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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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アーノルド・ミンデル氏の「昏睡状態の人と対話する」(藤見幸雄・伊藤雄二郎訳、NHKブックス、2002)という本を読みました。ミンデル氏は「プロセスワーク」というユング心理学派生のワークを創始された方ですね。私も数回ワークショップに出たことがありますが、ユング心理学派生といっても、身体をつかうアプローチが主で、しかも色々な種類があって(大きな集団を扱うようなものまであります)、なかなか興味深いものがあります。


とまあ、プロセスワーク自体については書籍がたくさん出ていることもあるし、ここでは置いておくとして、この本を読んで興味深かったのは「昏睡状態」を、人がただ苦しんでいる状態であるとか、何も感じていない状態とみなすのではなくて、沈黙の中で人が「次なる変化に向けての準備」をしている状態と捉えていることです(私の理解なので、違うかもしれませんが)。
どうやら、昏睡状態の中でも人は夢やイメージの世界の中で色々な体験をするらしいのです。また、昏睡状態の人がうなったりしているのも、夢の中で独り言を言っているようなもので、身体が苦しいからとも限らないようです。それは、死という大きな変化を受け入れるための準備であったり、新しい目をもってもう一度この世界を生きるための準備(昏睡状態から目覚めた後、新たな日常生活を送る人もいる)であったりするのでしょう。

プロセスワークはこの昏睡状態の人が無意識に行っていると思われる「次なる変化への準備」をプロセスワークのいち技法(コーマワークという)で助けるそうですが、人のあらゆる状態を意義あるものとして尊重しようとするその心意気には非常に共感するところがあります。こん睡状態を「その人にとってとても重要な体験」であるとみなし、意識がない目の前の人を、ものいわぬ肉体ではなく、一人の人として尊重しようという態度というところでしょうか。


このような態度は、生命とか健康といったものをどのように考えるか、という問いにつながるようにも思います。これに対する考えは人や立場によって様々であり、唯一無二の答えはないと思いますが、例えば、「健康診断の数値が良くて、医学的に無病であることのみが「健康」なのか」や「全身の骨格にまったくゆがみのない状態や、解剖学的にシンメトリーな身体状態が「正常」なのか」という問いにしばし考え込んでみたりすることは可能なのではないかと思います。少なくとも、数値を健康のバロメータとみなす考えや、「測定」し難い健全さのような概念も別にあるんだと言い張る考えとか、「色々な考え」が共存できる余地はあるのではないか、と思います。

病気でまさに死の淵に瀕している昏睡状態の人も、それを通じて「その人にとって人生の仕上げとして必要な事」を行っているだけなのだとしたら、それはある意味「正常な状態」であって、その状態を「不健康」という言葉でのみ片付けられないようにも思います。ことがそこに至ったらば、表面的な症状を消そうとすることが最善なのかも良く分かりません。かえってそれが本人の旅立ちの邪魔になるかもしれないし、そうでないかもしれない。いろいろな考えができます。


「風邪は疲労した身体の調整作用である」とみなす野口整体の考えもあるように、病や痛み、昏睡といった、一般に「よくない」とされる状態にも、場合によっては、ある人がその経験を通じて向かい合う何らかの意味があるのかもしれません。もちろん、全ての病気や痛みがそうだと言い切るつもりはありませんが。

クラニオもまた、「表面的な症状や痛みを止める」「病気を治す」ではなく、このプロセスワークのように、目の前の人に丁寧に向かい合うことで「何かを助ける」というような役割をすることができ、そこに大きな意義があるのではないか、と思っています。昨年、私は末期がんの方のセッションを数回させていただいたのですが(もちろん、無謀にも末期がんの症状を手わざで止めてやろうというのではなくて、依頼主さんの「何か楽になるのではないかと思って」という意向を受けてのセッションです)、このときに考えさせられたことや体験したことが、少しこの本によって深まったような気もしているのでした。

拍手[4回]

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最近そこそこ忙しく、あまりこのブログを書く時間がありませんでした。状況は一段落したようなので、またぼちぼち書こうかなと。で、自分で設定した次のお題は「クラニオ(クラニオ・バイオダイナミクス)は上達するとどんな風に変わっていくか」らしい。我ながら書くのがめんどくさそうなお題を考えてくれたものです。

