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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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最近、海外のクラニオ指導者Michael.J.shea氏の「Biodynamic Craniosacral Therapy volume one」
という英語クラニオ本を買って読んでいます。幾つか前の記事にも書きましたが、昨年のクラニオアドバンス講座で、教室脇にさりげなくこの本が置いてあることに気づいて眺めてみたら面白そうだったので、アマゾンで購入してみました。

もっとも、読んでいる…といっても、解剖学などの専門用語も多く、私の微妙極まりない英語力では細かく読んでいるといつまでたっても終わりそうにないので、何となく大意を把握しながら斜め読みしているレベルなのですが、その程度の読み方でも興味深い内容があったので、今回は自分の勉強のために訳してみます。具体的には「2章 胎生学」p107-108の「成人の身体機能は胎児期にすでに働いている」とある部分の訳です。

なお、このパートも辞書を引きつつまともに訳しようとしたのですが、やはり胎生学の専門的な内容が入ってくるだけに私には難易度が高く、2行くらい意味が良く判らず飛ばしたりと甚だ適当な訳なので、内容は一部間違っているかもしれないが、おおよそこのような内容なのだろう、という程度に考えてください。以下、その適当翻訳部です。

■<本文1>
成人の身体に現れているあらゆる身体機能は胎児期初期から存在しています。成人のあらゆる身体機能はこの時期に、(成人時の働きの前段階的な)働きをしていると言い換えることもできます。
肺呼吸が良い例です。胚子は受精の際、ブレッヒシュミッド博士が「吸引のフィールド(suction field)」と呼ぶ動きをし始めます。インハレーションやエクスハレーションといった形で現れる相互張力体液運動も胚子の液の構造に見ることができます。ブレッヒシュミッド博士はこれを肺機能の前兆とまとめています。後に胚子の発達が進むと、「吸引のフィールド(suction field)」に似た働きの変容により、胸部の空洞にある原始前腸内部の、肺のもとになるフィールドから肺胞が発生します。

<アバウトな補足1>
「胚子」は発生初期の胎児のことです。また、ブレッヒシュミッド博士というのは胎生学の先生です。氏に関する日本語の書籍が(多分)存在しないのと、私の胎生学に関する知識不足から、いまいち凄さが把握できていないのですが、この文で言われている「機能が構造に先んじる」という主張はとても画期的な内容なのだと思います。
なお、インハレーションとエクスハレーションというのは1次呼吸のリズムのことです。ここでは胚子の初期段階から、これらの液の動きという形で1次呼吸の働きが見られるとあります。

また、このパートの肺の例では、胎児の肺が物理的に存在する前に(肺ができてから肺呼吸をし始めるのではなく)、呼吸の原型的な機能と思われる「suction fieldに似た働き」が既に存在していて、その働き自体が後に肺そのものを形成する動力になる…ということを言っているのだと思います。
ちなみに肺の話なのに「腸」という名称が出てくるのは、胚子の内胚葉という部位から初期に「腸管」という管ができ、基本的に肺を含む内臓はこの管が複雑に折りたたまれる中で作られていくためです。

■<本文2>
別の例としては、胚子の表層における血流の循環があります。血液は心臓が現れる前に、胚子表層に正確に形成されます。心臓ができる前段階では、血液はそれ自身の力によって胚子表層で循環しており、やがて、胚子の中心部に(心臓という)つながりを作り出します。(この時点で)下肢の(筋肉の圧縮による)毛細血管の血液循環などはできないため、成人の血液循環は胚子の時期からこのような前段階的な形で働き始めていると考えられます。

<アバウトな補足2>
この部分は心臓と血流についての話ですが、ここも肺と同じく、心臓ができてから血液循環が始まるのではなくて、血液の循環という機能が胚子の中心部に集約されて心臓という構造を作り出す、という内容が書いてあるようです。心臓の原型ができるのも確か受精後4週間くらいなので、このパートとあわせて、もっとも重要な臓器の1つというイメージがある心臓も実はできるまで案外時間がかかることがうかがえます。

