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クラニオセイクラル・バイオダイナミクスや身体に関する色々を気まぐれにつづります。
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明けましておめでとうございます。遅まきながら2013年初ブログです。


初ブログ内容は1つ前の昨年末記事に書いた「2013年はICSB講座が新たな体制で活動を開始するらしい」の続報で、たぶんクラニオ的にはビッグニュースです。
その内容とは「ICSBチューターである木村千鶴子さんが正式にICSBティーチャーに認定された」というものです。ICSBのティーチャーは代表であるバードレイナさんを含め、世界でも数名しかおらず、木村さんは日本人初のICSBティーチャーとなります。少し前からどうもそんな動きがあるような…という話は聞いていましたが、先日ICSBから正式に手紙で通知が来たので、このブログでも告知することにしました。

ティーチャーに認定されたことにより、木村さんはICSBのクラニオ・ファウンデーショントレーニング(我々が学んだ内容。このブログで「クラニオ基礎教程」などと読んでいたもの。以下、「ICSBクラニオ基礎トレーニング」と呼称)を教えられるようになりました。これまでの記事にも書いてきましたが、木村さんは私にとってもクラニオを学び始めた頃から大変お世話になった方であり、個人的にもとても喜ばしいことです。


更に、これに伴い、ここ数年開催が途絶えていた、ICSBクラニオ基礎トレーニングの「セミナー1」が、木村さんを講師として、2013年10月25~29日に開催されることになりました。詳しくは以下の講座情報サイトをご覧ください。
http://www.cranio-japan.net/training/t_index.htm

ICSB標準の本格的なクラニオセイクラル・バイオダイナミクスの講座を日本で(and日本語で)学びたい方にとっては朗報ですね。卒業すれば資格もついてきますし。ちなみに、小さなことではありますが、この木村さんの講座は久しくなかった(もしかしたら、一度もなかったのかも)と思われる「関東地区開催」だったりします。これから新しく学ばれる関東の方は大阪雑居ビルまで行かなくていいんですよ…。卒業した人がアドバンス講座を受ける場所は引き続き愛すべき大阪雑居ビルだそうですが。

我々に教えていただいたバードレイナさんは1年中海外を飛び回っており、日本には現在年1回しか来れない状態ですが、木村さんがティーチャーになったことにより、将来的には日本での講座の開催頻度が増えたり、関東や大阪以外の地域での開催なども可能になるかもしれませんね。
また、これまでは途中で家庭や仕事の事情で講座参加が途絶えてしまうと、次の講座を再受講できるのが何年後になるか分からず、大変続けづらかったのですが、国内で安定的に講座が行われることで、過去に途中まで学ばれた方が一念発起して学習再開、ということもやりやすくなりそうです。


ICSBクラニオ基礎トレーニングは結構内容が盛りだくさんで、学び終えるまで時間もかかりますが、個人的には、かけた時間の分だけ確実に得るものがある素晴らしい内容だと思っています。この講座は、「人に対して行う技術」を学ぶものではあるんですが、結果として講座を受ける人自身がいろいろな意味で一番変わる気がします。私も、うまく言えませんが、この講座を学んで、クラニオ関連の技術や知識だけでなく、非常に多くのものを得たという思いがあります。

とはいえ、(あくまで個人的な感想ですが)技術体系に「表」と「裏」があるとすれば、クラニオ・バイオダイナミクスは「裏」に属する「知る人ぞ知る」類の体系で、基本的にあまり大っぴらに外に出ない性質のもののようにも思っています。静かにじっとしていることが多い技術ですから、人によって相性もありそうです。私としても、これを期にICSBのクラニオの存在を爆発的に広めるぞ、というよりは、こういった場でちまちまと表現することによって、縁のある方がICSBクラニオという選択肢を見つけ出せる援助ができれば、という思いです。まあ、これまでと同じと言えば同じですが。

また、ある程度学ぶ覚悟ができた状態であっても、いきなりファウンデーショントレーニングに行くと、セミナー1でも色々と負荷(財布の負荷も)が大きいので、何となく気になっている方は、まずは、木村さんが現在も開催している2日間の「イントロダクションコース」を受けるか、ICSBプラクティショナーの誰かからセッションを受けたり話を聴いたりして、ICSBクラニオ講座が自分に合いそうか様子を見てみるといいと思います。武術でもそうですけど、自分に合う環境かどうかは、続けるにはとても大事です。合わなければ、ほかの国内団体に行っても良いわけですし。