実際、なかなか答えるのが大変です。そもそも、私自身が「上達している」と語れるほどクラニオをやりこんだわけではないので、本当の熟練者がどうなっているのかは良く分かりません。ただ、私が学んだスイスの先生がふと口にした「ただ座る(すると必要な事は起こっていく)」という表現にその一端が表れている気もします。


要するに、クラニオの上達のひとつの結果とは「余計な事をしなくなっていく」ということなのではないかと。これは手を抜くといったことではなくて、「絶対的に必要最低限の事だけを行う」「それは行おうとするまでもなく、半ば自動で行われる」といった意味とも考えられます。

これまで語ってきたように自分が「相手に向かって何かしよう」とすればするほど、相手の方の身体におきるプロセスを阻害することになる、というのがクラニオの考えなわけです(あくまでクラニオではそう考えているというだけです)。しかし、それをしなくても、やる人はああだこうだと自分の姿勢の正確さについて思い煩ってみたり、ぼんやりしたりするわけです。そして、そういったやる側の「あり方」が受ける側のプロセスを阻害することもあるようなのです。

それでまあ、私程度の段階だと自分の身体の意識を置く場所を工夫したり、姿勢を時々確認して意識が散らないようにするわけですが、多分これもかなり当初より「余計な動作」は減っているが、それでもなお「余計なこと」は色々しているんだろうと思われます。
しかし、上達すると、多分そこらの「自分を整える最短の過程」自体を身体自体が覚えていて、相手の前に座っただけで既に「相手の方に対するための最適セットアップ」が完了している感じになるのでは、と想像しています。そして、「ただ座ればすでに準備完了しており、あとはそれを状況に対応しながら維持するだけ」、という事になるんではないかと。


とはいえ、「自動でやってくれる段階」が上位だからといって、クラニオ初心者がただぼんやり座っていたら、自分が眠ってしまってセッションにならないのも確かと思われます。結局のところ、基本として教わったことをきっちり守ったり、それをもとにああだこうだと工夫したりする段階を経なければ、上位者の境地と思われる「自分そのものが技」みたいになるプロセスには至らないのだろうと思います。

これは多分身体の技芸・技法に関してはほぼ共通なんだろうと思っています。たとえば、古流剣術などで、いきなり「奥伝」の型をやろうとしたところで、それ以前の段階の学びをきっちり完了し、技を繰り出すに適した身体ができており、その流派の戦術や世界観を十分理解していなければ、上位の形だけ覚えても意味がないというのと似ているかもしれないですね。結局のところ、1日2日で身につくものはただの形だけで、それが「技」「術」とよべるほどのものに至るには、相応の時間がかかるものなのでしょうね。

拍手[3回]

<このイベントは終了しました。参加頂いた皆様、ありがとうございました。>

ごく小規模ですが、7月にクラニオセイクラル・バイオダイナミクス(以下クラニオ)の体験会を開催します。疲労やストレスの軽減などのお役に立てれば幸いです。ちなみに、「夏の体験会」などと夏とクラニオに深い関わりがあるかのような意味深な題名となっておりますが、特に深い意味はありません…。

◆募集要項
 ○実施の日にち:2011年7月16日(土)

 ○募集人数:3名(締め切りました)

 ○セッション対応可能時間帯(以下1枠につき1名)
  ①1300~1500:★ご予約済み
  ②1500~1700:
  ③1700~1900:★ご予約済み
 ※クラニオのセッションは約1時間かかります。
  雑談の時間や遅れた場合の予備時間など含め1名につき2時間取っています。

 ○料金:3000円 (原則。事情によっては割引にも応じます)

 ○実施場所:都営三田線白山駅から徒歩数分のセッションルーム
 ※白山駅の南側改札口で待ち合わせして一緒に現地に向かいます。

◆申し込み方法
 ○ツイッターやmixiへのダイレクトメール、
  もしくは以下のアドレスへのお申し込みください。
 tk77wind★(@に変えてください)gmail.com
  私と交流がある方は私のその他の連絡先や口頭での申し込みでも可です。

