他に、上記のような(トラウマ化や過活性の影響を最小限にする)意味も潜在的に含まれた対応とも解釈できるかも知れないですね。

※3/26追記:
本文では「過活性」の例として、分かりやすい「興奮しやすい状態」を挙げていますが、
過活性には「何もできないくらいもの凄く無気力」という状態もあります。
前者は自律神経のうち交感神経の過活性、後者は副交感神経の過活性の例です。
「興奮しすぎ」か「静かになりすぎ」か、と想像すれば分かりやすいかと思います。

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会社員生活の傍ら、ICSBという団体の教程で手技セラピー「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んでいます。

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