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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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先日のセッションで今更ながらに姿勢の重要性を意識させられたので、今回は主に「クラニオセッションでのリラックスした姿勢」という感じのテーマでなにか書いてみます。


クラニオ・バイオダイナミクスのセッションでは、プラクティショナー(クラニオやる人)は、変化する状況に合わせた色々な対応(見た目はじっとしていますが)をするために触れている相手の身体の状態が分かる必要があり、かつ、その触れている相手の身体の情報は自分から積極的に取りに行かない、という器用なことを求められます。さらに、「受動的に触れている相手の状態を知る」と言っても、何となく座っていればいいわけでもありません。では、どうすればいいかというと、ひとつは「リラックスした姿勢を保つ」ことが必要といえます。自分の無駄な力が抜けているほど、周囲の情報は自然と入ってきやすくなるわけです(他にも恩恵は色々あります)。

まあ、言葉にすれば「リラックスしよう」ということで実に簡単ですが、先日のセッションでは、私は姿勢がやや適当で十分なリラックスができていなかった、と気付いてしまったのでした。ひとくちにリラックスといっても、あらゆる状況でをれを実現するのはなかなかに大変です。もちろん、ある程度リラックスできていないと、クラニオセッション自体が成立しないので、それまでの私もある程度リラックスはしていたと思いますが、先のセッションでは、「自分がよりリラックスできる姿勢になるために、きっちりできることをやりきっていない」部分が結構あったと感じられたのです。


先日のセッションで、リラックスが足りないと気づいたきっかけは自分の肩が上がっていることにある瞬間気付いたことです。私が知っている範囲の武術ならば「肩が上がっている」など問題外(重心が浮いて自分で自分のバランスを崩しているようなものですから)もいいところなので、思わぬ瞬間にそんな状態になっていることに気づき、中々ショックでした。もちろん、目に見えて肩が上がっているわけではありませんが、肩が緊張していると思うくらいは上がっていました。肩が緊張していれば、結果として隣り合う首や上腕にも緊張が及んでいるでしょうから、クラニオでも、プラクティショナーは基本的には相手の方に触れている手から情報を受け取りますから、肩が固まっていたら手から伝わってきた情報の多くを自分で止めている感じになってしまうわけです。

普段肩が落ちた姿勢ができていても、セッションをしている最中に思わぬことがあったり、相手に触れる時の最初の姿勢がやや適当な場合などはセッションが進むにつれて、当初の姿勢が維持できなくなりいつの間にかそうなることもあるわけですね。そして、肩が上がった状態はいかんということで、姿勢を直し始めたわけですが、そうなった時に肩を無理やり下げて止めておいたのでは、やはり緊張してしまって同じことになるので、学んでいる中国武術の姿勢を参考にし、肩回りや首の緊張が減っているかを感じつつ、背中が真っ直ぐの姿勢を取ることで、自分自身を楽な状態に持っていくことができ、セッションも良い感じに進みました。

だらっとした状態でもリラックスはできるかもしれませんが、実はきっちりとした真っ直ぐな姿勢をした方がリラックスしやすいようだ、というのは中国武術を習い始めてから実感していることです。姿勢という構造自体がしっかりと整った状態だと各部にかかる負荷は小さくなるということだと思います。そうなると結果的に肩も落ちてくるのですね。また、クラニオバイオダイナミクスのセッションでは、セッションの安定感を高めるためにこれまでも当ブログでしばしば書いている「プラクティショナーニュートラル」という状態であることも必要なので、これを実現したまま深くリラックスするには、弛緩した姿勢よりまっすぐの姿勢の方が遥かに相性が良いということもあります。クラニオ基礎教程のファイナルプロジェクト(卒業論文)からして、私は主に学習過程の側面から、執拗に武術とクラニオを結び付けようとしてきましたが、姿勢という面ではどうも本当に共通点を見出せそうな感じです。


ちなみに、私は床でのセッション(布団に寝ている人に触れるなど)は可能かなぎりやらない派なのですが、その理由の1つは、床だと、ここまで書いてきたような「リラックスしつつも真っ直ぐな姿勢」が非常にとりづらいからです。人に触れずに床に座っていてリラックス、ということならまあできそうなものですが、私にとっては、少なくとも横になっている人の身体の同じ場所に十数分触れ続け、かつリラックスしていることはなかなか厳しいものがあります。先程も書いたように、ひとりで座っているだけならリラックスできても、リラックスを維持したまま何かをしようとするとそれは崩れてしまうわけですね。私はそれなりに身長があるので、地面に座って深くかがむような姿勢になるのは平均的な身長の方よりも辛いということもあるのかもしれません。

もちろん、私としても、ベッドに上がれない方など、どうしても必要であれば床でのセッションも行いますし、相手の方の肩や足、うつ伏せになってもらって背中に触れるなど、ごく一部のポジションならできないこともなく、クラニオとして起こるべきことも起こりますが、ベッドの上に寝てもらってセッションする時よりは、だいぶセッションの質が落ちてしまうなという思いがあります。床でのセッションを否定するものでは全くありませんが、私個人としては、姿勢の精度を保ちがたい、リラックスが難しいという理由から、できる限りベッドを使ったセッションを行いたい思いがあるということです。「正座して足が痛いんだけど、セッションまだ終わらないかな…」などとセッション中にプラクティショナーが思っているようでは、クラニオセッションとしては少々微妙ですしねえ。

まあ、日本の伝統的な書さを本格的に身に着けて正座等に熟達し、正座を保って前傾したまま静止できるとか、あるいは逆に、見た目の姿勢は一見だらっとしているのだが、実は意識がきっちり明晰に保たれているといった、内外の印象が矛盾するような姿勢に慣れれば、何とかなるのかもしれませんが、何にせよ今の私が「床で納得できる質のセッションをするのに適した姿勢」を見出すには、少々研究が必要そうです。


何か色々混ざってしまいました…。まあ、姿勢姿勢書いてはきましたが、このブログでしばしば書いているように、クラニオセッションは「プラクティショナーがクライアントさんにやる」のではなく、「クライアントさんの身体が自ら行うことのサポートをする」ものなので、どんなにプラクティショナーの姿勢が武術の達人並に完璧であったとしても、プラクティショナーにできることは非常に目立たない部分であることは確かです。

それでも、クライアントさんをどれだけ的確にサポートできるか(下手だったら逆に邪魔してしまうこともあるかもしれないですね)はプラクティショナーの経験によって差が出てくる部分であり、そこにクラニオの目に見え難い技術があるのだとも思います。クラニオ・バイオダイナミクスのセッションでは、深い意識状態に入ることが多いということもあり、プラクティショナーの状態は受ける人にもかなりの影響を及ぼすため、プラクティショナーが良い姿勢を取ったりすることで結果的にリラックスし、可能な限り安定感の高い状態を保つことは、それだけで受ける方を安心させ、的確にセッションの展開をサポートできる可能性を高めることになると思っています。また、意識の置き方などに比べれば、姿勢は目にも見えて自分でも対応しやすい部分だけに、今後も色々改善の余地がありそうだな、とも思わされました。

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朧 こと 今野
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自己紹介:
会社員生活の傍ら、手技セラピー「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んでいます。

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私自身のクラニオセッション等の活動は現在休止中です。

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