 ※私のmixiページ⇒こちら
 ※私のツイッターページ⇒こちら

 ○申し込みにあたっては以下をお知らせください。
 ・名前(ニックネームでもOK)
 ・希望時間帯(上記の「セッション対応可能時間帯」参照)
 ※私とやりとりをしたことがない方は以下も書いて頂けるとありがたいです。
 ・緊急連絡先(記入任意。携帯アドレスなど)
 ・簡単なプロフィールやご希望など(記入任意)

 ○申し込みは基本的に先着順です。
  申し込んで頂いた方に詳細をお知らせします。
  過去、私から受けたことがあるかたも遠慮なくどうぞ。

 ○募集期限は7/10(日)まで。もしくは上記枠が埋まるまで。


◆クラニオセイクラル・バイオダイナミクスの簡単な説明
<概要>
 人体の深層に存在する微細な動き「1次呼吸」に主に注意を向けることで、
 身体が今できる範囲で整う(楽になる)ことを支援する技法です。
 起こることは受ける方の状態によって毎回異なりますが、先人によると
 主に自律神経系のバランス調整、代謝の促進、ホルモンバランスの調整
 などに効果があるとされています。大雑把に言えば、一般的な整体技法が
 身体の一部分に何らかの負荷を与えた結果、「部分」が主に調うのに対し、
 クラニオは身体に負荷をかけずに「身体全体のバランス」が少しずつ整うのを
 結果的に助けるというところです。また、筋肉や骨格などの身体の外側より、
 体液や細かな膜組織など、からだの内側の変化を感じやすいです。

<受けられる方>
 ほぼどなたでも受けられます。強いて言えば、最近なんとなく落ち着かない、
 いまいち眠れない、何となく疲れているといった方、もしくは、体調に何ら問題は
 感じないが身体に変わった体験をさせてみたい方、ひと味違う昼寝がしてみたい方などに
 やや向いているかと思われます。

 ただし、重度の精神疾患や脳の深刻な疾患を抱えていたり(神経系統の
 バランス調整が行われることがあり、結果、思わぬ反応が起きることがあるため)、
 事故の直後など、状態が安定していない方は受けられないことがあります。
 受けられるか微妙な場合はご相談下さい。

<セッションで行うこと>
 受ける方には着衣のままベッドに横になって頂き、術者が静かに肩や
 頭部、足などに触れます(触れられて抵抗がある場所には触れません)。
 骨を動かしたり、揉んだりといった目に見える動きはしないので、
 沈黙のまま時間が過ぎ、受ける方は眠くなるか眠ってしまうことが多いです。
 身体がひととおり今できる範囲で調整を終えたと感じた時点で終了します。

◆その他
・私(今野。ニックネームは朧)のクラニオ歴
 クラニオ歴は約5年。
 ICSB(インターナショナル クラニオセイクラル バランシング協会)
 ベーシック教程セミナー6修了。現在はまだ正式に協会公認のプラクティショナー(施術者)
 の資格は頂いていませんが、今年の秋に本部への論文提出を控えているだけで、
 実技研修は全て修了しています。

・当セッションは医療行為ではありません。
 当技法はリラクゼーションの類であり、骨格矯正などを目的としたものではありません。
 セッション後の体感には個人差があります。


 今回は日程があわないが受けてみたい、といったご意見がある場合は、
 別日程での個別セッション実施(対応可能なのは基本的に土日祝となります)
 にも対応しますので、お気軽にご相談ください。

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◆友人の骨盤シリーズのブログ
私と同じ教程でクラニオを学んでいる友人のブログを紹介します。友人は沖縄でソフトな整体院を開いています。季節や人生の節目における骨盤の変化についての記事ですが、とても分かりやすく、興味深い内容です。私も大変勉強になりました。

