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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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遅ればせながら今年初ブログです。今年もよろしくお願いします。

先日やはり「今年初クラニオセッション」を行う機会がありましたが、その際「プラクティショナー(以下、術者)によってセッションの個性はあるのか」という質問を受けました。「あると思う」とか、「いや、ないのかもしれない」とか、「技量の面では明らかに違いが…」などと色々矛盾したことを言っているうちに時間が無くなり、中途半端に終わってしまったのですが、これはまともに捉えると、色々回答しようがあるなかなか難しい質問だと思いました。そこで、今回はこのことをお題に雑感など書いてみようと思います。
大雑把に考えると、これは視点の違いによって答えが変わってくる質問といえそうです。


まず、「セッション手順の個性」という視点で見ると、展開のさせ方にある程度の個性はあると思います。クラニオにはいろいろな「ハンドポジション(触れる位置とその位置特有の触れ方)」がありますが、バイオダイナミクスの場合はセッション開始時のハンドポジションや2番目以降に使うハンドポジション、1セッション中いくつのハンドポジションを使うか、などに大まかな方針はあるものの、明確なルールがあるわけではありません。クライアントさんの状況を見ながらアドリブで決めていくので、ハンドポジションの選択に術者の感性や得意な触れ方が反映されることはあると思います。メカニカルなクラニオの場合は技術として明確に触れる順番が決まっていることもあると思うので、バイオダイナミクスはそれよりは自由度があるともいえそうです。

もっとも、開始時のハンドポジションとして頭部などの敏感な場所を選ぶことはほとんどないのと(クライアントさんがクラニオを受け慣れていたり、信頼関係が十分にある場合は別ですが)、クライアントさんによっては、特定部位に触れられることが非常に負荷が大きいこともあるのとで選択肢が最初から極めて限定されている場合も多く、その場合は「個性」は発揮しようがないとも言えます。
このように、結局はクライアントさんの状態に合わせて触れているので、うがった見方をすると、ハンドポジションを決めるにあたって術者自体は何の個性も発揮しておらず、「クライアントさんの身体の個性」に合わせているだけともいえるのかもしれません。


次に、「セッションを受けた時の体感・感触」という視点です。あくまで個人的な経験ですが、体感としては、セッションの導入部分で距離の取り方の癖など、若干個々人の差を感じることはありますが、受け始めてから十分くらいたって落ち着いた後の感触というのは、数年以上位学んだ、ある程度熟練した術者から受けた場合、だいたいどなたでも似たような感じ(そんなに個性は感じない)ではという気がします。私は達人といわれるような人や他のバイオダイナミクスの組織の術者のセッションを受けたことがないので、何とも言えない部分はありますが、基本的に劇的な感触のワークではないので、あくまで感触に関して「熟練者」と「達人」と比べた場合、その違いは意外と微妙なものではという気もします。その微妙な部分が非常に大きいのだろう、とも思いますが。

習いたての慣れていない術者から受けると、それらしきことが起きてはいるけれど、何だかしっくりこない感じはありますが、そもそもこれは熟練度等の話で、個性と違う気はします。また、バイオダイナミクスの術者として非常に高いスキルを持っていても、ワークの性質上、クライアントさんの状態によって毎回起きることが違い、上手な人がやればいつも同じ結果になるという事もないので(少なくとも何か納得感のある感覚は提供できると思いますが)、「体感」で術者の個性を語ること自体が難しい部分があるともいえそうです。

なお、少し話はずれますが、全体の傾向としてみた場合、共通してある種の静けさや深さのような「クラニオ・バイオダイナミクスらしさ」というものはあるので、「体感」に関しては、「術者個々人の個性」は薄くとも、「ワークとしてのクラニオ・バイオダイナミクス全体の個性」なら割とはっきりしているといえるかもしれません。