そんなこんなで日本のICSBは新年からさっそく新たなスタートを切りつつあるわけでして、私自身も木村さんを中心とした国内ICSBクラニオ活動を可能な形でバックアップしていきたいと思っています。どんな形で関わっていけるかはまだ分かりませんが、私もまだ見ぬクラニオ同志に今後出会えることを楽しみにしています。



…ちなみに、私が木村さんのティーチャー認定を知ったのは例によってICSB内で結構遅いらしく、何名かの方は昨年の時点で既に明確にご存じだったようです。相変わらず流れに乗れてない私です。

昨年末に既にご存じだった方のブログ記事↓
http://blog.livedoor.jp/salon_sophia/archives/51759691.html

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私にしては珍しく、先週に続いて今週もクラニオセッションをする機会があり、やはり身体は偉大な智慧を持っているものだと感動しました。受けていただいた方がクラニオを学ばれており、すぐれた身体感覚をお持ちだったこともあるのだと思います。

守秘義務もあるので、詳細な記述は避けますが、セッション中に、「触れる部位を身体が自ら教えてくれる」ことが起きたのが、そう感じたきっかけです。私の場合、これまでも触れる部位は理屈優先でうんうん考えるのではなく、受ける方の身体の変化を身体で感じ、その情報をもとに直観的に決定してきたわけですが、今回のセッション中の出来事は「私の判断」を超えて、こちらの対応の結果、受ける方の身体自身が選択してくれた感じがあり、これまでよりももっと、身体の知恵を信頼してもよいと思える内容でした。


クラニオ術者の状態と対応力が適切なら、「何となく全体に触れる」でも有効と思いますし、そういった路線のセッションも突き詰めていけば十分精密なものになると思います。と同時に、個人的には、少し前に書いたように、「肉体の特定部位を中心に全体に働きかけ」た方がもっと良い状況というのはあると思うようになってきたこともあり、また、せっかくしかるべき技術を時間をかけて伝えてもらっている人間としては、そこそこで満足せずその辺りの精度を詰めてセッションをより良いものにしていきたいという思いもあるわけです。

とはいえ、この部位がゆがんでいるからこうすればいいはずだ、という思考優先路線でセッションを行うとクラニオバイオダイナミクスの原理からは外れそう(あくまでクラニオバイオダイナミクスとしてのセッション精度を保つにはいかがなものか、という個人的見解で、そういう方法を取る技術を批判しているわけではありません)ですし、思考や判断を使わずに細かい部位にどんなタイミングで触れていいものなのか、それが分かったとして全体性を失わずにうまく働きかけていけるのだろうか、と二の足を踏んでいたところもあったのですが、今回のセッションで感じた「身体が自ら教えてくれる」はその問題意識に対する1つの回答だったように思います。


なお、これに付け加えるならば「しっかりと適切に耳を傾ければ、身体が教えてくれる」というのがより正確なところです。「しっかりと適切に耳を傾ける」というのは、(少なくとも私にとっては)精神論や気分ではなくて、多分これまでも書いてきたように、意識や姿勢を適切に保つことによって、受動的に(かつ受ける方を放置せずに)身体の声を聴きつづけることです。
これに関してはアナログな感じの「身体の声を聴く」という表現がしっくりきていて、「情報を受け取る」というとちょっと違うかなという感じです。この態度は講座の初期に紹介されるクラニオ・バイオダイナミクスの基本姿勢といえるものですが、その重要性が今になって骨身にしみて理解できてきた気がします。…ちなみに、これに関しても、あくまでクラニオバイオダイナミクスの話で、例えば、「身体に対して積極的に語りかけて反応をみる」タイプの技術を批判する意図は全くなく、その技術にはクラニオと別の良さがあるに違いないと私が思っていることはしつこくお断りしておきます。

