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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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先のクラニオ論文発表で印象に残ったところと、それに関わる雑感を何べんか書いてみようと思います。今回は歯科医のY先生(職業は医者さんでクラニオはやらないのですが、純粋なご自身の興味で学ばれている熱心な方です)の発表から。
発表は歯医者さんだけに「歯の噛み合わせ」に関わる臨床の話がテーマでした。噛み合わせの状態は全身(腰痛や何となく調子が悪いなども含め)に影響を及ぼすケースがかなり多いが(逆に、不適切な歯科矯正が全身に影響を与える例もあるとの事です)、それに対し、クラニオはどのように対応できるのか、といった内容が興味深かったです。


結論から言うと、「かみ合わせの問題には、クラニオだけで対応できるものもあれば、適切な歯科矯正でしか対応できないものも、両者の協力があると効率的に対応できるものもある」ということだそうです。

クラニオだけで対応できた例には、数回のクラニオセッションを繰り返した結果、ばらばらだった歯並びがレントゲンで見て(写真ではレントゲンを撮らなくても分かるくらい)物理的に変化した(クラニオ以外の要因の可能性もありますが、何か良い影響はあったのでしょう。)というものです。

一方、歯科矯正のみで対応できたというのは、クラニオは身体全体のリラックスなどにはつながったが、歯ならびには目に見えた変化がなく、普通に歯科矯正したら解決した、という例です。まあ、クラニオを受けて何とかしようと思う人はそうそういないと思うので、成功数はこれが一番多いんじゃないかと思いますけど。

両者の協力というのは、クラニオセッションである程度全身が整った状態になってから歯を矯正しないと、本来の骨格が大きく歪んだままの状態で歯が矯正されてしまうので、まずセッションを何べんか受けてから矯正したらうまくいった、ということのようです。クラニオが担当する部分は、他の適切なボディワークでも良いのだと思います。美しいコンビネーションですが、そこまで柔軟な発想をしてくれて、勇気もある歯医者さんはなかなかいそうにありません。


同じ「かみ合わせの問題」と一口に言っても、それに対応できるか否かに差があるのは、主たる要因が、生活習慣の問題、遺伝的な問題、事故による問題、心理的な問題など様々だからといえます。常に同じアプローチが有効でない場合があるというY先生の意見は、もっともだと思いました。
心理的な問題などは、受け手が自分自身の世界観を変えねばならないということでしょうから、難しそうですね。その部分がクリアできていなければ、たとえ無理に矯正してもすぐにもとの状態に戻ってしまうのでしょう。

他の症状、例えば腰痛などでも、適度に運動でもしていれば勝手に消えるものもあるでしょうし、自分のあり方を認めれば消えることもあれば、、問答無用で外科手術しなければ命に関わる事だってあるのかもしれません。これらは、触診でわかるものもあれば、数値で測れるものもあれば、両者どちらからもわからないもの、把握・測定できても本質的な意味(心理面など)が判らないといったものもありそうです。
まあ、日ごろの疲れの蓄積(偏り疲労)とか、手わざで解決する事例は多いんだろうと思いますが、健康不健康とか心配すること自体が一番問題だったりすることもあるかもしれませんし、セラピーなんか受けず、好きな事をやっていた方が良い時も多いかもしれません。結局、自分が納得できることをするしかないのでしょう。


これらから言えるのは、「どんなに優れた手わざでもできないことはある」ということと、「人の身体の不調や健康については、簡単に語れない部分がある」というところでしょうか。

私としても、クラニオをある程度修めたものとして、「大概の方に原理原則に基づいた適切なセッションを行える」「その方の状況に合った何らかの変容を提供できる(私は「身体の声を聴く」だけなので、正確には「提供する」のは私ではなく、受けた方の身体そのものですが)」という点では、ある程度の自信はありますが、その結果に誰もが満足するのかといわれれば首をひねらざるを得ませんし、「なんでも解決できる」とはとてもとても思えません。私の性格上、一生思えないでしょうし、その方向を目指すことはないと思っています。

そもそも、身体は外部からいかにコントロールしようとしても、あるいは受動的に変化を期待したとしても、思いのままにできないものであり、そうでなくても、これまで色々な経験をしてきた(時に自分より遥かに経験豊富な)一人前の人間を相手にしている以上、その方を意のままに動かそうというのも何か非常に戸惑いを感じるものです。
そうでなくても、人の身体には「人の身にあまる領域」「犯してはならない領域」があると思っています。どんなに凄い手段を持っていても、人には平等に死が訪れる、という事実などもそうです。個人的にはそういった領域や身体の働きに対する畏敬の念を忘れてはいけないと思っています(スピリチュアルな方法を使うなら良いという意味ではなく)。


