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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」そのものの発展の歴史について前から気になっていたのですが、それに関して参考になりそうなページを見つけたのでまとめてみます。


これまで何度も書いてきたように、「クラニオセイクラルワーク(クラニオ)」は20世紀初頭~半ばごろに米国のオステオパス・サザーランド博士によってまとめあげられたボディワークです。
これまで日本語訳されているクラニオ本や先生から聞いた情報から分かるのは、クラニオのうち、私が学ぶ「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」はサザーランド博士が晩年に語ったという「ブレスオブライフ」の概念や人体の液のシステムに働きかける原理をもとに発展してきたワークという点のみで、それがどのように広まったのかについては個人的にはかなり曖昧でした。
サザーランド博士の没後、訓練を積んだオステオパスにのみ伝えられてきたクラニオを一般に広めたのは、オステオパスのアプレジャー氏とされていますが、アプレジャー氏が広めたのはバイオダイナミクスとセッション方針が異なる「メカニカルなクラニオ」で、一方の「バイオダイナミックなクラニオ」がどのように広まったのかの情報はどう探してよいのか、今一つ分からなかったので、この件は、気にはなっていたもののずっと放置していました。


今回、先の記事でフランクリン・シルズ氏が「ミッドタイド」の命名者と知ったことを機に、同氏がクラニオ・バイオダイナミクスを巡るキーパーソンであることが理解できてきたので、氏のプロフィールについて書いてあるページを探していたら、以下のページを発見し、クラニオ・バイオダイナミクスの発展についてもある程度の情報が手に入りました。

○シルズ氏の略歴(とクラニオ・バイオダイナミクスの発展 英語です)
http://www.craniosacral-biodynamics.org/history2.html

大雑把にまとめると、イギリス在住のシルズ氏はもともとポラリティセラピーというワークを1970年代に学んでいたが、ポラリティセラピーがサザーランド博士の思想に影響を受けているワークと知ってクラニオに興味を持ち、イギリスでオステオパスとしてのトレーニングを受け、「クラニアルワークを行っていたあるオステオパス(サザーランド博士ゆかりの方なのだろうと想像していますが、不明です)」に出会って影響を受けつつ研究を深める中で、サザーランド博士が提唱する原理との共通点を見出してまとめたものが、氏が提唱する「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」の原型にあたるようです。

その後、シルズ氏は1980年代半ばに他のオステオパスの勧めを受けてクラニオの教授を開始。当初はメカニカルなクラニオとバイオダイナミックなクラニオの両方を教えていたが、やがてバイオダイナミックなクラニオの教授のみに注力し、長年の試行錯誤を経ながらワークを発展させ、世界中の多くの人にバイオダイナミックなクラニオを教えたり影響を与えるに至る、というのがだいたいのあらましのようです。先のページの4ページ目には関係者(活躍している生徒?)として私の先生の名前も出ています。また、日本語訳されているクラニオ本「ウィズダム イン ザ ボディ」の著者Kern氏や、先日紹介したクラニオ本の著者Shea氏の名前も3ページ目に見られます。


上記から推測すると、オステオパシーを体系的に学んだ経験や「クラニアルワークを行うあるオステオパス」の出会いはあるにせよ、シルズ氏が誰かにまとまった体系としての「バイオダイナミクス」を習って、それをそのまま伝えてきた、というわけでもなさそうです。自らがオステオパシーで学んだ内容や臨床経験をもとにしつつ、自らが率いる団体「カルナ・インスティテュート」のスタッフなど多くの協力者とともに、サザーランド博士やベッカー博士の言葉などと照らし合わせながら、少しずつ発展させてきた流れが「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」なのかもしれません。

これまで、個人的にシルズ氏は有名なクラニオ・バイオダイナミクスのプラクティショナーだとしか思っていませんでしたが、この記述から判断するに、あまり知られていなかったバイオダイナミックなクラニオを研究・再構成し、世界に広めた功労者といえそうです。
そもそも、私が持っている民間資格(というか称号的なもの)「BCST」も、シルズ氏が中心になって編成した「IABT(The International Affiliation of Biodynamic Trainings)」という連盟に加盟しているクラニオトレーニング団体の教程卒業生に対して発行されるものなので、私自身もシルズ氏の活動の恩恵にあずかっている立場といえますね。