■<本文3>
また、体液の自動性(motility)は組織の可動性(mobility)に先んじて存在します。構造に先んじて機能が存在していると言い換えることもできます。「先んじて」というのは、単に時間的に先に存在するという意味ではありません。機能と構造の間には階層的な関係(機能>構造)が存在します。機能と構造はいずれも「機能」の表現ということができ、編成の原理や機能のフィールドは(構造そのものより)上位の概念です。
このように考えると、胚の発生における「鶏が先か卵が先か(機能と構造のどちらが先か)」という問題は解決します。胚子は機能としての形と、生物学的挙動としての形、両方を表現していると考えられます。

<ブログ主によるアバウトな補足3>
我ながら分かりづらい訳ですが、アバウトな解説1,2にあるように、胎児期の器官の生成にあたっては、動き(機能)が先にあって、それが器官(構造)を作る動力やガイドラインになっているようだ、というまとめだと思います。
ちなみに、冒頭の自動性(motility)というのは、ある臓器などが自らの内側からの働きで自律的に動く性質(自律的と言っても、内側の何らかの働きに動かされているという意味では他律的ですが)、可動性(mobility)というのは、隣接する他の部位等の動きによって臓器や骨格などが動かされている性質といった感じです。


翻訳部は以上です。1ページ程度の分量なのですが、まともに訳そうとしたら結構苦戦しました。それはともかく、このパートを取り上げてみようと思ったのは、一般的な思い込みを覆すようなブレッヒシュミッド博士の説の面白さもありますが、その説がクラニオや1次呼吸について深く理解するヒントになりそうな気がしたというのが大きいです。
著者のShea氏は、「クラニオバイオダイナミクスの発展に胎生学とソマテックエクスペリエンスは重要な影響を果たしている」と、この本の別の部分で書かれているのですが、「胎生学の重要な影響」という部分がこのパートにある程度集約されて表現されているように感じました。

私はクラニオにとって重要な「1次呼吸」について、「脳脊髄液をリズミカルに動かしている人体のリズム」とか「胎児期から続く、人体を編成するリズミカルな働き」といった説明をしてきましたが、人によってはイメージが難しいようだったり、自分で説明していてなんですが、「編成の働き」といっても具体的な姿がどうも自分でも釈然としない部分があったので、このパートを読んで、多少納得感が増した感じはあります。
クラニオ基礎講座でも、このパートのその1にあったように、受精後既に受精卵内に1次呼吸らしき液のリズミカルな動きが生じている(そして、それが胚子の成長に影響を与えているらしい)という説明を受けましたが、それは、suction fieldという概念を提示していたり、「機能は構造に先んじて存在し、機能が構造を形作る」というブレッヒシュミッド博士の胎生学を参考にしつつ、いまいちつかみどころのない部分がある1次呼吸の具体的な姿を明らかにしようとしてきたのかもしれないなと、このパートを読んで思いました。

もっとも、このパートでは心臓を形成するのは血流(の原型のような働き)、肺を形成するのはsuction fieldに似た働きとあり、文脈からするとこれらの働き自体は1次呼吸と関係はあるかもしれないにせよ、1次呼吸そのもの…というわけでもなさそうです。そのため、ブレッヒシュミッド博士の説が正しいとして、(私は胎生学のスタンダードや最新情報を把握できていないので、「正しい」とは断言できませんが、実際の人体の臓器発生の順番は人間なら誰しも同じだと思うので、一定の説得力がある説なのだろうとは思います。)「1次呼吸」はここでいう「機能」の最たるものと言えますが、結局のところ、1次呼吸の「機能」によって「何が」形成されているのか、あるいは、1次呼吸が具体的に胚子の形成過程において、具体的にどんな役割を果たしているのかは、個人的にまだあいまい感があり、もう少し理解(あるいは復習)が必要と感じられるところです。

まあ、個人的に1次呼吸に関してもまだ理解不十分な点は多いですが、いつもお世話になっている自分の身体そのものからして、かなり謎が多く不思議な存在であることが、このパートの心臓や肺の発生の説明を読んでより実感できた気はします。

<参考文献>
Michael.J.Shea (2007)「Biodynamic Craniosacral Therapy volume one」 North Atlantic Books
 ※このシリーズは現在vol.5まであります。1冊数百ページありますが、全部読んだらとても
  クラニオ分野で物知りになれそうです。ただ、検索したら暫く前にはあった著者のスクール
  のサイトがなくなっているようなので、何かあったのか少し気になります…。

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