私がクラニオで「症状」を扱う気がないのも、そもそも医者じゃないという立場上の問題に加え、「症状」「問題」に真っ向から向き合ってしまうと、それら「犯してはならない領域」を侵害するような危うさを感じるからというのがあります。なお、ほかの人もそうすべきでない、というのではありません。あくまで私のチキンハートを表明したものです。そもそもお医者さんや整体師の方々は日々「症状」を扱い、更に日々工夫をされているのですから、すごいことです。

…気軽に書き始めるつもりが、妙に深刻かつ暗い話になってきましたが、まあ、手わざや身体にはそういう側面もあるということですね。

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クラニオセイクラル・バイオダイナミクス関連の自作リンクページです。

【ICSB関連サイト】
私が学ぶクラニオ団体ICSB(International Institute for Craniosacral Balancing)関連のサイトです。

★日本のICSB公認プラクティショナーリストと連絡先
日本全国のICSB公認プラクティショナーリストです。
クラニオセイクラル・バイオダイナミクスのプラクティショナーをお探しの際に、ご活用ください。
※資格を持っていても、諸事情により、連絡先を公開されていない方もいます。
http://www.cranio-japan.net/training/icsb_pract.htm


★クラニオジャパン (ICSB公認 クラニオ講座情報)
私も大変お世話になったICSB公認ティーチャーの木村さんのサイトです。
セッション情報のほか、木村さんが講師を務めるクラニオ講座情報が記載されています。
ICSB公認のクラニオ基礎トレーニングやイントロ講座の情報をお探しの場合はこちらをご覧ください。
http://www.cranio-japan.net/


★クラニオセイクラル・バイオダイナミクス・ジャパン
日本のICSBプラクティショナー有志が運営する、クラニオバイオダイナミクスの紹介サイトです名前が似ていますが、上記の「クラニオジャパン」と別サイトです。
なお、私自身は作成や運営に関わっていません。
http://craniobio-japan.com/

◆ICSB本部サイト
ICSB本部のサイトです(英語)。欧州を中心に世界各国で活動しています。
http://www.craniosacralbalancing.com/en/



【ICSB以外の国内クラニオ関連サイト】
ICSB以外の、クラニオセイクラル・バイオダイナミクス、またはバイオダイナミック・オステオパシーの関連サイトです。「クラニオ」に類する活動をされる方のサイトは他にも多数存在すると思いますが、私の独断と偏見にて一部のサイトのみ記載しています。
団体ごとの活動内容等に関しては各サイトにお問い合わせ下さい。ここに掲載されることがご迷惑な場合は削除しますので、コメントやメール等(プロフィールページ末尾に宛先あり)でお申し出ください。


◆スクール
○クラニオセイクラルヒーリングアート
クラニオセイクラル・バイオダイナミクスのプラクティショナーを
独自のカリキュラムで育成している団体のサイト。
http://healingart.jp/

○IOAJ
クラニアルオステオパシーの領域で有名なトム・シェイバーD.O の日本サイト。
ジム・ジェラスD.O直伝のバイオダイナミック オステオパシーなどを教授されています。
http://www.tomshaverdo.com/schedule_new.php

○Biodynamics Association Japan
海外から様々な講師を招聘し、バイオダイナミック オステオパシーの講座を開催している団体のサイト。
こちらは医療従事者や、鍼灸師などの国家資格保有者向け講座のようです。
http://japan-bio.breath-life.com/index.html


◆その他関連がありそうなサイト
○蒼穹堂治療室
海外の複数のクラニオ本を翻訳された方のサイトです。
http://sokyudo.sakura.ne.jp/

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ようやくクラニオの資格を取得しました。
BCSTこと「バイオダイナミック クラニオセイクラル セラピスト」という称号を頂きました。これが先に書いた国際資格というやつですね。以下画像がそれです。基礎教程開始前のイントロダクション講座も含めればここまで約5年。長い道のりでした。
diploma


私が学んでいるICSBがこの国際資格を生徒に授与できるようになったのはここ数年のことで、今回はすでにプラクティショナー資格を得て長年活躍している先輩方もこの資格を追加で得るべく、我々と一緒に論文をプレゼンしました。私自身の論文は武術と絡めた内容だったので、積極的に身体を張ってウケをとりに行きました。幸いにして、どうやら概ね好評だったようです…。
こうやってプレゼンを聞くと、皆さんそれぞれの個性に合ったテーマで、論文を書かれており、とても素晴らしかったです。興味深い内容が多かったので、そのうちいくつかの内容は、かいつまんで今後の当ブログの記事ネタに使わせていただこうかと思います。