○骨盤の開閉と梅雨時の骨盤
http://sorappa.ti-da.net/e3360710.html

○骨盤の開閉と「生理痛」
http://sorappa.ti-da.net/e3361741.html

○骨盤の開閉と「更年期」
http://sorappa.ti-da.net/e3364379.html

◆身体は動き続けている
ここでは「骨盤」がテーマになっていますが、骨盤以外の骨や器官などにもリズミカルな動きはあるようです。これらの骨盤やそれぞれの臓器は独立して勝手に動いているわけではなく、いずれも「身体の深層のリズム(クラニオでいう「1次呼吸」もそのひとつと思います)」によって「動かされている」ようです。つまり、身体は殊更に何もしなくても、独自のリズムに従うように刻々と動き続け、変化しつづけているといえます。
例えば、「満ちる-引く」という波のような働きが身体の深層にあるとして、他ならぬその動きに従うように、身体や骨格は「のびる-ちぢむ」とか、「開く-閉じる」「ゆるむ-締まる」といった形でリアルタイムに動いているということです。クラニオセッションでは、身体の表面の動きではなく、それらを動かしている(と思われる)身体のリズムそのものに目を向けることで、「身体の全体がなんとなく整う」ことをおおよそ期待しているというところでしょう。
他に月の満ち欠けなどの天体の状態や天候なども人体のリズムに影響を与えているようですが、人体のリズム自体はそれ自体が独立して発生しているようであり、また、それが何故発生しているのかは「どうやら勝手に発生しているらしい」としかいいようもないようです。

◆さまざまなリズム
これまでの記事でも述べてきたように、クラニオでは「1次呼吸」を、1周期(満ちる-引く)1分程度の動きのリズム(ミッドタイド)、1周期数分程度のリズム(ロングタイド)として理解できるよう学び、その状態を把握しながらセッションを行っています。
これらも微細でゆっくりとした動きですが、友人の記事から思ったのは、おそらく、人の身体にはそれよりももっとゆっくりとした「1周期1ヶ月」や「1周期1季節」あるいは、「1周期10年」なんて単位のリズムもあって、それが様々に肉体に影響を与えているんだろうなあ、ということです。もしかすると「一生」もまたひとつのリズムなのかも知れません。

そして、それぞれのリズムは、よりゆっくりしたリズムと隣り合うように存在しており、また、相互に関係し合っているのではないか、とも思います。例えば、1ヶ月1周期のリズムは数分1周期のリズムに影響を与え、その影響は1分1周期のリズムに、1分1周期のリズムは人体そのもののリズミカルな動きに影響を与えている…といった具合に。ゆえに、安定した1周期1分のリズムは、巡り巡って1周期10年のリズムにも何らかの良い影響を与える、ということもあるのかもしれません(あくまで私の思いつきですが)。
まあ、実際どうなのかは不明ですが、人はこういったリズムによって生かされている部分があり、そのリズムに沿うように動ければ色々スムースだったり、自分の体験をより豊かに受け取ることができたりするかも知れないとは思います。

◆他の色々な分野でも登場
そういえば、野口整体の本にも、人体には何ヶ月、何年周期かの複数のバイオリズムが存在することや、人体のみならず色々な物事(例えば株の動きなど)にもバイオリズムがあると書かれていたことを、これを書いていて思い出しました。
また、中国伝来の概念に陰陽というものもありますが、これも陰から陽へと揺れ動く状態を示した、バイオリズムのひとつの表現とも考えられます。こういったバイオリズムについては私も分からないことばかりですが、友人の記事を読んでいて、どうも非常に重要なことなんじゃないか、という思いを新たにしたので、長い目でじっくり理解していきたいものと感じました。

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◆病院でのセッション
GW前のことですが、入院中の友人(今は元気になって本拠地に帰っていきました)にクラニオをやったことがありました。なかなか好評だったこともあり、この体験で、病院医療とクラニオは連携できる余地があるかもしれない、という少しばかりの自信を得ました。

以前も書いたと思いますが、基本的に病院などで用いられる西洋医療(以下、病院医療)と、クラニオ(バイオダイナミクス)のようなゆるい感じのボディワークやセラピーの類は、方法論だけでなく、基本となる世界観も、セッションの目的自体も異なるものであり、両者を同じ視線や基準で見ようとする限りは、理解が難しい物と思います。逆に、全く別の技法体系だからこそ、補い合える余地があるのではないか、というのが今回感じた個人的な思いです。漢方と西洋薬が共存できているようなもので。

◆症状を消すのではなく
病院でクラニオセッションをした時、友人はある臓器の摘出手術を受けたあとでした。つまり、この場でクラニオは「症状を止める」「病をなくす」ために行われたわけではありません。それはもう病院がやってくれているので、こちらの出番はありませんし、クラニオは普段もそういう「症状への直接的な対処」はしません。
では、病院でクラニオは友人の何の役に立ったのか、というと、それは「手術という体験で大きく変化した身体に新たなバランスと活力を取り戻す手助けをすること」といえるかと思います。若干文学的な表現だと「手術で少し混乱している自分の新たな身体を受け入れ、ともに歩んでいく準備を助けること」とも言い換えられるかも知れません。要は「手術後のアフターケア」です。もっとも、やる時は、アフターケアのためだとか、あまり難しいことは考えていませんが。