ちなみに、ここに限らず「適切に対応」とかアバウトな表現をしていますが、これが具体的にどういう状態なのかはなかなかに表現しづらいものがあります。もう少し経験を積めば、その一部くらいは表現できるかもしれませんが、書くことで重要な要素が逆に抜け落ちてしまう可能性もありますし、そもそもこれは年月とセッションを重ねて体で覚えるしかないことのようにも思います。また、一度身についてもどんどんその対応精度は向上していくものとも感じるので、できるできないというくくりでも語りにくい要素です。
そういえば、今回のセッションでは、いろいろ説明をしている時、何となく先生が講義をしているのと似たような風情で自分が話そうとしているなと気付いて意外に思ったので(講義で特に先生の真似をしようとかは思っていないはずなのですが)、こういうものに関しては、案外先生から無意識に伝わってる部分もあるのかもしれないと思いました。

最後は例によってだんだん脱線してきましたが、今回のセッションも色々と個人的に得るものが多くあり、クラニオ分野のクリスマスプレゼントという感じでした。ありがたい限りです。


…ちなみに、多分これが今年の「たぶんクラニオブログ」最後の記事になると思われますが、来年は何やら色々動き出しそうな気配があり、夏ごろにクラニオも参加する、からだ関連のビッグなイベント(私も協力予定)が計画されている他、秋からはICSB講座が新たな体制で活動を開始するらしい、という情報も流れてきつつあります。
どちらも主催者から正式告知をもらっていないので、詳細は伏せておきますが、来年は日本のICSBクラニオ関係者にとっても、私のクラニオ活動にとっても大きな転機になりそうな予感がしています。(ちなみに全然関係ないですが、私が所属する中国武術教室でも来年は大きなイベントがあったりするので、個人的に来年はすごく楽しみです)詳細が分かったらこのブログでも告知していきますので、楽しみに(?)お待ちください。

それでは、まだクリスマス中で少々気は早いですが、皆様良いお年を。

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会社員兼業ということもあり、あまりクラニオセッションを頻繁にやっていない私ですが、先週は珍しくセッションを2回実施しました。決定までいくつかのドラマがあり、1名は私と同じ会社に勤める方で(私の場合、身体について何か学んでいたり、身体に強い関心がある方にセッションすることが多いので、ごく普通の方にセッションするのは久しぶりです)、1名は諸般の都合により、先日のニュートラル講座でお世話になったYさんにわざわざ募集して頂いた方でした。Yさんありがとうございました。

セッションそのものも、どちらもバタバタした直後にやったにも関わらず、割とよくできたかなと思いましたが、セッションしたお二人と話す中でも色々と学ぶところがありました。私のクラニオに関する説明は、妙な部分が細かい割に、肝心なところがどうも大雑把な傾向があったようです。それに関して印象深いやりとりがいくつかありました。


1つめはクラニオ・バイオダイナミクスの術者が何をやっているのかを説明しようとした時、「術者は何もしていない」という(これまでたまにしてきた)説明は違うよなと思ったことです。初めて受ける方に何もしないという説明はいかがなものか、と自分で思ったので、瞬間的に「術者が静かな環境を用意することで受ける方のからだは自ら調整を始めるので、その調整が適切に行われるよう、手の置き方や意識を微細にコントロールし続けている。」「見た目は動いていないように見えるけれど、受ける方の身体の変化に対応し続けている」と言い直しました。やや哲学的な表現ではありますが、少なくとも「なにもしない」よりははるかに納得いただけたようです。

実際、ただぼんやり人に触れていただけではクラニオのセッションとは言えないと個人的には思いますし、セッション中にやっていることを振り返ってみると、触れている身体の組織の動きなどを積極的に拡張させたりはしないですが、静けさを保ちつつも、身体からの情報を受け取って意識を広げたり、自分の身体の状態をチェックしたり、強めに相手に意識を向けそうになったらニュートラルを維持しなおしたりと、リアルタイムでかなり色々なことをやっているのは事実です。「ただ静かに座っている」という説明だと謎めいていてかっこいいですが、どうもその説明では正確に現状を表していない気がしますし、説明される側が普通のサラリーマンの場合、即座にびびられてしまうかもしれません。