このプレゼンを聞いて、教わった内容が同じでも、プラクティショナーの数だけクラニオは存在するものだなあと実感しました。このブログも、私が書くとどうしても技法とか術者のあり方とか地味な方向に向かってしまうのですが、プレゼンの発表内容に、震災後のヘルプ、禅や神秘学との関連性、歯科との連携、大変な状況で生まれてきた赤ちゃんの支援、など色々なものがあったように、実際はクラニオにも色々な可能性があるわけですよね。

たまたまこのブログを訪れて、クラニオに興味を持たれた方は、私が語るクラニオ観が全てと考えず、より自分にマッチしそうなプラクティショナーを探してみるのも一興かと思います。
また、たまたまここを訪問された(バイオダイナミクス派でなくても)クラニオプラクティショナーの方がもしおられたならば、WEBでも、WEB以外の方法でもそれぞれの方法でクラニオの魅力や特性について、どんどん発信されると、私では表現できないクラニオの色々な可能性や魅力も広まりやすいのではないかと思いました。


私自身は、プレゼンに行く前はめんどくさいなあ、やっても大して心境が変わることはないだろう、という感じでしたが、いざ証書を受け取ってみると、心構えというか、そういうものに何かに影響があった気もしています。
私が手っ取り早く行えることは、この場で「クラニオという選択肢が存在する」ことを語るか、縁ある方に細々とセッションを行うくらいですが、私ひとりでやれることはたかが知れているので、他のプラクティショナーを紹介してみるとか、何かもう少しできないかなと思っている部分もあります。

来年はまたプラクティショナー用のアドバンスコースの講座があるそうで(今年もあったんですが、業務都合につき、いけませんでした)、縁あってこの技術を受け継いだということで、細々とでも続けて技能を深めていきたいと改めて思いました。

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来週頭に私が学ぶクラニオ基礎教程の最終プレゼンがあります。
前にも書いたと思いますが、このプレゼンを無事乗り越えることで、「国際的にクラニオ・バイオダイナミクスのプラクティショナーと名乗れる資格」というなかなかありがたいものがもらえます。私が特別なわけではなく、たまたま選んだ教程が一定水準の教程内容を持っていたため、その資格が出せる国際的な団体に何年か前に加盟することになり、単にぶらさがっていた私はある意味運が良かっただけなのですが、素直にありがたいことです。
これまでの教程の学びで興味を持ったテーマに沿った論文を書くことが、基礎教程の講座内容が一通り終了した昨年末に出された課題のひとつで、最終プレゼンではその論文を要約したものを発表するのです。


論文自体は幸いにして日本語で書けば良かったので、長い文を書きなれている私は、それほど大変さを覚えたわけではないですが、A4用紙十数枚くらい書けばよいと言われたところを調子に乗ってA4用紙に80ページくらい書いてしまったので、自分で収拾をつけるのが大変になりました。例えば、ある部分を直すと、それと連動した他の部分も整合性を取らねばならなくなるわけですが、それがどのあたりにあるかを探すのが面倒だったりしました。まあ、自業自得というやつです。そんな状況で進めたので、「1版」を一通り書き上げたのは今年の初めでしたが、結局、状況や考え方の変化に応じて内容をちまちまと何度も直していたら1年経ってしまいました。

論文には、「クラニオではどのように技術を身につけていくのか(上達していくのか)」というようなことを書きました。書いた内容そのものはおおよそこのブログで日々言っているようなこととそんなに変わりません。
ただ、作成に当たり、なんとか私のもうひとつのメイン学び対象である武術方面と少しでも内容を関係させたいという極めて個人的なこだわりを発揮したため、理解不十分にもかかわらず、突然「拳意術真(私が学ぶ流派の開祖である孫禄堂老師が中国武術の学習過程や有名な達人の語録や練習の秘訣などについてまとめた本)」の記述を取り出してクラニオの学習過程と比較してみたりと無謀というか、得体の知れない展開をしています。その辺は「一応身体を扱うガクモン」つながりで、勘弁してくれるものと期待しています。


なお、このプレゼン会場もいつもと同じ大阪です。最後だからと言って贅沢な場所ということもありません。国内でもごく少ない関係者向けなので、プレゼンといっても、大ホールなどが用意されるわけでもなく、ビルのやや大きめの会議室内で淡々と行われる見込みです。まあ、そんなもんでしょう。

順当に行けば、来週の今頃はプレゼンが全て終了して家についているころでしょうか。いったいどんな心境になっているんでしょうかね。まあ、今とあんまり変わらないんじゃないかという気もしますが、とりあえずこれで一区切りということで、粛々と実行してこようと思います。