手術は手っ取り早く効率的に身体の問題を解決できますが、身体の各部はお互い何がしかの影響を与え合っているため、手術でひとつの臓器がなくなっただけでも、実際はその影響は全身に及ぶ可能性があります。人によっては症状が消えて退院できても、別の不安を感じたり、新たな身体に馴染むのにかなりの時間がかかる可能性もあるかもしれません(もちろん、術後に何の問題もない場合が大半だとは思います)。クラニオやゆるいボディワークはそこにうまくサポートを入れられるのでは、と思うわけです。


病院医療がすばやく症状をとり除いたり、とりあえず痛みをなくしたりすることを得意とするならば、クラニオはその人の身体に無理のない限りにおいてバランスや落ち着きを取り戻す手助けができる可能性があると思います。強い刺激も与えなければ、何かの症状を消そうとしているわけでもないので(医療行為と別のことをしているので)、ほとんどの人(「全ての人」ではないです)に対してもできる点もメリットです。

クラニオが重視するのは常に身体全体に影響を及ぼしている「1次呼吸」という身体の深層の微細な動きであり、その働きは身体がどんな状況でも消えることはない(とされている)からです。痛みがあっても、病気であっても、死の床にあっても、人にはそういった側面とはまた別の(1次呼吸という)「健全さ」を持っている、ということです。
これまでの記事でも書いているように、「からだがバランスを取る」というのは比喩ではなく、(触れている感触から推測する限り)実際に骨や筋肉、体液の流れ方など、病気の有無や状況に関わらず、身体はセッションを経て何がしかの変化をすることが大半です。

◆病院医療にしかできないこと
一方、クラニオ(他のボディワークもそうだと思いますが)は大事故にあった人や発作を起こして倒れた人への対応など、緊急性が必要な状況には向いていません。病院医療とクラニオは使うのに適した場面が違うのだから当然です。
クラニオは、ある程度状態が落ち着いた人にしかできない技術でもあるわけで、「医療を代替」なんてことはそもそもできないわけです。クラニオセッションの結果、体調が良くなったりするのは、セッションを通じてバランスや活力を取り戻した身体が、自分で自分を整えた「結果」ということで、やっていること自体が違うわけです。

そもそも、普通に考えて、クラニオの技法だけでは、手術前の友人の負担をある程度軽減はできたかもしれませんが、それだけで症状に対応することは難しかっただろうと思います。絶対不可能かは分かりませんが、少なくとも、最善の手段を真面目に考えるならば、病院医療に頼るのが自然、という状況だったと思います。
大事故にあって重症を負った人を高確率で助けられるのも、病院の外科手術だけでしょう。ボディワークや鍛え抜かれた身体の回復力だけではなんともならない状況が時にあるものです。

◆協力できる余地はありそうな気も
そんなわけで、手術後のサポート、ホスピスなどの終末ケアといった、強い刺激が与えがたい状況などでは、クラニオは病院医療に協力できる部分があるのではないかとも思いました。逆に、クラニオセッションに重症そうな人が来てしまった場合、関わりのある病院に相談したり(こちらは診断ができないので)、優先的に紹介するといった選択肢もありそうです。
今回のことは友人の依頼によるもので、病院と相談してやったわけでもなく、病院関係の方がこういった「科学的といいがたい」部分もあるボディワークに日本でどの程度理解を頂ける物かも分かりませんが(また、誰が依頼するのかや、病院内でボディワーク関係者をどう扱うのかなどの法律や事務手続き上の問題もありそうですが…)、もしいつの日か理解がある方と縁ができることがあれば、うまく協力しあえればいいなと思っています。

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プロフィール
HN:
朧 こと 今野
性別:
男性
自己紹介:
会社員生活の傍ら、手技セラピー「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んでいます。

「★クラニオバイオリンク集」ではここ以外のクラニオバイオ関連サイトを紹介しています。

私自身のクラニオセッション等の活動は現在休止中です。

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