私のクラニオの先生は「わざが深まれば「ただ静かに座るだけ」のようになるかもしれない」みたいなことを以前話されていましたが、これも厳密にはただ座っているだけなのではなくて、現在私が自分に行っている様々なコントロールの操作感が限りなくゼロに近くなっているだけで、実際は身体や意識は無意識に最適選択肢を選び続けており、本当の意味で「なにもしていない」わけではないような気もします。これは想像で、実際にその段階に至らないとどんな感じなのか分からないことでしょうけども、なんとなくそんなことを思いました。


2つめは、私もしばしば書いている「クラニオバイオダイナミクスでは相手に介入しない」という表現についてで、これは「能動的に相手の身体をコントロールしない」だけで、「術者が相手に影響を与えていない」わけではあるまい、と思いなおしました。
「相手に介入しない」というのは、クラニオ・バイオダイナミクスの大きな特徴ともいえ、私も誇りとしているポリシーですが、よくよく考えてみれば、自分自身がニュートラルになることや触れる場所を決めることで、受ける方を結果的にリードしているのは確かで、「影響を与えようとしていない」にせよ、実際はなんだかんだで「結果的に影響を与えてる」のは否定しようがないところです。
また、クラニオセッションを経験しない限り、このセッション独特の体感は日常生活でまず感じることはないと思うので、その変化そのものは「受け手の方のからだが自分でやったこと」であるにしても、クラニオセッションというきっかけが何らかの影響を及ぼしていることは否定できません。だからまあ、クラニオセッションでは「相手の身体に良い変化が起きやすい選択肢を与えている」みたいな表現の方が正確なのかもしれないですね。

そもそも、誰かに影響を全く与えない…なんてことは、人間が肉体を持って存在している以上、なにをどうやっても不可能なことという気もしてきました。誰かを無視することでも、誰かのそばに立っているだけでもそれだけで相手に容易に何らかの影響を与えるでしょうし、山奥で世捨て人になったつもりの人も、生物に備わった「同調」「共振」の機能で、ふとした瞬間に自分の意念が遠くのどこかの誰かに伝わってしまうことだってある気もします。人がひと呼吸するだけで、大気の状態に物凄く微妙な変動を及ぼし、その大気の状態を地球人全員が共有してるんだとしたら、何をどうやっても他の人との関係は切れないんだ、なんて屁理屈も言えるかもしれません。

ともかく、他者に影響を与えないなんてことはできないのだとしたら、なおのこと、「クラニオにおける非介入」と呼ばれている範囲はどこまでなのか、術者がどうすれば、もしくは、どこまで余計なことをしなければ、より良いセッションになるのか、などをもう少しゆるく考えることはできそうです。いずれにせよ、自分自身の「クラニオにおける非介入」に対する認識は少し改めてもよい気がしました。


…だんだん脱線してきましたが、セッション2つでも本当にいろいろなことが学べるものだと思いました。

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手軽に書けることがないので、最近の身体の波(タイド)に関する妄想を書きます。妄想なので、どんなにもっともらしくても信用しないでください…。

その妄想の内容というのは、もしかしたら人体には、クラニオ・バイオダイナミクスでガイドとしているミッドタイド(1分につき2~3サイクルくらいといわれている1次呼吸のリズム)やロングタイド(長さは諸説あるが、ミッドタイドよりずっとゆっくりな1次呼吸のリズム)より、更にゆっくりの波が幾つもあるのかもしれない、ということです。あるのかわかりませんし、あったとしても、クラニオセッション中に殊更に参照されることはないと思いますが…。


何となくそう思ったのは、野口整体の本で季節による身体の変動があるとか、数年単位の身体の調子の上昇下降(好調低調)の波みたいなものがあるという話を読んだのをふと思い出したからです。
これらの本を読んだのは何年か前のことですが、1つ前の日記でとりあげた、私のクラニオの先生のせりふ「身体の複数のリズムは互いに関連するものであり、実は皆1つの大いなるリズムの現れの違いかもしれない」から、野口晴哉先生が紹介しているそれらのリズムも、何らかの身体のリズミカルな変化には違いないのだから、実は身体の波として現れてるんじゃないかと突然思った、というところです。