○IABT(とBCSTの説明)
http://biodynamic-craniosacral.org/bcst/


ここまでの情報で流れが説明できるならば、クラニオ・バイオダイナミクスのルーツについて探し回ったり考え込むこともないのですが、状況はそう単純ではなく、クラニオ・バイオダイナミクス発展の功労者としてよく名前が出てくる「ジム・ジェラス氏」の名前がシルズ氏のサイトにはありません。そこで、ジェラス氏の略歴も調べてみると、以下のサイトが見つかりました。

○ジェラス氏の略歴(英語)
http://www.biodynamische-osteopathie.com/English-Version/teacher.html

こちらは、まさにクラニオ創始者の伝統を受け継ぐ重厚な経歴という印象です。サザーランド博士の直弟子で、バイオダイナミクスに通じた術者として有名なベッカー博士から直接学んだほか、ジェラス氏の兄弟がサザーランド博士が晩年に暮らした場所の近所に住んでいたことから、サザーランド博士の晩年を共に過ごしたお弟子さんと縁ができたり、長年サザーランド博士と研究を続けてきた先生など、サザーランド博士と縁のあった多くの先生から直接学び、ご本人もオステオパシー大学の指導者として高い評価を受けている、という、まさに正統派です。おそらく非常にいろいろな試行錯誤をされたであろうシルズ氏と比べると非常に安定感のある経歴と言えます。

ジェラス氏が多くの先生から受け継いだものをアメリカのご自身の学校等で伝えている内容が、世界的に有名なもうひとつの「バイオダイナミクス」の流れといえそうです。もっともこちらはサイトの題名からして「バイオダイナミック・オステオパシー」というのが正式名称のようで、「クラニオ」という名のワークというより、オステオパシーとしての側面もかなり強そうなので、関係者の方が「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」と一緒にされることを歓迎するかはわかりませんが。


このほかにも、サザーランド博士の直弟子の方から直接バイオダイナミックなクラニオワークを学んだ方や、誰かに体系的にメカニカルなクラニオやオステオパシーを学んだのち、独自に研究してきた方がいると思うので、当然ながら「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んだ方は、シルズ氏とジェラス氏に直接つらなる人のみではないと思います。たとえば、日本語訳されているクラニオ本「スティルネス」の著者のRidley氏は同書のプロフィールを見る限りは、どちらかのルートからも学んでいないようにも見えます(サザーランド博士の直弟子の一人をはじめとする多くの方に学んだようです)。

このように、クラニオバイオダイナミクスにも実際は色々な団体があり、「バイオダイナミック・クラニオセイクラル・セラピー」など、団体によってワーク名が微妙に違うこともありますが、基本的に「バイオダイナミックアプローチを行うクラニオ」の有名な勢力で、同アプローチの発展に特に大きな影響を与えたのは、シルズ氏とジェラス氏の2つの勢力のようだ、と今回の調査で概ね理解できた気がします。(ただし、あくまで先に紹介したサイトの情報からの判断なので、確信があるわけではありません。私が勘違いしている点が多々ある可能性がある点はご了承ください。)
これまで「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」はなんとなくサザーランド博士から1つのルートで直線的に伝わってきたような曖昧な印象を持っていましたが、少なくとも、発展と普及にあたってはこの2つかそれ以上の流れがあった、と考えると多少わかりやすい気はしてきました。


さて、大雑把に2大勢力があると仮定した場合、単純な好奇心として、そのワークの共通点と違いには純粋に興味が涌きます。シルズ氏も探求の過程においてジェラス氏と接触したことがあるのかもしれないので、両者の関係やワークとしての違いは現時点では私にはわかりませんが、ワークの基本原理そのものは同じであるにせよ、解釈の仕方やセッションのコンセプトなどの違いはあるのでは、と想像しています。
個人的には、プロのオステオパス仕様、解剖学ベース・治療寄りなのがジェラス氏の系統で、専門職でなくても学びやすく、西洋神秘学等の思想も含んでいるのがシルズ氏の系統なのでは、と想像しているのですが、単純にこの2派にわけて良いものなのかもよく判らず、仮にこの2派に分けられるとしても、両派のワークの実物を比較する機会がないので何とも言えません。なお、上記の違い(想像)はあくまでわかりやすくやや極端に書いたもので、「どちらかというと」という程度の違いと想像しています。