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ある身体技法体系を一通り学ぶのに時間がかかるのは、練習を重ねるうちに、技法の奥底に流れるエッセンスのようなものを体得していくのに時間がかかるというのがあるかも、と前の記事では述べてみましたが、「術者自身がその技術を使いこなすために自分自身を整え、自分の土台を作るのに年月がかかるため」という点もありそうに思いました。
きっかけは以下のエネルギーワーカーの方のブログを読んだことです。

●「セラピストの自己メンテナンスの重要性」
http://angel.ap.teacup.com/yukoji/1085.html
主にエネルギーワーカーの方向けの表現になっているようですが、本文中で使われている言葉をいくつか変えれば、ボディワークの類でも、場合によっては武術などにも当てはまるかもしれないと思いました。

これを「癒し」といった言葉を使わずに自分なりに述べるならば、「相手に何らかの技術を持って対するのにあたっては、まずは自分自身がしっかりとした土台を持たねばならず、その土台ができるにはある程度の時間がかかる」というところでしょうか。
他で余程の経験を積んだ人の場合や、身近な人に手軽に使う目的で学ぶ分にはそこまできっちりする必要はないかもしれませんが、ある技法の看板を背負って不特定多数の方に対人技法を行うに当たっては、やはりそういった土台があることが望ましいとは私も思います(私自身の「土台」の軟弱さには反省の念を覚えますが、それはとりあえずここでは置いておくとして)。まあ、どう学ぼうと個人の自由ではあるのですが、そういった土台があったほうが対応力も増すだろうし、何より自分自身が安全だろうと思います。
要は、他人のために何かを学ぶという思いがあったとしても(私自身はそんなに立派な動機はないです)、その手段を得るには「自分自身のための学び」をきっちり行う必要があるということでしょうか。


少し視点を変えて、メンテナンスという言葉から考えると、ある技法体系を学ぶ時に、自分で技術経験を積み重ねるのみならず、自分がほかの人の技法を「受ける」体験が大きな役割を果たしていそうです。
実際、私が学ぶ講座でも、講座や講座の合間には、同期との「交換セッション」で自分自身が「受ける側」になったり、また、すでに活躍している先輩のプラクティショナーからも規定数のセッションを受けることが修了条件として課せられています。それらの体験によって、先輩方の手順を学んだり、セッションそのものの恩恵を受けられるとともに、自分自身の疲労しやすい部位などについて(ひいては自分の日常の行動パターンについても)理解を深められる部分もあり、それが結果的に「相手に対するための土台」の一部になっていくのかもしれません。
セッションを受けてみると、結構疲れていたんだなとか、平気だと思っていたが実は煮詰まっていたようだ、など、色々感じるところはありますが、やはり1回や2回受けただけだと、気持ちよいとか手順がどうだというレベルで終わってしまいそうであり、何年も(私の場合は必要性を必ずしも感じずに受けるのでなおのこと)受ける立場になることで見えてくるもの、身体で学ぶものもあるのだろうと思います。


もっとも、クラニオの場合、セッションの恩恵といっても、私自身に関して言うならば、確かに「長期的に見ると前の自分と何かが違う」感じは明らかにするのですが、私は自身にめだった体調不良や病気や大変な悩みがあったわけではないので、具体的に何が変わったのかはなかなか表現し難いものがあるのは困りものです。
しいていえば、会社づとめなどをしていて、前よりも「色々対応できるようになった」「安定した」という実感はありますかね。まあ、これは単純に仕事に慣れたとか、武術の稽古の影響とか、その他の要因もあるに違いなく、クラニオが全面的に影響しているわけでもないでしょうが、「私が今の私になる」ためにクラニオの学び(やる側としても、受ける側としても)が重要な役割を果たしてくれたのは間違いないと思っています。仮に私が今後クラニオをやらなくなったとしても、その思いはなくならないと思います。


なんだかまとまりがない話になりましたが、何かの技法体系の学びがしばしば長期に及ぶのは、技術を身につけるのみならず、「それを使うにふさわしい自分自身」へと自分を整えていく過程を着実に踏んでいくため、という説明は、理由のひとつとして納得のいくところです。

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プロフィール
HN:
朧 こと 今野
性別:
男性
自己紹介:
会社員生活の傍ら、手技セラピー「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んでいます。

「★クラニオバイオリンク集」ではここ以外のクラニオバイオ関連サイトを紹介しています。

私自身のクラニオセッション等の活動は現在休止中です。

私のプロフィール的なものはこちら
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