ちなみに、季節ごとの身体の変動というのは、暑い季節に近づくにつれ骨盤などが開いて身体が緩み、逆に寒い季節に近づくにつれて身体が締まる(寒くて縮こまるとかではなく、骨格レベルで変わるのだそうです)というものですね(前にも書いたような書かなかったような)。
で、その季節ごとの切り替えがスムーズにいかない場合は風邪をひいたりして、身体の切り替わりを促進させると。これは四季の変化による気候の変動が比較的明確な日本独特の変化なのかもしれません。もっとも、これは身体の波そのものというより、環境に適応しての生理的反応に近いものな気もしており、身体の波と直接の関係はないのかもしれません。まあ、それらの身体の変化を実際に起こすエネルギーとして身体の波が関係しているかもしれない、といえるくらいでしょうか。

ロングタイドよりも更にゆっくりの1次呼吸の表現があるとしたら、「数年単位の身体の調子の上昇下降(好調低調)の波みたいなもの」のほうで、これも野口先生の本には具体的にA年ごと、B年ごとなどと何種類かあるようなことを書かれてましたが、具体的に何年単位だったのかまでは覚えてません。これは、下がるのが悪いということではなく、それは休息に適していたり内側に集中しやすいような時期ということかもしれません。どちらがよいというものでもなく、陰と陽の関係みたいなものだろうと思っています。この波というものが体にどんな表現として表れているのかは分かりませんが、野口先生やそのお弟子さんが分かっているのだから、何か身体に測る基準があるのは確かなんでしょう。まあ、1次呼吸を観測して分かったわけではないでしょうから、私の興味とは少し異なるわけですが。


私としては、1次呼吸にこういう年単位のリズムまで表現されているのだとしたら、クラニオセッションを行うことで、現状の身体機能がバランスをとる手助けのみならず、その人がこれから向かう身体の年単位の低調時期を無理なく乗り切る手助けなんてことも結果的にできていたらおもしろいなと思うのですが、どんなもんなんでしょうねえ。
もっとも、仮に1次呼吸を徹底的に観察できたところで、ここが波のひとつの極だと分かるには最低でも数年以上かかるわけですし、それがロングタイドの中にさりげなくまぎれていていたりしたら、そんな波が1次呼吸にあるのかの検証は至難という気もします。そもそも、「徹底的に観察」という態度はクラニオ・バイオダイナミクスのセッションを行う上ではあまりよろしくないので、殊更に区別する意味はないのかもしれないですね。身体の声にきっちり耳を澄ませていれば、それが何年周期の波だろうと、アクセスすること自体はできているのかもしれませんし。
とりあえずは、1次呼吸を視野に入れたセッションには、実は受ける人の「今の身体」のみならず「これからの身体」に対するスケールの大きな恩恵がもしかしたらあるかもしれない、くらいに思っておくのがプラクティショナーとしては無難な態度かもしれません。クラニオバイオダイナミクスのセッションは、セッションを受けた3日後や10日後にもセッションによる身体の変化が続いているといわれるくらいですから、ありえないことはないかもしれません。

あとは、天体や潮の満ち引きなどの自然の規則的リズムの影響がこういう非常に長いレベルの波にどのくらい影響しているのかなども気になるところではありますが、そこまでいくと個人レベルでいくら想像をたくましくしたところで分かる気はしないので、妄想はこの位にして、テキストや実際のセッションから学ぶモードに戻ろうと思います。

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また間があいてしまいました。今回は10月のアドバンス講座つながりの話その2です。
前にも書いたように、この講座は主に肺がテーマだったわけですが、講座内容には、肺呼吸(2次呼吸)の状態の観察も含まれていました。クラニオセッションを受けると、受ける前に比べて肺呼吸も深くなることがわかりました、という感じのやつです。肺呼吸も1次呼吸とはまた違った人体のひとつのリズムと言えるわけですが、それを説明する際の先生の言葉に「身体の複数のリズムは互いに関連するものであり、実は皆1つの大いなるリズムの現れの違いかもしれない」というものがあり、なるほどと思わされました。


