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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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しばらく前に書いた「ぶじゅつ(本)との出会い」が続編(?)を予告したまま止まっているので、つづき。

◆古武術の発見
 ある時、八極拳の本を見つけて以来、私はなんとなく東洋の伝統武術に興味を持ったわけですが、当時の私は、人から長期にわたってものを習うことにもの凄く苦手意識があり(それがかなり克服されたのは結構最近です)、かつ、武術(このブログで使う「武術」は、東洋の伝統武術、もしくはその稽古体系を下敷きにした動作のワークというような意味です。)の道場はとても恐ろしい場所なんじゃないかと怖がっていたので、なかなか実際の活動を始めようという気分になれませんでした。そんな中、「武術的活動開始」のきっかけとなったのが「古武術の発見~日本人にとって「身体」とは何か」(養老孟司、甲野善紀著 光文社)という本でした。当時は書店の片隅に置かれている印象の本でしたが、その後文庫版も出たし、著者2名の知名度とも相まって、現在は割と有名かもしれませんね。

◆術理?
 この本には「ナンバ歩き」といったユニークな概念の紹介や、昔の武術家の凄いエピソードなど、いろいろな話が載っていて面白かったのですが、当時の私が特に興味を持った内容は、武術にはどうやら「術理」というものがあって、「柔よく剛を制す」は精神論ではなく、明確な技術法則によって実現されているらしい、ということです。つまり、伝統武術というのは、身体で行う知的な文化活動みたいなものでもあり、どうやら普通の競技スポーツとも、殴り合いや叩き合いが多そうな現在武道とも方向性が違うみたいなので、「精神論」「体育会系のノリ」に尋常ならざる苦手感があった私も何とかやれるんじゃないかと思ったのでした。
 私は武術で強くなりたいとは多分あまり思っていなかったので、なんでヨガ等でなく武術を選んだのか今でも疑問ですが、まあ、この本によって喚起させられたある種の知的好奇心によるところが大きかったんだろうと思います。甲野先生の本全般に見られることですが、この本では、達人の技は、「その人の天性に依存する偶然」ではなく、姿勢や身体の使い方といった「合理性」によって成り立っている(つまり達人技もある程度は伝達可能という意味合いですね)と捉えており、武術について神秘的な書き方をしていなかったのも好印象でした。当時の私は神秘的なものが苦手でしたので(その後、紆余曲折を経て、そっち方面にも結構精通した人になってしまうのですが)。あとは…ストレス発散や健康のために始めたと言えなくもないですかね。

◆フリー稽古会の衝撃
 そして、この本を読んで、術理以上に興味が湧いたのが、甲野先生が訪れるという「恵比寿稽古会(のちに解散。現在は「半身動作研究会」という名前で、主宰者の中島章夫さんが恵比寿稽古会の雰囲気を引き継ぎつつ運営されています。)」という集まりの稽古方針です。そこでは、何故か「各人がそれぞれ独自の自主稽古的なもの(何かの型をやったり、人と組んで崩しあってみたり、木刀素振りしていたり、じっとしていたり、いろいろです。)」をしていて、甲野先生と他の稽古人の方々は、師弟関係ではなく、たまたま場を共有する共同研究者みたいなものらしいと。当時の私は武術というのは先生の指導もとい命令に新兵の如く服従して学ぶ以外の選択肢はないのだろうと思っていたので、こういったオープンな考えで運営されている稽古場があることに驚きました(今思えば凄いびびりようです。実は普通の伝統武術教室の多くも実は結構オープンな環境なのだと知るのはこの後何年か経ってからです)。

 更に、恵比寿稽古会の稽古人は、段位や稽古年数で評価されることもなければ(逆に言えば、長くいるとか年上という理由で偉そうな顔はできないということでもありますね)、皆勤や時間厳守の義務もないという姿勢にも驚きました(この点に関しても、伝統武術教室の多くは比較的寛大であると後で知りました。皆勤必須だったらとても社会人は通えません…。)。要は余程問題でもおこさなければ、ある程度やる気のある人なら誰でも下手なりに置いてくれる場所という事です。人に教わることにびびるくらいですから、当時の私には、人と競えるような余裕なんてあるわけもなく、そこらに放置してもらって、一人でじっくり動きながら考え込めるようなこの環境はある意味理想的と感じられました。
 当時の私にも、自主稽古だけでちゃんと武術の技らしきものがやれるようになるのかというのは疑問だったのですが、ともかく置いてくれそうではあったので、良く判らないなりに恵比寿稽古会に行ってみることにしました。そして、この恵比寿稽古会が私の「武術的稽古活動」のスタート地点になったわけですが、まあ、どちらにしろ私には、スタート地点として、この場所しか選択肢はなかったろうなと今も思います。

◆フリー稽古会の意味
 もっとも、フリー稽古会を入り口に稽古を始めた私でも、今なら「もし人からものを習うことに抵抗がなく、武術の技や自分の心身を深めていきたいと思うなら、自分と合いそうな教室や先生、これはいいなと感じられる流派を時間をかけてじっくり探し、そこに最初から通ったほうが良い」と道場を探す人にはアドバイスすると思います。実際、甲野先生の稽古会で多くの方に出会いましたが、私も含め、大概の常連の方は、ここをスタート地点に、後に何がしかの伝統武術や身体技法を学ばれる(あるいは最初から専門分野を持っている)ことが多かったです。結局、自由な環境におかれることで、かえって制約や基本の重要性というか、そういうものに還る必要性を感じることになる方が少なからずいたのだろうと思います。もちろん、甲野先生が現れる稽古会という事で、前述の中島さんを始め、甲野先生自身の稽古の歩みについて研究しようという方もいました。最近はそういう方のほうが多いのかも知れません。そこは、自由な稽古会ですから、「研究テーマは人それぞれ」ということで良いんだと思います。

 ただ、私みたいな「訳あり」の人がリハビリ的稽古活動を黙々と行ったり、やがて自分の道を見つけるまで、好きなように居させてくれる場所として、あるいは、様々なプロフィールを持つ方々が立場を忘れて自由に交流できる場所として(一般社会ではなかなか武術や身体ワーク分野のマニアックな会話ができないので、そういう話が普通にできる仲間がいるだけでも助かります。)、前述のような方針で運営されるフリー稽古会はとても意味があると思うし、今後も志ある方が続けていって欲しいなと思っています。こういった稽古会があったことには、個人的には本当に感謝しています。…恵比寿稽古会に行き始めた頃の私の迷走っぷりなどについては、気が向いた時にネタ的に書いてみようと思います。

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朧 こと 今野
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自己紹介:
会社員生活の傍ら、ICSBという団体の教程で手技セラピー「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んでいます。

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