最後に「術者のクラニオバイオダイナミクスのスキル」という視点です。これは多分結構個性があるのだと思いますが、見た目から非常にわかりにくい部分でもあります。一応目に見えるスキルとしては、触れ方(文字通りの接触の仕方)やセッション中の姿勢がありますが、大まかな傾向としては「割と真っ直ぐなリラックスした姿勢」「負荷をかけない触れ方」なのでやはりある程度の熟練者ならば、同じハンドポジションを用いて触れた場合、見た目上はそんなに変わらないようにも見えます。
当たり前ですが、術者によって体格などが違うので、クライアントとして術者に触れられた時の印象はそれぞれ違うかもしれません。たとえば、私はそれなりに体格があって、掌も割と大きいので、後頭部などは割と大雑把に触れても全体をカバーできますが、手の小さい人はバランスなどを慎重に見極めて触れているかもしれません。これをセッションの個性というべきかは何とも言えないですが。

一方、姿勢の維持にあたってのこつや、セッション中の意識の用い方などの「外から見えない部分のスキル」はかなり個性がある気がします。同じ原理原則を学んだり、術者の安定度に関わる「プラクティショナーニュートラル」を維持するこつとして共通の知識を得てはいますが、ここには過去の経験や知識、自分の得意な意識や感覚の使い方などが出てくると思うので、最も「術者の個性」が出るのはこの部分かもしれません。
しかし、外から全く見えないのと、私自身、他の術者になにをやっているのか詳細に聞いたことがないので、どう違うのかはあまりわかりません。結構抽象的な部分で、人によっていろいろな表現をしそうなので、そもそも聞いても正確にはわからなそうな気もします。
たとえば、私の場合は姿勢の安定度の維持にあたり、中国武術の稽古経験が非常に大きなウエイトを占めていますが、これは少なくとも私の同期にはない点なので、「私のセッションの個性」といえそうです。もっとも、これも私が何か特別なことをしているというよりは、稽古の中で身に付いたものが自動的に発揮されているような部分も多く、また、前述のように、私の同期とのこの微妙なスキルの差異が、クライアントさんの受けた「感触」に「明瞭な違い」としてフィードバックされているかは謎です。


他にも視点はありそうですが、とりあえず、このようにざっと書き出してみると、セッションに術者の個性はあるともないともいえる、曖昧な内容になってきました。
ただ、あえてまとめるならば、クラニオバイオダイナミクスは術者が受け手に対して何かをするような性質のワークではなく、「自分」という「個」が前に出るワークではないので、能動的なワークに比べれば「個性」という言葉を用いるのにややそぐわないところがある、とは言えるかもしれません。

クラニオバイオダイナミクスにおいて「個性」という語を使うとしたら、前述のように、『「クライアントさんの身体のそのものの「個性」(同じ方でもセッションのたびごとに微妙に異なる)」に対し、クラニオの原理に則って術者が「個」を出さずに対応していく』とか、『ワークとして「個」を前面に出さないよう、術者が自分自身を制御するために用いるスキル(意識や姿勢維持など)の中に「個性」がある』というのが、割としっくりくる表現ではあります。
セッションの中でより適切にクライアントさんの変化に従うことができるとともに、その過程の中で自身の「個」を感じさせない割合が高いほど、クラニオ・バイオダイナミクスの術者としては熟練度が高いとも言えるかもしれません。

何だか言葉遊びのような感じになってしまいましたが、こうやって色々な角度で書いているとクラニオについて少しは私の理解が深まるかもしれないですし、特に大体的に広めようとは思わないにせよ、縁のある方がクラニオに興味を持つきっかけ位は作れるかもしれないので、今年もボチボチ書いていこうと思います。

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プロフィール
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朧 こと 今野
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自己紹介:
会社員生活の傍ら、手技セラピー「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んでいます。

「★クラニオバイオリンク集」ではここ以外のクラニオバイオ関連サイトを紹介しています。

私自身のクラニオセッション等の活動は現在休止中です。

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