これは、人体の複数のリズム全てを統括する1つのリズムがあるのかも、とも解釈できますが、若干捻って解釈すると、「身体の複数のリズムの調和がその人全体のリズム」とも言えるのかもしれません。そのため、1つのリズムの調和が取れれば、他のリズムの状態も影響を受け、結果として全体の調和状態も変わるかもしれません。例えば、何らかの呼吸法により肺呼吸の状態が変われば、それは心臓の鼓動や臓器の動き、あるいは(リズムと言わないかもしれないが)神経伝達物質の流れにも影響を及ぼす、というような。
リズムというのは、大雑把な表現ですが、ここでは「身体各部の規則的な反復する動き」というような意味で使っています。肺呼吸には、吸ったり吐いたりの半ば自動的・半ば意識的な動きがあるわけですし、1次呼吸は全身各部がごくごく微かに開いたり閉じたり(実際は複数の動きが組み合わさっているので細かい表現が難しいですが)するような規則的な動きを生み出します。


私もクラニオをやる人ですから、「1次呼吸こそ人体の最も根源的なリズムなのだ(ドヤァ)」みたいに、無意識のうちに序列をつけて考えていたところがあったかもしれませんが、先生の話を聞いて、身体のリズムのうち、別にどれが一番偉いってことはないよな、という当たり前のことを再認識しました。

クラニオ・バイオダイナミクスの考えでは、1次呼吸は発生学的に、受精卵の時点から存在するリズムとされており、「編成のフォース」などと呼ばれています。人が自分のからだを再構成する力で、成長してからもその力は全身に影響を及ぼしているから、その力を利用して自分の状態を再構成できるというところです。クラニオ・バイオダイナミクスではその力が発揮されやすいように静かな環境をセッションで提供するわけですね。
人には受精卵の時点から「中心線・基準線(ミッドラインとよばれる)」があり、受精卵はその部位を中心に働く自律的な動き(1次呼吸)に導かれるように丸まったり反ったりする動きを繰り返しながら胎児としての形を成していくわけですが、DNAという設計図があるとして、その成長の工程を実際の動きとして表現しているリズムが1次呼吸、といえるかもしれません(※)。
ちなみに誕生以降は、脊椎に沿うようにして、脳脊髄液が流れているあたりの位置に1次呼吸の動きの中心がくるので、「形のある脳脊髄液の流れの状態を観察することで、形のない1次呼吸というフォースの動き・状態を間接的に判断する」ことはできますが、脳脊髄液の流れが1次呼吸なのではないです。

そのため、1次呼吸は「人のからだが3次元世界に現れて一番最初に表現するリズムかもしれん」とは一応言えると思うんですが、それがすべてのリズムの上位にあるかというと、そんなことはないわけです。当たり前ですが、心臓の鼓動は1次呼吸を原動力として起きるわけではないですし、肺呼吸(2次呼吸)も同様です。それらの臓器は鼓動や2次呼吸による動きとは別に「1次呼吸によって動かされている動きのパターン」を別に持っているので、両者は違うリズムですし、主従関係もないわけです。ちなみに、1次呼吸と2次呼吸は全然表現が違いますが、その分両者を同時に意識に入れるのは結構難しく、スキルが必要でした。


身体のリズムにかかわるワークにも様々なものがあると思いますが、リズムに主従関係がないように、これもやはりどれが偉いというものでもなく、いずれかに適切にかかわることができれば、どこにかかわっても何がしかいいことはあるのではないかと思います。まあ、クラニオは主に1次呼吸を基準にアプローチしつづけるのみ、という感じですね。



この辺の胎生学の知識は我ながらほんと曖昧な部分が多いなと思います…。ちょっといい加減なことを書いている気もするので、話半分くらいに捉えていただければと。自分の中でもう少し整理したいところです。ちなみに、胎生学の学問分野で1次呼吸という概念が一般的なわけではないですが、受精卵がミッドラインを軸に変化していく自律的な動きそのものは物理的に観測されているようです。その働き(1次呼吸とされてるもの)がどこからどうやって生じているのかは不明です。何ら臓器がない細胞1個の時から勝手に動いて分裂したりしていくのだから本当に謎です。

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プロフィール
HN:
朧 こと 今野
性別:
男性
自己紹介:
会社員生活の傍ら、手技セラピー「クラニオセイクラル・バイオダイナミクス」を学んでいます。

「★クラニオバイオリンク集」ではここ以外のクラニオバイオ関連サイトを紹介しています。

私自身のクラニオセッション等の活動は現在休止中です。

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