ジェラス氏に学び、同氏に信頼を寄せられているというトム・シェイバー氏の講座は日本でもしばしば開催されていると聞くので、その講座に出る機会があれば、ジェラス氏のコンセプトが若干見えてくるのかもしれないな、とも思います。私の先生の旦那さんも現在オステオパスとしてジェラス氏に学んでいるとのことなので、そちらのルートから何か伝わってくる可能性にも期待したいところです。ほぼすべて同じという可能性もありますが。

私がジェラス氏の講演を7,8年前くらいに聞いた時にこの辺りの事情が良く理解できていればシルズ氏の流れとのちょっとしたコンセプトの違いなどが肌でわかったかもしれませんが、当時の私はクラニオってなんだというレベルだったので仕方ないところです。(現在、記憶と照らし合わせる限りは、テクニックレベルはともかく、少なくとも話された内容に関してはほとんど私が学んだ内容と同じという印象ではあります。)クラニオバイオダイナミクスの発展ルートやバイオダイナミックなクラニオ各派の違い等について更なる情報が見つかるかは不明ですが、個人的にまだいまひとつ納得しきれていない部分もあるので、今後もテーマにしていこうと思います。


◆<後日追記>
色々考える所はありますが、上記のリンク先の文などを見る限り、方針や伝わっている技術の差はあるかもしれないにせよ、両派いずれも根本に据えている原理はサザーランド博士やベッカー博士のものである以上、ベースはほとんど同じなのではないか、となんとなく思っています。サザーランド博士の晩年の教えにどのように向き合うかの違いなのかもしれません。
サザーランド博士も晩年にバイオダイナミックなクラニオという選択肢は見出したものの、後進にいくつかの言葉や原理を残したのみで、メカニカルなクラニオに比べると、生前には十分に体系化できなかったのではないか、とも何となく思います。なので、上ではジェラス氏がそのまま教えを伝えているような書き方をしてしまいましたが、シルズ氏にしろジェラス氏にしろ、時間をかけて、それぞれのバイオダイナミックアプローチを体系化してきたという点は共通なのかもしれません。

また、上ではジェラス氏とシルズ氏の2つの流れをやや大雑把に対比させてしまいましたが、上記はあくまでWEBから拾ってきた情報から私が推測したもので、事実とは異なる可能性があります。実際に両方の系統を学んだわけでもなく、憶測の域を出ない以上、興味関心以上の目的で両者の違いをあら探ししたり、ましてや両者の優劣を論じることにあまり意味はなく、どちらの流れにもそれぞれ良い点があるのだろうと思います。
そもそも、両者とも十分な経験を積み、実力もあるからこそ世界で認められてきた、という前提は当然ながらあると思います。どんな技術でもそうですが、結局はだれに習って、どこに所属しているか、ではなくて(色々な方にセッションを行うことを想定しているならば、前提としてある程度しっかりしたトレーニングを受けることはほぼ必須だとは思いますが)、最終的には「その人自身」ということになるのでしょう。


そんなこんなで、少々怠けがちなこのブログではありますが、これが今年最後の記事となりそうです。
私自身に関しては、今年は伊豆のクラニオイベントも無事完遂でき、アドバンスコースに出てセッション展開について納得感が深まったり、この記事のように、クラニオ・バイオダイナミクス絡みの英語情報も少しは調べてみようという気も出てきたりしたので、会社員兼の活動としてはまあまあ頑張ったかなというところです。ちなみに、来年もどうも伊豆イベントはあるようなので、クラニオの出番があるかは不明ですが、もし出番があるならまた協力していきたいところです。
それでは皆様良いお年を。

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朧 こと 今野
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会社員生活の傍ら、ICSBという団体の教程で手技セラピー「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んでいます。

「★クラニオバイオリンク集」ではここ以外のクラニオバイオ関連サイトを紹介しています。

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